家族旅行では大人の楽しみ以上に、子どもの楽しめる行き先選びが重要になってくるかと思います。ただ、大人が全く楽しめない「子供だまし」のお出かけ先ばかりは、できれば避けたいですよね。大人も子どもも、一緒になって楽しめる場所なら理想的です。
そこで今回は富山、石川、福井など北陸旅行で楽しみたい、ユニークな博物館を3つ紹介します。どれも県立の公的な博物館でありながら、扱うテーマが興味深い題材ぞろい。入場料もお手軽ですから、ぜひともチェックしてください。
福井県立恐竜博物館
北陸の博物館としては、真打の扱いになるかもしれません。恐竜の発掘が盛んな福井県にある県立の博物館で、入館者数が年間90万人以上という超人気スポットです。2019年度は8月18日の時点で50万人の入場者を突破(過去最速のペース)していますから、年間100万人という大台も近いかもしれませんね。
福井は疑いなく日本の恐竜王国。北陸には手取層群と呼ばれる中生代の地層が見つかっていて、その地層から福井は予算と人員を割き、恐竜の骨を発掘し続けてきたのです。
新種の恐竜化石も、今まで福井で5種類も発見されています。日本で見つかっている新種の恐竜が全部で7種類だと考えると、福井の「実績」が分かりますよね。今では県立大学の大学院に、恐竜の専門家を育成する古生物学コースが設けられるほど。そうした福井の歴史と努力を結集した文化施設が、福井県立恐竜博物館なのですね。
館内には全身骨格標本が44体も展示されている!
同博物館には全身骨格標本が44体展示され、巨大なティラノサウルスロボットも来場者ににらみを利かせています。来場者を見回してみると、大人も子どもも目がきらきら。近くには大きな公園や遊具もあり、予約をすれば専用バスに乗り込んで発掘現場も見学できます。発掘体験ももちろん可能です。
それでいて入場料は大人1人が730円、小中学生は1人260円。未就学児は無料です。チケット代が高額なテーマパークと違って、喜んで子どもを連れていける値段ですよね。北陸旅行の1つのハイライトとして、ぜひとも家族で出かけてみてください。
富山県立立山博物館(まんだら遊苑)
北陸三県の「入り口」にあたる富山県。富山と言えば、立山を代表とする北アルプスの山岳エリアが観光地として知られています。そのふもとにある県立立山博物館が、最初に注目したい施設になります。
広大な敷地に作られた立山博物館は、展示館、遙望館、まんだら遊苑と、3つのエリアに分かれています。中でもまんだら遊苑がユニークで、扱うテーマは地獄と浄土。
立山の山岳信仰を来館者に体験してもらうべく、まんだら遊苑ではコースの最初に地獄の世界を表現した「地界」が用意され、立山の登拝路を表現した「陽の道」、立山浄土を表現した「天界」と続いて、現実の世界に帰る「闇の道」が設けられています。
地界の入り口に近づくと、鬼か何かのうめき声が聞こえてきますから、最初からムードたっぷりです。コンセプトが徹底的に練られており、男の子とパパにはぴったりのお出かけ先のはず。
スピリチャルなエリアは女子向き!?
一方で地界から先に進むと、スピリチャルな世界へと入っていきます。見上げるほど巨大な、子宮をイメージした瞑想(めいそう)空間が出てきたり、現実の世界に戻るための「産道」のような真っ暗いトンネルがあったり。周囲から聞こえる音も、どこか精神世界へと深く降りていくためのきっかけになってくれているようで、女の子とママが特に楽しめるかもしれません。
入場料はわずか大人1人400円。児童は無料になります。中部山岳国立公園も近い森の中にある博物館ですから、自然の美しさも併せて満喫したいですね。
石川県立航空プラザ
石川県の空の玄関口といえば、小松空港。その駐車場前には、格納庫のような巨大な建物が建っています。石川県に飛行機で訪れる際には、家族でその巨大な建物に入ってみてください。子どもなら大興奮の実物の飛行機が、17機も展示される県立の航空資料館になっているのですね。
もちろん飛行機と言っても、大型旅客機ではありません。超小型レジャースポーツ機から自衛隊のジェット戦闘機といったラインアップになりますが、見るだけでなく触れられる上に、戦闘機やセスナ機の操縦を体験できるシミュレーターもあるため、乗り物好きの男の子を育てる家は、必見のお出かけスポットと言えます。
屋内にはファミリーにうれしい屋内大型遊具もある!
しかも館内には、飛行機型屋内大型遊具のある遊び場「ぶーんぶんワールド」もあります。悪天候が続く冬の北陸もなんのその。それでいて入場料は無料(シミュレーターは有料)です。ぜひともチェックしてみてください。
文/坂本正敬 写真/福井県観光連盟、石川県観光連盟
【参考】