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1年かけてコツコツとトンボを採集。自作の虫取り網も!
――想大さんがトンボを好きになったのはいつですか? どんなところを好きになりましたか?
想大さん 好きになったのは1年生の頃からです。家の周りや学校の近くに飛んでいるトンボを見て、飛び方や模様がキレイだと思ったからです。
――自由研究のテーマを「トンボ図鑑」にしたのはなぜですか?
想大さん 周りにトンボを好きな子があまりいなくて、トンボに興味がないとか嫌いだっていう子にも、こんなにかわいくてキレイなんだというのを知ってほしくて、トンボ図鑑をテーマにしました。
――トンボの種類の多さ、キレイさに驚きました。ここまでのたくさんのトンボをどこで見付けたのですか? いろいろな場所に行ったのでしょうか。
想大さん 愛知県内の春日井市都市緑化植物園(グリーンピア春日井)にたくさんトンボが飛んでいるので、よくとりに行っています。ほかにも岐阜県、三重県、滋賀県、山梨県にも行きました。行く場所は図鑑や分布域を見て決めることが多いです。

――今回の図鑑の写真はどのくらいかけて撮影したのですか?
想大さん トンボの写真は1年生の頃からコツコツ撮っていましたが、今回の図鑑に載っているのは1年ぐらいかけて撮りました。
――見付けるだけでも大変だと思いますが、とるのもとっても大変だと思います。苦労はありましたか?
想大さん とりたいトンボがいそうな場所に行ってもいなかったり、いてもなかなかとれなかったりすることもあるので、やっぱり大変です。1年生のときは高い場所にいるのは届かなくて、お父さんにとってもらったこともあったんですけど、2年生、3年生になったら自分だけでとれるようになりました。
――トンボをとるときの必需品はありますか?
想大さん 釣り道具の店で買った4.5メートルまで伸びる持ち手と、虫捕り用の細かい目の網を組み合わせた自作の虫捕り網です。緑色なのもこだわりで、周りの緑に同化して気付かれにくいようになっています。これが今まで使ったなかでのベストです。

――いろいろなトンボが載っていましたが、とるのにいちばん苦労したのはどのトンボでしょうか。
想大さん ハッチョウトンボです。一円玉と同じくらいのサイズでとても小さいので見付けるのが難しいし、見失ったらとれないので大変でした。
――写真だけでもすごいのにDVDもついていました。動画撮影も倍速にしたりと工夫が見られましたが、これも想大さんが自分で作ったのですか?
想大さん はい。倍速にしたり、スローで撮ったりしている部分も自分で考えてやっています。
――図鑑のなかのクイズコーナーなどは、パソコンで作成されていました。パソコンも得意なんですね。
想大さん 5年生のときから、学校の自主学習が「自分の好きなことを調べる」というパソコンでの作業なので、編集したり、まとめたりするのは得意です。
――図鑑全体でまとめる際に気を付けたことや工夫したことを教えてください。
想大さん トンボが嫌いな子でもかわいいなとかキレイだなとか思えるように、いい角度を探して、写真をかわいく撮りました。

小学4年生からはトンボの展示や講演会も。自分で考えた内容を発信!
――小学校4年生からトンボの展示や講演会をやっているそうですね。なぜやろうと思ったのですか?
想大さん トンボが生息できる場所がアメリカザリガニなどの外来種のせいでなくなってしまったり、水草が食べられて減ったりしていることや、トンボのかわいさを伝えたくてやっています。
――みんなの前で話をするのは緊張しないですか?
想大さん 緊張はするんですけど、やってみるとみんな楽しそうに聞いてくれます。子どもが楽しめるようにクイズもやっていて、「当たった!」とかそういうのを見るとやっぱりうれしくなります。


時間があればトンボを見に外へ! 沖縄に行って「カラスヤンマ」を見てみたい
――DVDのなかにはヤゴの羽化の様子もありましたが、今家でトンボは飼育していますか?
想大さん 家のなかの一部屋を使って、捕まえてきたヤゴを4匹育てています。ヤゴは家の近くにある成虫がいる川に行って、魚用の網を使ってとりました。

――ヤゴを自分で捕まえたんですね。では、休みの日や時間があるときはそうやってトンボを見に行って過ごすことが多いですか?
想大さん そうです。晴れのときはだいたい行っています。
――いろいろなことが得意な想大さんですが、将来の夢はなんですか? なりたい職業やこれから行ってみたい場所などがあれば教えてください。
想大さん やってみたいことはたくさんあって、まだ選べないです。行ってみたい場所は沖縄県。そこにしかいないような珍しいトンボをとりたいです。「カラスヤンマ」をとったり見たりしてみたいと思っています。
普段から図鑑が好き。なんでだろうと思ったら、自分で調べて知ろうとする
続いては、想大さんのお母さんにお話を聞きました。普段はどんなお子さんで、ご両親は子どもが興味を持ったことに対してどんな風にサポートしているのでしょうか。
――想大さんは普段はどんなお子さんですか? 性格や得意なことをぜひ教えてください。
想大さんのお母さん 普段から図鑑をたくさん読む子で、知りたいことは自分で調べて知ろうとします。観察も得意で、観察して絵を描いたり、写真や動画に残すのも上手です。
公園で昆虫を観察していると、ほかの親御さんからは「博士タイプの子ですね」とか「研究者みたいですね」と声をかけてもらうことが多いです。

――小さい頃から自身で学んでいく力がありましたか?
想大さんのお母さん そうですね。トンボ以外でも、3年生のときに同じセミなのに模様がわずかに違うものがいて、「これはなんで違うんだろう」というのを自由研究にして、昆虫館のスタッフさんに聞きに行っていました。なんでだろうと疑問に思ったら、調べたくなるのだと思います。
――想大さんは図鑑をたくさん読むそうですが、図鑑はほしいと言われて買っていますか?
想大さんのお母さん 書店で実際に見て、ほしがったものは基本的に買ってあげています。
――図鑑以外では、YouTubeなどを活用することもありますか?
想大さんのお母さん YouTubeは楽しむために拝見します。本人はYouTubeよりも図鑑の方が好きです。YouTubeのトンボを紹介しているチャンネルで、トンボの名前が間違っているのに気付いたことがあって…。正確性を求めるので図鑑のほうが信頼できるようです。
子どもには目標を確認し、一緒に達成できるように。興味が出たら実物を見に行く!
――今回の自由研究では、なにかサポートはされましたか?
想大さんのお母さん コピーをしたり、ファイルを用意したり、そういったサポートぐらいです。あとは「ここにとりに行きたい」と言われたときに、一緒に行っています。
場所探しは基本的には本人がしてその場所に連れて行きますが、父親が調べてきた場所に連れて行ってあげることもあります。今はクマが怖いので、行きたいと思っても断念することもありますね。
――お子さんが好きなこと、やりたいことに対して、どんなふうにサポートをしていますか? またその際に気をつけていることがあれば教えてください。
想大さんのお母さん 「小さい目標を少しずつ達成していくと、いずれ大きな目標をクリアできるようになる」という話を聞いてから、目標を立てるようにしています。
トンボだったら「今年は何を目標にする?」と確認して、何をとりたいか、なにを頑張りたいかを聞いて、一緒にそれを達成できるようにしています。
あとはいろいろな講演会や昆虫展、観察会、博物館に連れて行ったり、1年に1回滋賀県立琵琶湖博物館でやっている「トンボ100大作戦〜滋賀のトンボを救え!〜」という展示会に行ったりしています。日本トンボ学会にも所属しています。
本人の刺激になればと、トンボに詳しい方と交流したり、いろいろな話を聞いたり、直接質問することができるようにサポートしています。

――なるほど。ではご両親もアンテナを張って、常に情報が入ってくるようにしているのですね。
想大さんのお母さん そうですね。そのうえで、行きたいか行きたくないかは本人が決めています。
――これまでの子育てにおいて大切にしてきたことを教えてください。
想大さんのお母さん 息子のやりたいことをやらせてあげるようにしていて、少しでも興味があったら実物を見に行っています。鳥や飛行機も好きなのですが、少し興味が出てきたなと思ったら、鳥なら掛川花鳥園や東山動植物園に行ったり、飛行機なら成田空港や中部国際空港 セントレアに行ったりしていますね。
あとは普段から話を聞いて、興味が出てきたものの図鑑を一緒に見ています。
――もう大きくなってきたからと手を放さず、一緒に見ているんですね。今日はありがとうございました!

取材後も「知りたい」ことを質問! お母さんの”一緒に”という姿勢も印象的
インタビューではこちらの質問が終わったあと、想大さんから取材に同席していた図鑑NEO編集部員に質問が。「図鑑のトンボの写真はどうやって撮っているんですか」、「図鑑に載っているトンボはなぜ左向きなのですか」、「図鑑を作ったり、図鑑に写真を提供する人になるにはどうしたらなれますか」など、知りたかったことを大人相手に物怖じすることなく聞いていて、ここでも「なんでだろう」と思ったら確認する、という想大さんの行動力が見られました。
そしてその「知りたい」に応えられるよう、常にアンテナを張り、サポートをするお母さんの姿勢も印象的でした。目標を一緒に達成する、一緒に図鑑を読むという子どもの”好き”に常に寄り添う様子も、想大さんの興味をさらに引き出したり、やる気につながったりするのではないかと感じた取材となりました。
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この記事を書いたのは
子育てや教育、エンタメにまつわる方々への人物インタビューを多く取材・執筆。大人はもちろん、子どもたちから話を聞くのも好きです。3兄弟を育てる母でもあり、同じように子育てに向き合っている方たちが共感できたり、悩みや困りごとに寄り添えるような記事を発信しています。