読書の秋。環境を整えて、絵本に触れる機会を!
「家事育児に追われて家の中がゴチャゴチャ!」「本当はスッキリ暮らしたいのに…」という悩みを抱えていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。子どもとの暮らしに“整理収納のコツ”を取り入れると、親の負担やストレスが減り、子どもの生活力を育むことができます。
6歳、4歳、2歳の3児の母である整理収納アドバイザー・水谷妙子が隔週でお届けする「整理収納のコツ」シリーズ。
今回のテーマは、絵本の整理収納です。
暑さもやわらぎ、少しずつ涼しい風が吹くようになってきました。「読書の秋」と言われるこの季節。子どもが読みやすく、片付けやすくするための絵本収納の5つのコツをお伝えします。
①絵本を全て出してみる
まずはじめに、「今、我が家にどんな絵本があるのか」を把握するために全て出してみましょう。できれば子どもと一緒にやってみることをオススメします。
絵本だけでなく全てにおいて共通して言えますが、親が子どものモノを「管理する係」に徹してしまうと、子どもの整理収納に対しての感覚が育ちません。好きなモノを所有するだけでなく、客観的に把握したり、時には手放す判断をしたり。子どもが未就学のうちから、一緒に行う習慣をつけていきましょう。
絵本を一覧してみると、色々な発見があると思います。「同じようなモノがたくさんあるな…」と子どもの興味を改めて認識したり、あまり読まれていなかった絵本が「今のこの子にピッタリ!」と発掘されることも。
絵本は、親が子に買い与えるだけでなく、プレゼントとして祖父母や友人などから贈られる機会が多いアイテム。知らない間に「こんなのあったっけ?」というモノが増えていることもあるので、定期的に一覧して確認することをオススメします。
②内容を確認して、絵本の量を見直す
さて、①のプロセスで絵本を一覧することができたら、次は量の見直しです。
家の中にスペースが無限にあれば、書店や図書館のように絵本をズラリと置くことができます。しかし、一般のご家庭はそこまでできないのが現実。おもちゃや衣類など、暮らしに必要なモノとうまくバランスを取りながら置く必要がありますよね。
絵本の適正量は、家や部屋の広さや、読書に対する方針がそれぞれ異なるので、正解はありません。ただ、ひとつの目安として子どもが把握できる量、つまり子ども自身が読みたい本を見つけて、自分で戻すことができる量にするとよいでしょう。
わが家の場合は、収納棚の一段分をきょうだい3人分の絵本棚としています。ここにある絵本は「一軍」で、子どもたちが現在興味があるラインナップを置いています。それ以外の本は「二軍」として子ども用品の収納棚の中に、おもちゃや衣類の、同じく「二軍」とともに収納しています。
絵本に限らず言えることですが、持っているモノ全てがオモテに出ている必要はありません。保育園や幼稚園では、先生方が絵本の入れ替えをしてくださっていますが、この方法は家庭でも真似することができます。
バックヤードの収納を活用しながら、一軍と二軍を入れ替えると、同じ絵本でも新鮮に感じたり、角度からの興味や関心につながります。持っている本を生かすことができるので、出費を減らすことができて親にとってもメリットがいっぱいですね!
また、図書館をうまく活用すると、家の中の蔵書スペースをスリム化することもできます。絵本にたくさん触れることができるので、今の時期であれば秋の味覚や、紅葉を感じられるような絵本を。その後は、クリスマスやお正月の絵本を。季節に合わせて気軽に入れ替えることができます。
買う絵本、借りる絵本。バランスを考えながら、ラインナップを調節してみてくださいね!
③絵本をわかりやすく分ける
次は、②で残った「一軍」の絵本を、更に選びやすく、片付けやすくするために分類していきます。ジャンル別、サイズ別、色々な分け方がありますが、わが家の例をご紹介します。
ある日のお片づけの時、6歳娘と4歳息子が「これは〇〇ちゃんの本だからこっち」「これは△△くんの本だからこっち」と、それぞれ「相手の本」を片付けていることに気がつきました。
親としては絵本は共用だと思っていたのですが、子ども達にとってはハッキリと所有の感覚があるようでした。本人達にとって分かりやすいことが一番なので、「人別」という分類を取り入れることにしました。(図鑑や、音のなる絵本など、共用の絵本もあります)
このように、分類には明確なルールはありません。子どもが絵本を選びやすく、片付けやすければ何でもOKです。親の常識や価値観で勝手に決めるのではなく、子どもにインタビューをしたり、出し入れの様子を観察してみたりして、決めてくださいね!
④絵本が倒れないように仕切る
絵本が棚の中で斜めに倒れてしまうと、子どもの力で出し入れすることが困難なので、絵本がしっかり立てられるよう「仕切り」を活用します。せっかく③で分類した絵本が混ざらないようにする効果もありますよ!
特に絵本収納にオススメなのが、ファイルボックス を使う方法です。私は無印良品の「ポリプロピレンスタンドファイルボックス・A4用」を使っています。丸い穴が底面になるよう、寝かせて使います。
本を仕切る用途であれば、普通のブックエンドでいいのでは?と思われる方もいらっしゃるのでは。しかし、ブックエンドだと、子どもが絵本を出し入れするうちにズレやすいのが難点です。ファイルボックスの方が、棚の底に設置する面積が大きく、重さがあるぶん安定するのでズレにくく、出し入れしやすくなります。
こちらの商品は、幅10cmと幅15cmがありますので、絵本の量や分類に合わせて適切な幅のファイルボックスを選んでみてくださいね。
⑤わかりやすいラベルをつける
最後にラベルをつけます。子どもの文字や図形の理解度に合わせて、イラストやひらがな、色などを使ってわかりやすく表示するとよいでしょう。
例えば、わが家の場合は、③で書いた通り「人別」の分類があるので、家にあった小物用のお名前シールをペタッと貼りました。保育園で使っている識別マーク付きなので、文字が読めない2歳でもわかります。
また、マスキングテープも活用しています。こちらは、現在小1、6歳長女の「夏休みの読書の宿題」用のラベルです。図書館から借りてきた本を「これから読む本」「読み終わって返す本」と分類して見える化したことで、どんどん読書の宿題が進みました。
こちらは、より直感的に出し入れができえるよう、色の力を活用したアイデアです。
写真は、私が整理収納作業をさせていただいた「子ども用の料理教室」の絵本コーナーです。教室に通う子どもたちのために「料理にまつわること」をテーマにセレクトされたたくさんの絵本。年齢別・内容別で4つに分類して、100円の丸シールを背表紙に貼っていきました。
もしも全部の絵本が出払ってカラになったとしても迷わず絵本が戻せるように、ファイルボックスの手前にも同じ色の丸シールを貼っていることがポイント。このラベルをつけたら、料理教室の先生方から「何も言わなくても、子どもたちが自然に片付ける!」と嬉しいお言葉をいただきました。
アイデア次第で色々なラベルをつけることができるので、取り入れやすい方法を試してみてくださいね!
いかがでしたでしたか?
子どもとの暮らしに欠かせない絵本。読み聞かせは親子にとって幸せな時間です。親も子も、様々な絵本に触れる「読書の秋」になるよう、子どもと一緒に絵本の整理収納を見直してみませんか?
記事執筆
無印良品で商品企画&デザインを13年間務める。手がけた商品は500点超。調べた他社商品は5,000点超。2018年「ものとかぞく」を起業し、個人宅や店舗などの整理収納サービスやお片づけ講座を行うかたわら、雑誌やWebでも活動中。フォロワー5.1万人を超えるInstagramでは、マネしやすい整理収納アイデアやモノ選び情報を発信中。7歳4歳2歳の3児の母。