タブレットで習熟度を把握し、子どもたち全員で意見を共有!【令和の学校事情】

学習雑誌『小学一年生』(小学館発行)では、最新教育事情を現役の先生が教えるコラムを連載中です。今回は、タブレット学習について。令和の学校事情をのぞいてみてください。

タブレットを活用することで、さまざまな学びのメリットが生まれています。

文部科学省がまとめた「令和6年度全国学力・学習状況調査の質問調査の結果」によると、ICT機器(パソコンやタブレットなど)を使った授業を週3回以上行っている小学校は、9割を超えています。小学生のタブレット普及率も100%超となり、子どもたちにはほぼ毎日授業で使うツールとして定着しています。数年前は小学1年生だと操作が難しい面もありました。けれど今は、どの子も上手に使いこなしています。

例えば、体育の授業で跳び箱を行う場合、数人でチームを作り、跳ぶ様子をお互いに撮影します。そして、みんなで動画を見ながら、どうすればうまくできるか意見を出し合うのです。昔の授業のように、ひたすら運動を続けることはなく、動画を撮影したり、みんなで話し合ったりする時間もあるので、運動が苦手な子でも楽しく参加できているようです。「ここをこうしたら、もっと跳べるんじゃないか」とか、「◯◯さんの跳び方がいいね」といった会話が飛び交い、子ども同士のコミュニケーション力を育むことにもつながっています。運動が苦手な子でも、友だちのアドバイスを受けてできるようになると、すごくうれしそうにしています。

また授業では、自分で感じたことや自分の考え、意見などをタブレットに書き込み、クラス全員で共有しています。友だちのノートを見て、「◯◯さんはこんな意見を持っていたんだ、すごいな」などと、自分とは違う意見や考えに触れることができ、多角的に物事を考えるきっかけになります。「こういう考え方もあるのだ」と自ら気づくことで、学びがさらに広がっていると感じます。

一方、先生はどの子が理解できているか、どの子がまだ理解が追いついていないかを把握でき、それぞれに合った学習方法を探りやすくなりました。宿題もタブレットで行うことで、提出状況が一目でわかります。そうすると、子どもたちは「早くやってしまおう」といった意識が芽生えるようで、提出率がほぼ100%になりました。子どもたちに「早く出しなさい」などと促すことがなくなったので、先生たちも大変助かっています。

上手に使いこなせる一方で、情報収集力はまだ未熟!

タブレットの導入によって、授業の幅が広がった一方で、注意しなくてはいけないこともあります。

授業では発表のための資料を作成する際、インターネットから情報を引き出すことがあります。けれど、子どもはその情報が正しいかどうかを判断する力が未熟です。「ネットに書いてあったから」と、簡単に信じてしまいます。そこで学校では、情報の出典先をきちんと書くように指導しています。ですから、おうちの人もネットを使用する際は、この情報が正しいかどうかを判断する目を持っていてもらえるといいかなと思います。

今では授業を行ううえで必要なツールとなったタブレット。けれど、小学生はやはり紙のノートと鉛筆を使って「書いて、覚える」ことが主流です。これを軽視する先生はおそらくいないでしょう。タブレットを活用することで意見の共有が可能になり、より深い学びにつながっているのです。

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私がお答えしました

佐々木陽子先生 公立小学校教諭

低学年の担任経験が豊富で、現在は主幹教諭として教鞭をとる傍ら、先生が読む教育情報サイト『みんなの教育技術』に執筆も行う。

1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子どもたち各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。

『小学一年生』2026年11月号別冊『HugKum』
イラスト/メイボランチ 構成/天辰陽子

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