“睡眠の質”を上げるには朝バナナ! 最短1分でできる簡単・時短レシピ3選【管理栄養士監修】

眠りが浅く熟睡できないという人が増えているようです。睡眠障害の要因には、夜更かしによる生活リズムの乱れやスマホなどによる影響も考えられますが、まずは朝食から見直してみてはいかがでしょうか。

特に朝食欠食の方は必読!皮をむくだけで手軽に食べられるバナナには、睡眠の質を高める栄養素が多く含まれていますよ。

バナナの優れた栄養素とは

バナナ(正味)100g当たりの栄養素をチェックしてみましょう。

エネルギー93kcal、たんぱく質1.1g、脂質0.2g、炭水化物22.5g、食物繊維1.1g、カリウム360ml、トリプトファン15mg、ビタミンB6 0.38mgです。他の果物に比べて炭水化物やカリウムの量が多めなのが特徴で、炭水化物の内訳は糖質(21.4g)がほぼメインです。その分、甘みが強いため食べた後の満足感がありますよね。

糖質と一言でいってもブドウ糖や果糖、ショ糖などバナナに含まれる糖分は種類が豊富です。そのため、それぞれの糖が体内に吸収されるスピードが異なるため血糖値の上昇は比較的ゆるやかだと言われています。

ほか、睡眠に関わる栄養素としてトリプトファン、ビタミンB6などが多いこともポイントなんです!

体内時計を整えよう!

人間の体には体内時計があるというのはよく聞く話ですよね。朝の光を浴びることで活動状態にスイッチが入り、その1416時間後にオフモードになります。

バナナに含まれるトリプトファンは、日中は「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンになり、夜になると睡眠を促すメラトニンへ変化。そしてビタミンB6はセロトニンの合成に役立ちます。

ビタミンB6はホルモン作用の調整など、さまざまな代謝に関わっています。バナナには、それらの栄養素がバランス良く含まれているのです。

朝ご飯から見直しませんか

大人に限らず朝食欠食の児童が増えているようですが、朝食をとることで体が目覚め、体内リズムを整えることができます。

バナナ以外では、大豆製品や乳製品などもトリプトファンを多く含みます。その点でも朝ご飯に味噌汁や納豆を食べる日本の食文化は理にかなっています。

朝は食欲がないという人は手軽に食べられるバナナや大豆由来の豆乳を飲むことなどから始めてみるといいですね。

バナナを使ったレシピ3選

バナナを他の食材と組み合わせることで、より「睡眠の質」を高めることも。3つの食べ方をご紹介します。

① バナナとヨーグルトのきな粉がけ(所要時間:約1分)

トリプトファンの多い、きな粉と乳製品のヨーグルトを合わせてみましょう。朝から「幸せホルモン」のセロトニンをアップさせる効果が期待できます。

お好みの量でどうぞ!

② バナナの甘酒(所要時間:約3分)

市販の甘酒にバナナを加えて加熱すればホットスムージーに。バナナは、南国のフルーツなので体が冷えるという方がいますので、これからの寒い季節には温めるのも手です。

作り方は、鍋に直接バナナ1本を入れてフォークなどで粗めにつぶし、市販の甘酒150mlを加えて温めればOK。洗い物も少なくて手軽です。

③ バナナときな粉の蒸しパン(所要時間:約3~10分)

小麦粉不使用なのに満足感の高いグルテンフリーの蒸しパンが作れます。たんぱく質が豊富で動物性と植物性の両方が含まれているためアミノ酸バランスも優秀です。

作り方は、材料を混ぜて焼くだけで、とても簡単!

ここではフライパン蒸しをご紹介しますが、600Wの電子レンジで3分加熱でも同様に作れます。また、同じ材料でパンケーキも焼けるので覚えておくと便利なレシピです。

<材料/作りやすい分量>

バナナ(完熟したもの)…1

きな粉…大さじ2

卵…1

好みのナッツ(あれば)…適量

<作り方>

1.すべての材料を耐熱用の器に入れて混ぜる。

2.ナッツを入れる場合は、食べやすく刻んで加えましょう

3.フライパンに耐熱用の器ごと入れ、水1カップ程度を注ぎ蓋をして約10分ほど蒸し焼きに。蓋を開けて竹串で刺してみて、火が通っていれば完成です。

小麦粉不使用なので軽めの仕上がりです。バナナの風味ときな粉の風味が楽しめます。ナッツを入れなくても美味しいですが、食感が加わることで食べ応えアップ。食物繊維や良質な脂質も補ってくれますよ。

ちなみに、同じ生地を焼くだけでパンケーキにもなります♪ 追いバナナと追いきな粉で贅沢に召し上がれ!

正しい食生活で「睡眠改善」

日々、睡眠不足が続くと自律神経の乱れからうつ病の発生率を高める危険性があると言われています。

睡眠は体を休めるだけではなく、特に子どもたちの成長ホルモンを分泌して骨や筋肉などをつくる大切な時間でもあります。

また脳は寝ている間に、記憶を整理させて定着させるといわれていますので学習面でも睡眠は重要。子どもたちの成長のためにも正しく朝食をとり、生活リズムを整えていきましょう。

記事監修

川越光笑(かわごえあきえ)|管理栄養士・たべごとライター
出版社で編集を経験後、独立。食を通した環境問題、農業などに関心が高くフリー編集者兼ライターとして活動中。著者本に日本の食文化を守るべく企画した「おにぎり」(グラフィック社)がある。NHKやラジオ番組J-Waveロハスモーニングなど多数のメディアに出演し、全国のおにぎり文化を語る。両親を病気で亡くしたことをきっかけに、“人は、食べるもので体がつくられている”ということを改めて実感。食の大切さに目覚め、管理栄養士を目指すべく大学へ進学。2023年春、国家試験に合格し、管理栄養士となる。
  • 参考資料:

日本食品標準成分表2020年版(八訂):文部科学省 (mext.go.jp)

「はじめてママ&パパの子どもの栄養(主婦の友社 刊)」

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