本田望結らがガチの猛特訓!元五輪選手・本橋麻里の言葉からヒントを得た映画『カーリングの神様』【本日公開】

短い秋を経て、いよいよ冬を迎える今、冬季のスポーツも盛り上がりを見せていきそう。そんな中、親子で観て楽しんでほしいのが、女子カーリングチームの青春と奮闘劇を描く映画『カーリングの神様』です。本作では、カーリングというスポーツそのものの面白さを再発見できるだけではなく、友情、家族の絆がリアルな等身大の物語が描かれる点にもご注目。

実在する本州最古のカーリング場を舞台にした御当地映画

©2024「カーリングの神様」製作委員会

北京2022冬季オリンピックで、日本代表の女子チームが銀メダルに輝いたことも記憶に新しい女子カーリング。一躍ブームとなり、試合中の“もぐもぐタイム”も話題となりました。映画『カーリングの神様』の舞台は、2022~23年の年末年始にカーリングの国際大会「ワールドカーリングツアー ニューイヤーカーリングin御代田2023」が開催された長野県御代田町(みよたまち)です。

地元の関係者の協力を得て完成した本作は、実在する本州最古のカーリング場とされる「カーリングホールみよた」でロケを敢行したオリジナル映画。このホールは、1998年開催の長野オリンピックを前に、町の有志らが倉庫だった建物を手づくりで改装したもので、町民の思い入れもたっぷりです。

©2024「カーリングの神様」製作委員会

メガホンをとったのは『おかえり、はやぶさ』(12)『超高速!参勤交代』シリーズ(14・16)、『空飛ぶタイヤ』(18)、『シャイロックの子供たち』など、心に響く人間ドラマを数多く手掛けてきた本木克英監督。カーリングに青春を捧げる若きプレイヤーを、本田望結、長澤樹、泉智奈津、白倉碧空らフレッシュなキャストが好演しています。

実際にカーリングの猛特訓を受けた本田望結たちの熱演が白眉

©2024「カーリングの神様」製作委員会

軽井沢にほど近い風光明媚な御代田町で、小学生時代からカーリングに打ち込んできた高校生の清水香澄(本田望結)。小学生時代には、幼馴染みと結成したチーム“みよステラ”で優勝した経験もありましたが、その後、チームは解散し、くすぶる毎日を過ごしていました。

ある時、地元のホールで、カーリングの国際大会が開催されることが決定。香澄にとっては、オリンピックに出場するような強豪チームと対戦できる国際大会のエキシビションマッチに出られるチャンスです!そこで香澄はかつてのチームメイトである中澤優芽(泉智奈津)と牛山沙帆(白倉碧空)に声を掛け、“みよステラ”を再結成。

©2024「カーリングの神様」製作委員会

3人は、強豪チーム“軽井沢EC”に所属する元チームメイトの曽根原舞(川口ゆりな)に復帰を促しますが、舞は聞く耳を持たず、3人をライバル視します。舞の代わりにメンバーとして加わったのは、東京から来た転校生、江藤実乃梨(長澤樹)でしたが、カーリングは初心者で戦力になりそうもない感じ。さらにコーチ探しにも苦戦する中、香澄と優芽も衝突!果たして町に伝わる“カーリングの神様”は現れるのでしょうか?

©2024「カーリングの神様」製作委員会

本田さんたちキャストは、実際にカーリングのプロから猛特訓を受けて練習に打ち込んだので、そこで芽生えたであろう友情の絆には嘘がない気がします。彼女たちの真摯な眼差しには、演技を飛び越えた“本物”の輝きが感じ取られ、観ている方にも熱が伝わってきます。

また、今では老朽化している「カーリングホールみよた」に対する地元の人々の愛着と、香澄たちが小学校時代から育んできた友情の2つが、きちんと時を重ねて“今”という時間につながっていることを丁寧に描いた点も好感度大。

“今”を映し出すという点においては、ちょうどコロナ禍でまともな思い出が作れなかった世代ならではの葛藤も織り込まれ、現実と地続きな物語となったことで、観る側もより一層心を揺さぶられそう。

そして、若手女優の奮闘を支えるのが、高島礼子、柄本明、田中麗奈、六角精児ら実力派俳優陣です。適材適所で優しい目線や、熱いハートを持って香澄たちにエールを贈る年長者の姿が、パパママ世代の心をじんわりと温めてくれます。

『カーリングの神様』というタイトルが意味するものとは?

©2024「カーリングの神様」製作委員会

個人的に、カーリングというスポーツがとても面白いと思えるポイントは、選手たちが存分に実力を発揮する場面はもちろんのこと、時にストーンが思いもよらぬ動きをしたことで、予想外の点数を弾き出すという奇跡的なプレイが見られることかなと思っています。

本作でも、そういう“まさかの”神ショットに大興奮させられますが、それこそが映画のタイトル『カーリングの神様』なんです。実はこれ、実際にロコ・ソラーレの本橋麻里代表理事が言った言葉がヒントになっているとか。

©2024「カーリングの神様」製作委員会

本橋さんは、北京オリンピックで日本カーリング史上初の銀メダルを獲得した時、準決勝でのスイス戦を振り返り「カーリングの神様っているんだな」と発言したそうです。劇中ではいろんな壁にぶつかりながら、勝利を目指して大奮闘して香澄たちの姿を見ていると、「どうか神様!出てきてください」と、ガチで祈ってしまうはず。果たして神様は降臨するのでしょうか!?


折しも、アイススケートやカーリングなど、冬季ならではのスポーツの中継が多くなってきたこの季節。ぜひお子さんとともに、スポーツ観戦気分も味わえ、観終わったあと、心地良い感動に包まれる本作『カーリングの神様』を映画館で“観戦”していただきたいです。

『カーリングの神様』は11月8日(金)より公開中
監督:本木克英
出演:本田望結、長澤樹、泉智奈津、白倉碧空/川口ゆりな、秋山ゆずき、山崎竜太郎、内浦純一、柄本明、六角精児、田中麗奈、高島礼子…ほか
公式HP:curlingnokamisama.com

文/山崎伸子

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