ポケモン好きがアウトドアに強くなる! 「めざせ!ポケモントレーナー」で学べることって?

「めざせ!ポケモントレーナー」

公益財団法人ボーイスカウト日本連盟が2025年の夏から全国約400か所にて、小学生の子どもたちを対象としたポケモンの体験型プログラム「めざせ!ポケモントレーナー」を開催中! その活動の内容とは?

参加者の小学生は、ポケモントレーナーになることを目指しながら、自然を通じてポケモンたちとのさまざまなミッションに挑戦! 果たしてどんな学びができるのでしょうか?

そんなワクワクの内容から、夏休みに野外で遊ぶ体験をするときの学びのポイントも合わせて、公益財団法人ボーイスカウト日本連盟 広報委員長の木村直登さんの解説のもと、ご紹介します。

「めざせ!ポケモントレーナー」とは?

「めざせ!ポケモントレーナー」

「めざせ!ポケモントレーナー」は、ポケモンとの野外体験を通じて心と体を育てる、冒険型の体験プログラムです。ポケモンと一緒に“冒険する楽しさ”を味わいながら、自然の中で役立つ技能や協調性、そして仲間との友情を育むことができます。

ポケモントレーナーとは、ポケモンを捕まえて、育て、勝負する人たちのこと。ポケモンに愛情を注ぎ、信頼関係を築くことが重要に。参加者には、自然の中で起こった問題を解決するための6つのミッションが与えられ、一人前のポケモントレーナーを目指します。

それぞれのミッションでは、パートナーとなるポケモンを、ゲッコウガ、ハピナス&ガラルポニータ、カイリキー、レントラー、フシギダネ、ジュナイパーの中から選択。ミッションを達成することで、自然の中で役立つ技能を学べます。

例えば、こんなミッションがあります。

●おなかぺこぺこ! きのみ大作戦
モルペコがおなかを空かせて大暴れ! きのみを取るのが得意なポケモンの助けを借りて、モルペコのためにきのみをとってあげましょう。

●どこにいるの? ポケモン探し隊!
ポケモンたちと一緒にお出かけしたはずなのに、はぐれちゃって迷子に。迷子になっているポケモンたちを探しましょう。

●どうする? 崖の上のポケモン
崖の上から降りられなくなってしまったポケモンを、つるを伸ばすのが得意なポケモンと一緒に救出しましょう。

©ボーイスカウト日本連盟

「めざせ!ポケモントレーナー」で学べること

6つのミッションは、ボーイスカウトの教育的な要素をベースに構成。「リーダーシップ」や「思いやりの心」、「体を動かす力」「生活に役立つスキル」、そして「誰かのために行動するやさしさ」を遊びながら自然に身につけていきます。

楽しさの中にたくさんの学びがあることが、このプログラムの最大の魅力です。

ミッションを通して、自分の中に眠るポケモントレーナーとしての素質をぐんぐん伸ばすことができます。全国各地で開催しているので、ぜひ近くの場所に参加してみてください。

全国での開催情報は公式サイトから≪

子どもたちが野外で培える力

野外で遊ぶ機会が減っている今、子どもたちが野外で遊ぶことで、どんな力を培えるのでしょうか。このプログラムだけでなく、一般的に野外活動を通じて培える力を5つご紹介します。

1.好奇心と学びの芽を育む力

自然は毎日違う発見の連続。自然の中では、音や光、におい、肌ざわりなど五感すべてが刺激されます。「これなに?」「どうして?」という小さな発見の積み重ねが、子どもたちの知的好奇心や観察力、探究心を自然と引き出します。こうした“学びを楽しむ力”は、子どもたちが将来新しいことに挑戦する際の土台にもなります。

2.仲間と関わり、信頼を育てる力(ソーシャルスキル)

自然の中での活動は、ひとりでは完結しません。テントを立てたり、火をおこして食事をつくったり、野外には仲間と協力しなければ成し遂げられない場面が数多くあります。

子どもたちは役割分担や助け合いを通じて、コミュニケーション力や思いやり、協力する姿勢を自然と身につけていきます。こうした体験の積み重ねは普段の生活でチームで物事に取り組むときにも大きな力になります。

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3.気持ちを整え、前向きになる力(エモーショナルスキル)

野外活動の中では、普段の生活では意識しにくい気持ちの変化に出合うことがあります。

自然の中で自分の感情と向き合うことで、気持ちを整理したり、前向きに切り替えたりする力が育まれます。落ち込んだときに深呼吸するような、自分を整える術を身につけることができます。

4.自分のことを自分でやる、生きる力(ライフスキル)

自然の中では、天候の急変など、思い通りにならないことがたくさんあります。そんな環境下で荷物の管理や着替えに加え、火をおこして食事をつくる、ロープを使ってテントを張るなど、身の回りのことを自分で行う力が求められます。

野外活動では困難に直面しても落ち着いて判断し、工夫しながら乗り越える“生きる力”が育まれます。こうした力は、万一の災害時にも自分や周囲を守る助けになります。

5.小さな挑戦の積み重ねが育てる自己肯定感(非認知能力)

野外活動は、小さな挑戦の連続です。初めて火をおこすこと、重たい荷物を背負って歩くこと、そして苦手なことにも一歩踏み出してみること。そんな経験のひとつ一つが、「自分にもできた!」という実感につながります。その積み重ねが子どもたちの自信となり、自己肯定感を育てていきます。

こうして育まれた力は、子どもたちがこれからの人生で困難に直面したときであっても、自らを信じて乗り越える力になります。

©ボーイスカウト日本連盟

夏休み中にもおすすめ! 野外の遊び方3選

夏休み中、親子や友達同士でキャンプなどに行ったときに、おすすめの遊び方をご紹介します。

1.自然素材でクラフトづくり

葉っぱや小枝、石など、自然の中にあるものを使って動物やアクセサリーを作る遊びです。完成形を決めず、自由な発想で楽しめるのが魅力。子どもたちは夢中になりながら、観察力や創造力を育てていきます。親子で一緒に「どんな形に見える?」と声をかけ合うと、会話も自然に弾みます。

2.火おこし&自炊チャレンジ

ライターを使わずに火をおこし、簡単なご飯や焼きマシュマロなどをつくってみましょう。子どもたちは、火のありがたさや扱い方の大切さを体験しながら、達成感も得られます。親子で一緒に取り組めば、安全管理もしながら本格的な冒険気分が味わえます。

3.夜の自然観察ハイク

暗くなった森や草原を懐中電灯片手に歩く「ナイトハイク」は、昼間とは違う自然の表情を発見できる特別な体験です。虫の音や風の音に耳を澄ませるだけでも、感性が研ぎ澄まされていきます。

野外遊び中に保護者が意識したいポイント

©ボーイスカウト日本連盟

野外遊びを通じてお子さんがたくさんの学びが得られるよう、保護者の方が意識したいポイントをご紹介します。

1.失敗こそが学びの入り口!

野外では、うまくいかないことがつきものです。火がおこせない、道に迷う、などの機会こそが学びと成長のチャンスです。

子どもは「自分でやってみて、失敗して、考える」中で、本当の学びを得ていきます。「どうしたら次はうまくいくかな?」と寄り添うことで、挑戦を後押しできます。

2.感性が育つ“立ち止まる時間”を大切に

虫をじっと見つめたり、葉っぱを並べたり、風の音に耳をすませたり。そんな何気ない行動の中に、自然を感じる感性が育っています。

野外では、子どもが自分のペースで自然と向き合うことが大切です。一見立ち止まっているように見えても、実は深い学びがある時間。急がず、そっと見守ってあげましょう。

3.自分でやってみる意志を尊重する

「これやってみたい!」「ぼくがやる!」という声が出たら、それは学びの始まりであり、リーダーシップの芽生えでもあります。

子どもは体験を通して考え、工夫し、自分の力でやりとげる中で、自信や責任感を育てていきます。親はあえて手を出しすぎず、そばで見守ることで、その一歩を応援してあげましょう。

屋外での学びをぜひ

「めざせ!ポケモントレーナー」の概要と学べること、そして一般的な野外での活動や遊びの方法や学び、ポイントについて解説しました。

まだ野外で長時間過ごしたことがない小学生に、特におすすめの体験プログラムです。この夏から秋冬と全国で開催予定。ぜひ近くの場所で参加してみましょう。

また、親子や友達同士でのハイキングやキャンプなどのアウトドアもおすすめです。今回ご紹介された内容を踏まえて思い切り大自然の中で遊び、たくさん学びましょう。

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お話をうかがったのは

木村 直登さん 公益財団法人ボーイスカウト日本連盟理事 広報委員長

6歳からボーイスカウトを始めて以来、国内外で数多くの野外活動や青少年育成事業に参画。現在は日本連盟の広報委員長として、ボーイスカウト活動の魅力と社会的価値を広く発信する役割を担っている。

構成・文/石原亜香利

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