9月11日は「タンパク質の日」
タンパク質の日は、一般社団法人日本プロテイン協会が制定した記念日です。
英語でタンパク質を表す「Protein(プロテイン)」の頭文字「P」の形が数字の「9」に似ていること、そして「プロテイン(P)」は「イイ(11)」という語呂合わせが由来とされています。これらを組み合わせて、9月11日が「タンパク質の日」と制定されました。
健康づくりや美容に欠かせないタンパク質について、あらためて意識を高めてもらうことを目的としています。
タンパク質の役割

タンパク質は三大栄養素のひとつで、人間の体を作る基本的な材料です。筋肉や臓器はもちろん、髪・皮膚・爪など、私たちの体の大部分はタンパク質からできています。ここでは、タンパク質がどのように私たちの体を支えているのかをご紹介します。
役割1:筋肉・骨・肌など「体のパーツ」をつくる
筋肉や骨、皮膚、髪、爪など、体を形づくる土台はすべてタンパク質からできています。
食事で摂ったタンパク質は、体の中で一度「アミノ酸」に分解され、それが再び組み合わさって筋肉や臓器、皮膚や髪といった組織をつくる材料になります。つまり、タンパク質は「体を組み立てるパーツ」そのものであり、十分な量を摂ることで細胞の修復や新しい組織の生成がスムーズに行われます。
子どもの成長はもちろん、大人も毎日古い細胞が新しく生まれ変わっているため、食事でタンパク質を補うことが欠かせません。
役割2:消化や代謝を助ける「体のスイッチ」になる
タンパク質は、酵素やホルモンをつくるための大切な材料になります。
酵素とは、食べたものを分解して消化・吸収を助け、体内での代謝やエネルギー生成をスムーズに進める働きを持つ物質です。ホルモンとは、体の各器官に指令を出すメッセージ物質で、気分や睡眠、成長や代謝などをコントロールし、体のリズムを整える役割を果たします。
タンパク質が不足すると、酵素やホルモンの働きが十分に行われず、エネルギーを効率よく作れなくなり、体調のバランスを崩す原因につながることもあります。
役割3:病気から守る「免疫力」を支える
免疫とは、体に侵入したウイルスや細菌を排除し、健康を守るための防御システムのことです。この免疫システムを働かせるために必要な抗体や免疫細胞もタンパク質でできています。
十分にタンパク質を摂取することで抗体や免疫細胞がしっかり働き、免疫力を保つことができます。免疫力が高まれば、風邪や感染症にかかりにくくなったり、回復が早くなったりするなど、日々の健康維持に大きく役立ちます。
タンパク質のメリット

タンパク質をしっかり摂ることは、美容や健康に直結します。特にダイエット中は欠かせない栄養素です。ここからは、タンパク質が私たちのビューティ&ヘルスに対してどのようなメリットをもたらしてくれるのかを解説します。
メリット1:ダイエットをサポートする
タンパク質は、消化・吸収に時間がかかるため胃の中に長くとどまりやすく、さらに満腹中枢を刺激するホルモンの分泌を助けることから、食後の満腹感が持続しやすい栄養素です。その結果、自然と食べ過ぎ防止につながります。
さらに、タンパク質をしっかり摂ることで筋肉の材料が十分に補われ、日常的に体を動かすだけでも筋肉が維持されやすくなります。重い筋トレをしなくても、通勤や買い物で歩く、階段を使うといった習慣でも筋肉は刺激を受けますが、その効果を高めるのがタンパク質の役割です。
筋肉がしっかり保たれていると、体はエネルギー不足のときに筋肉を削らずに体脂肪を優先的に燃料として利用します。これにより「筋肉を守りながら脂肪を落とす」ことが可能になります。
また、筋肉は安静にしているときでも多くのエネルギーを消費する組織です。そのため、筋肉量が保たれることで基礎代謝が高く維持され、痩せやすく太りにくい体づくりにつながります。
メリット2:美肌や美髪に貢献
髪や爪、肌の主成分もタンパク質です。
食事で摂ったタンパク質は体内でいったんアミノ酸に分解され、そのアミノ酸が材料となって、髪や爪をつくるケラチン、肌のハリや弾力を保つコラーゲンやエラスチンなどが合成されます。
そのため、タンパク質が不足すると髪がパサついたり、爪が割れやすくなったり、肌の弾力や潤いが失われやすくなります。しかしながら、十分なタンパク質を摂取すれば、つややかな髪や健やかな肌を維持しやすく、タンパク質は美容を意識する人には欠かせない栄養素といえます。
メリット3:疲労回復を助ける
食べ物から摂取したタンパク質は体内でアミノ酸に分解され、このアミノ酸が体の修復部品として働きます。
運動や日常生活の動きでも筋肉の線維は細かく損傷し、その際に炎症が起きることで「だるさ」や「筋肉痛」といった疲労感につながります。ここでアミノ酸という修復部品が十分にあれば、傷ついた筋肉繊維や細胞を効率よくつなぎ直すことができ、炎症が落ち着いて回復が進みます。
筋肉や細胞が修復されると損傷に伴う疲労感が和らぐだけでなく、筋肉そのものが正常に機能する状態に戻るため、エネルギーをつくり出す代謝活動がスムーズに行われます。結果として体全体の疲れがとれやすくなり、日常の動きや運動のパフォーマンスも回復しやすくなるのです。
タンパク質の上手な摂り方

タンパク質をただ摂るだけではなく、効率的に体に活かす工夫も大切です。ここからは、タンパク質をより上手に摂取する方法をご提案します。
上手な摂り方1:毎食に分けて摂る
1日の必要量を一度に摂るのではなく、朝・昼・夕食と分けて取り入れるのがおすすめです。
体が一度に大量のタンパク質を使いきれないのは、アミノ酸を筋肉や細胞が合成に利用できる量に上限があるためです。必要量を超えて余ったアミノ酸は、筋肉の材料としては使われず、エネルギーとして消費されたり尿として排出されたりしてしまいます。
目安としては、1回の食事で20〜30g前後のタンパク質を摂ると効率的とされています。これは卵2〜3個+ヨーグルト1個程度や、鶏むね肉100g程度に相当します。
また、タンパク質の合成は数時間単位で活発に行われるため、3〜4時間おきに分けて摂るのが理想的です。朝・昼・夕の3食に加えて、間食でプロテインや高たんぱくおやつを取り入れると、よりバランスよく補給できます。
上手な摂り方2:多様な食品から摂る
肉・魚・卵・大豆製品・乳製品など、タンパク質を含む食品はさまざま。動物性と植物性を組み合わせることで、よりバランスのよい栄養摂取が可能です。
その理由は、食品によって含まれるアミノ酸の種類や量に偏りがあるからです。動物性タンパク質は、体内で合成できない必須アミノ酸をバランスよく含み、吸収率も高いのが特徴です。一方、植物性タンパク質は脂質が少なくヘルシーで食物繊維も摂れるメリットがありますが、「メチオニン」や「リジン」など一部の必須アミノ酸が不足しやすい傾向があります。
そこで両方を組み合わせることで、互いの弱点を補い合い、必須アミノ酸を過不足なく摂れるようになります。たとえば「鶏肉+豆腐」「魚+納豆」「卵+大豆製品」「牛乳+オートミール」といった組み合わせが好例です。
上手な摂り方3:プロテインを活用する
食事だけでタンパク質を十分に摂れない場合は、プロテインパウダーやプロテインドリンクを取り入れるのも有効です。忙しいときでも手軽にタンパク質を補えるのが大きな魅力です。
さらに、プロテイン製品は必要なタンパク質を効率よく摂取できるように設計されているため、余分な脂質や糖質を抑えつつ、狙った量のタンパク質を安定して摂れるのが優れた点です。
種類によっては消化吸収が早く、運動後のリカバリーに適しているもの(ホエイプロテイン)や、大豆由来でゆっくり吸収されるため腹持ちが良いもの(ソイプロテイン)もあります。
このように、食事だけでは不足しがちな場面をサポートし、目的やライフスタイルに合わせて選べるのがプロテインの強みです。
プロテインが上手に摂れる高たんぱく食品15選
忙しい日常でも手軽にタンパク質が摂取できる食品を、プロテインバーやスナック、軽食などタイプ別にご紹介します。一見ふつうの味噌汁や餃子、パンやスイーツが、実は高たんぱく。毎日の食卓がもっと楽しくなる15商品をピックアップしました。
食卓にプラス! プロテイン入りスープ&惣菜
「食事の一品」として取り入れやすい高たんぱく食品。温かいスープや即席味噌汁、冷凍惣菜で、毎日の食卓に自然にタンパク質をプラスできます。
味の素 クノール タンパク質がしっかり摂れるスープ コーンクリーム(スティック15本入)

スープ1杯でタンパク質8gが摂れる、栄養強化型のクノールシリーズ。濃厚なコーンの甘さはそのままに、手軽にタンパク質を補えるのが魅力です。
お湯を注ぐだけで完成するので、忙しい朝の栄養補給やオフィスでの軽食にもぴったり。子どもから大人まで食べやすい味です。
味の素 タンパク質がしっかり摂れる味噌汁 なすと油揚げ

味噌汁1杯で約8gのタンパク質が摂取可能。なすと油揚げの具材がしっかり入り、食べ応えのある即席味噌汁です。
日常的に不足しがちなタンパク質を、普段の一汁として無理なく取り入れられるのがポイント。塩分控えめで健康を意識する方にもおすすめです。
[冷凍] by Amazon 味の素 PROTEINギョーザ 1kg

8個入り1食で約20g以上のタンパク質が摂れる高たんぱく冷凍餃子。鶏肉と大豆たんぱくをバランスよく配合し、脂質は抑えめ。
焼くだけで手軽に調理できるので、忙しい日の夕食やトレーニング後の一品にぴったり。通常の餃子よりも栄養価が高く、ボリューム満点ながら体づくりをサポートします。
ポリポリ食べてタンパク質補給! プロテインスナック
甘いお菓子とは違い、しょっぱい系で食べやすいスナックタイプ。おやつやおつまみ感覚で食べられるので、日常の間食にも最適です。
BODYSTAR プロテインチップス(バーベキュー味)

1袋でタンパク質20gが摂れるスナック。大豆たんぱくをベースにしており、ザクザクした食感と濃厚なバーベキュー味で満足感があります。ポテチ感覚で食べながら高たんぱく補給ができるのが魅力です。
カバヤ食品 ソイジャーキー(大豆ミートジャーキー) 45g×8入

大豆をベースにしたヘルシーなジャーキー。噛むほどに旨味が広がり、1袋でタンパク質15g前後を摂取可能。肉を控えたい方や、ダイエット中のおつまみにおすすめです。
ZENB ゼンブ チップス ブラックペッパー

黄えんどう豆を皮ごと使用した豆100%のスナックで、小麦不使用のグルテンフリー設計。ノンフライでサクッと焼き上げられ、ブラックペッパーのピリッとした風味がアクセントになっています。
1袋(24g)あたり 約4.4g のタンパク質が含まれています(黄えんどう豆由来)。
主食でもしっかり! プロテイン入りパン・ご飯・シリアル
毎日の食事に自然に取り入れやすいのが、パンやご飯、シリアルなどの主食系。無理なくタンパク質をプラスできます。
【タンパク質が取れる】ベースブレッド

1食2袋で1日に必要な栄養素の1/3を摂れる完全栄養食のパン。糖質は通常の食パンよりも抑えられており、ダイエット中の方にも安心。朝食の定番にしやすいベーカリーアイテムです。
kokuu たんぱくプラス 雑穀米 グルテンフリー

白米に混ぜて炊くだけで、手軽にタンパク質をプラスできる雑穀米。100gあたり約30gのタンパク質を含み、通常の雑穀米に比べて高たんぱくなのが特徴です。グルテンフリー仕様なので、小麦を避けたい方にも安心。
食感はしっとりもちもちで、栄養価の高い雑穀の風味も楽しめます。日常のごはんをベースに、無理なくタンパク質を増やしたい方にぴったりの一品です。
カルビー マイグラ プロテイン 360g

「マイグラ プロテイン」は、タンパク質をしっかりと摂りたい方にぴったりのグラノーラです。1食分(60g)で、なんと12.1gものタンパク質が含まれており、低脂肪乳200mlと合わせれば合計21gの高たんぱく朝食が完成します。
デザート感覚でおいしい♪プロテインスイーツ
ヨーグルトやプリン、アイスなど、スイーツ感覚で食べられるのにしっかり高たんぱく。甘いものを我慢せずに栄養補給できます。
ダノン オイコス(ギリシャヨーグルト)

1カップ(113g)でタンパク質10g以上を含む高たんぱくヨーグルト。脂質ゼロで腹持ちも良く、ダイエット中の間食や運動後の補給に人気。フルーツソース入りや無糖タイプなど味の種類も豊富です。
アサヒコ 豆腐のおやつ プリン(TOFFU PROTEIN)

「豆腐のおやつ プリン」は、卵・乳アレルギーの方やヴィーガンにもうれしい、豆乳由来のシルキーなスイーツ風豆腐デザートです。
100gあたりタンパク質4.7g含有で、動物性原料を避けたいけれどタンパク質もきちんと補給したい方におすすめです。コレステロール0 mg・乳・卵不使用でヘルシーなデザートとして注目されています。
Pocotein アイスクリーム プロテイン入りジェラート

「Pocotein」は、1個(120ml)あたり約10.6gのタンパク質を含む高たんぱくジェラートです。
カロリーは約103kcal、脂質も2.3gほどと控えめで、ダイエット中や運動後のリカバリーにもぴったり。北海道産スキムミルクやグラスフェッドWPIを使用し、人工甘味料不使用で自然な甘さが楽しめます。バニラや抹茶など豊富なフレーバーで飽きずに続けられるのも魅力です。
タンパク質は、健康も美容も支える必須栄養素
タンパク質は、筋肉や骨、肌や髪といった体の土台をつくり、ホルモンや酵素、免疫機能の材料にもなる欠かせない栄養素です。美容や健康はもちろん、ダイエットや疲労回復をサポートする役割もあり、私たちの毎日を支えています。
効率的に摂るには「毎食に分けて摂る」「動物性と植物性を組み合わせる」「プロテイン食品を活用する」といった工夫がポイントです。そして今では、味噌汁や餃子、パンやプリン、アイスといった身近な食品にも高たんぱくアイテムが増え、楽しみながら取り入れられるようになっています。
9月11日の「タンパク質の日」をきっかけに、食生活を見直してみるのもおすすめです。意外な食品からタンパク質を取り入れることで、無理なく、おいしく、健康的な毎日につなげていきましょう。
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文・構成/HugKum編集部
