【紙芝居を作りたい! 4歳の夢を叶える】4歳
「絵本みたいなのを作りたい」と言い出した4歳の四男くん。よく聞いてみると、絵本ではなく、紙芝居のことでした。
大きなスケッチブックを渡すと、頭の中にある物語をクレヨンで描いていきます。物語は、小6の次男くんが考えて、絵の裏面に書いてくれました。
生駒さんは段ボールで枠をつけてあげて、紙芝居が完成。
できばえに大満足でした。
◆この学びを真似するなら……
・小さな子は、自分のやりたいことを正確に言うのが苦手。今回の四男くんのように、「絵本」は本当は「紙芝居」のことだった、ということも。どんなことをしたいのか、よく話を聞いてあげましょう。
・子どもの絵を引き立てるために、紙芝居の枠を作ってあげました。こういうときは、作る前に、枠が必要かどうか、本人に聞いてみましょう。意外に「いらない」ということもあります。大人は「せっかく作ってあげているのに」と思ってしまいますが、「やらされる勉強」でない、自主的な課題なのですから、親の趣味や考えを押しつけないように。
【メダカを2匹飼いたいけど、どこで買う? 水槽は?】小1~小6
生駒さんがある日、“メダカ1匹付きの卓上の小さな水槽”を買ってきました。それで次男くんが前から飼っていた雄に合わせて2匹にしたら1匹死んでしまった。
「なぜ……?」
調べたら「メダカ1匹につき水が1リットル必要だ」ということが分かりました。次男くんが小学校4年生のときです。
メダカを10匹くらい買える大きさの水槽を次男くんが調べて、水槽をインターネットで買いました。図書館で借りた本に載っていたアクアリウムショップがすばらしかったので、「せっかくだからここの水草を買ってみよう」と相談し、水草をそのアクアリウムショップに買いに行きました。
そこまで準備が整ってから、近所のメダカ屋さんに、メダカを10匹買いに行きました。今度は、元気に育ちました。
その後卵も生まれて、赤ちゃんも育て、今に至っています。雌と雄の見分け方も身につけ、新たに顕微鏡も買って、ビオトープの微生物を見ています。
◆この学びを真似するなら……
・メダカを買うところから飼育まで、ひとりの子どもにすべて任せます。動物を飼うと、たいてい最初だけは興味があるけれど、あとは放り出し、結局ママパパが世話をすることになってしまうケースが多いですが「それはダメ」と徹底します。責任を持つ、役割を持つことで、子どもが体感することがたくさんあるからです。
・不登校の子達は、自分にお金をかけることを気にする子が多いようです。値段を気にして自分のやりたいことを言えない子もいるようです。逆に大人が先走って買い揃える例も聞くので、そのバランスは気をつけましょう。子どもが自分のお小遣いから出すけれど、何割かは親が援助したり誕生日プレゼントの代わりにしたりするのもよいでしょう。
・適切な水槽の大きさを知るために、容積の計算が必要。縦横高さを測ったり、変形の水槽なら水を入れてみて、はかりで水の量をはかって容積を出すなどの工夫を、親子で考えながらしていくのもいいでしょう。
ホームスクーリングに成果を求めない。育てるのは能力ではなく「意志」
最後に、知里さんはこう言います。
「ホームスクーリングで大切なことは、“成果を上げる”という視点をなくすこと。子どもの能力(skill)を育てるのではなくて、“意志”(will)をひたすらつないでいくということだと思うのです。だから、関わる大人が『どこまでは手を貸して、どこからは手を貸さないのか』を見極め、子どもの『心の向き』がどこを向いているかを全身で感じ取る。
『あなたのため』『教育の機会』という甘い言葉で近づいて、大人の成果を上げるがための探求活動にならないように気をつけています」
きっかけから学びの実際まで、子どもがやりたいことをやる。だからこその探求型学習なのだと意識することが大切です。
取材・文/三輪 泉