自称「活字中毒」!芦田愛菜さんに聞く、読書好きになる秘訣とは?

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初の著書『まなの本棚』を出版した芦田愛菜さん。これまでに読んだ本のなかから選んだ約100冊を、思い入れたっぷりに紹介する内容です。夏目漱石の『坊ちゃん』のような古典文学から、『ハリーポッター』や直木賞作家・辻村深月さんの『かがみの孤城』など小説のほか、愛菜さんに影響を与えた絵本、図鑑、学習まんがシリーズなど幅広い書籍が取り上げられています。

初めての著書について、そして本に対する熱意をたっぷり聞かせていただきました。

本がない人生なんて考えられない!

「本がない人生なんて考えられない!」というぐらい活字好きの愛菜さん。これまで、本当にたくさんの本を読んできたそうです。

「小さい頃から両親がいつも図書館で本を借りてきてくれたり、読み聞かせをしてくれて、私の周りには常に本がありました。だからすごく身近な存在で、本を読むのは歯磨きをしたり、お風呂に入ったりするのと同じぐらい日常のことなんですよね。小学生の頃は児童書、絵本が多かったので、これまでの人生でトータル1000冊ぐらい読んでいるかもしれません」

―1000冊のなかから選ばれた珠玉の84冊。どんな基準でセレクトしたのですか?

「小さい時に両親に読み聞かせをしてもらったお気に入りだった一冊だったり、友だちと本の貸し借りをして感想を言い合ったりした思い出の本、ページをめくるのが惜しい、ストーリーにどんどん引き込まれていった忘れられない一冊を厳選しました。好きすぎて教えたくなかったという本もあります(笑)。今回この本を書くにあたり、何冊かは改めて読み直しました」

愛菜さんが「恋に落ちた♡」作家たち

―「好きすぎて教えたくなかった」のは、どの本ですか?

「辻村深月さんの本です。本屋大賞を取られる前に『ツナグ』と『かがみの孤城』を読んでいて、大好きな作家さんに出会ってしまった!と思ってすごく惹かれていたんです。そうしたら、賞を受賞されて、すごく驚いて。私にとっては、好きすぎてあまり人に教えたくなかった作家さんです」

辻村深月さんとは『まなの本棚』で対談が実現。愛菜さんにとって「神様みたいな存在」の辻村さんと過ごした時間は、「嬉しすぎて、終始にやけていました」。愛菜さんが最近、「出会った!」のは、村上春樹さんの本。中学生になって初めて手に取って、読み終わった後には放心状態になってしまったそう。

村上春樹の世界観にもハマり中

「『騎士団長殺し』を呼んで、こんなに読み応えがある本があるんだと驚いたんです。すごく想像力が刺激される本で、ぐいぐいと本の世界に引き込まれました。『文字ならでは』の面白さが詰まっている本だと思います。この間、『海辺のカフカ』も読んだんですけど、村上春樹さんの本にはまりましたね。これからもっと読んでいきたいと思います」

絵本から古典まで、愛菜’s読書歴がつまびらかに

「まなの本棚」では、愛菜さんが小さい時に読んでいた本にも焦点が当てられています。例えば、小学2年生の時に読んでいたという『落語絵本』シリーズや、小学3年生の時に買ってもらった小学館の図鑑NEO『星と星座』『宇宙』など。

そのなかでも、「思い出の一冊」として挙げたのは3歳の時に読んだという『おしいれのぼうけん』

「本を作るにあたって読み返した本もあるんですが、そのなかで『おしいれのぼうけん』は、最初に読んだ時とストーリーが全然違うように感じられた本です。小さい時はねずみばあさんというキャラクターがすごく怖かったんですけど、読み返してみると、登場する男の子ふたりの友情が描かれていて、こんなにいいお話だったんだってびっくりしました」

冒頭にも記したように、古今東西のいろいろな本を読む愛菜さん。最近、印象的だった本として挙げたのは森鴎外の『舞姫』でした。

「それまで古典文学って固いイメージで手に取りにくかったんですけど、中学生に入って『舞姫』を読んだら、すごく深くて面白いって思えるようになって。それ以来、古典文学にも少しずつチャレンジできるようになりました。すごく印象深い作品です」

この本がきっかけで本が好きな人が増えたら

愛菜さんは登校前の5分間など「少しでも時間があったら本を読みたい」と言います。歯磨きをしながら本を読んで、お母さんに注意されたこともあるそう。「無人島に持っていくならどの本?」という質問には、「とにかく分厚い本がいいですね」と答えて笑いを取っていました。なにがそこまで愛菜さんを惹きつけるのでしょうか?

「本は文字で表現されているので、読者が自由に想像できると思うんですね。例えば、青い屋根で、白い壁で、かわいいドアがついている家がありますと書いてあったら、きっと皆さん想像するものが違うと思うんです。それが面白いし、本の魅力だなと思います。ちょうど期末テストが終わって夏休みに入るので、読みたい本がたくさんありすぎてちょっと困っています(笑)」

 

世の中では「活字離れ」と言われますが、愛菜さんの言葉からは、本への愛が溢れています。今回、『まなの本棚』を出したのも、本に興味を持ってくれる人が増えたら、という想いがあるそうです。

 

「本が好きな方はもちろん、今まであまり本を手に取ってこなかった方も、大人も子どもも年齢を問わずたくさんの方に手に取っていただきたいです。この本をのぞいて、こんなにいっぱい本ってあるんだ、読んでみたいなと興味を持っていただけたり、私が紹介した本じゃなくても、本って面白そうだなと思っていただけたら、それだけで嬉しいです」

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子どもに読ませたい!『まなの本棚』に登場する本を一部紹介!

図鑑NEO 星と星座・宇宙

小学館

「小学3年生くらいから星に興味をもって、この2冊の図鑑をよく読んでいました。夏休みの自由研究で、天体望遠鏡で夜空を観察したことも!」

落語絵本シリーズ

川端誠の「落語絵本」全12冊

「落語っておもしろいですよね。このシリーズが落語に触れるきっかけになりました。古典落語がかわいい絵と読みやすい文章で書かれていて、すごく入りやすいんです」

学習マンガ人物館シリーズ

「ちょっと難しいお話も、子ども向けに書かれた学習マンガで読むとすらすら読めるので、小学生の時はよく読んでいました。いろんな偉人のエピソードをまとめたこのシリーズでは、ヘレン・ケラーやキュリー夫人、野口英世など、日本や世界の歴史上有名なさまざまな人物がどんな人生を生きてきたかを知ることができるのは、とても興味深いです」

ハリーポッターシリーズ

「ハリー・ポッターシリーズは、小学生の時から大好きで、いまだによく読み返しています。自分が11才になったときに『あぁ、私にはホグワーツからの入学許可証が届かなかったな…』ってがっかりしてしまいました(笑)」

学習マンガ ドラえもん からだシリーズ

「このシリーズに最初に出会ったのは、ドラマ『Mother』の撮影をしていた5才くらいの時。ドラえもんがのび太たちと、体の中のいろんな場所を巡っていくという設定で、ストーリーを追いながら体の機能が分かるように。母に書店に行くたびにおねだりした記憶があります」

愛菜さんの読書歴を参考にすれば、本好きキッズになれる!

今回ご紹介したのは『まなの本棚』に掲載された本のほんの一部。書籍の中には、愛菜さんの活字愛と共に、読んできた本への思いやおすすめのポイントがたっぷり込められています。我が子に本好きになって欲しいと考えている親御さんも必読の一冊です。

 

著/芦田愛菜
本体1400円+税

 年間100冊以上も読み、本について語り出したら止まらない芦田愛菜が本当は教えたくない“秘密の84冊”をご紹介。世代を超えて全ての人が手に取ってみたくなる考える力をつけたい親御さんと子供たちにも必読の書です。

 

取材・文/川内イオ

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