映画『461個のおべんとう』にママたちは共感必至！井ノ原快彦と道枝駿佑が紡ぐ、ぎこちない親子愛

V６の井ノ原快彦と関西ジャニーズJr.のユニット「なにわ男子」の道枝駿佑が親子役で共演した映画『461個のおべんとう』が、本日11月6日より公開されました。本作はママたちをはじめ、普段から家族のためにおべんとうを作っている人たちへの感謝を込めた、ハートウォーミングな感動作です。

原作は、TOKYO No.1 SOUL SETの渡辺俊美によるエッセイで、井ノ原さんは、渡辺さんをモデルにしたシングルファーザーでミュージシャンの主人公、鈴本一樹役を、道枝さんは多感な高校生の息子、虹輝役を好演。初共演となった2人ですが、ナチュラルな掛け合いがすばらしいです。

妻と離婚後に一人息子を引き取り、息子が高校生になってからの3年間、毎日おべんとうを作り続けた一樹。そう、タイトルの『461個のおべんとう』は、ママではなく、パパが高校生の息子のために、毎日作ったおべんとうのことでした。

親子の距離感を縮めたのは、井ノ原快彦が下した「敬語禁止令」

ジャニーズ事務所の先輩、後輩でもある井ノ原さんと道枝くん。井ノ原さんといえば、ずっと第一線を闊歩してきたアイドルでありつつ、主演ドラマ「特捜9」など俳優業も好調で、司会者やキャスターとしての評価も高いという、まさに八面六臂な活躍ぶりを見せています。

今回演じた、ミュージシャンでありパパでもあるという一樹役は、まさにハマリ役となり、井ノ原さんのおおらかな人となりも加わって、非常に豊かなキャラクターとなりました。

一方、連続ドラマ初出演作「母になる」(17)で鮮烈な俳優デビューを果たして以降、その演技が熱い視線を浴びてきた道枝くん。近作では、沢村一樹主演のドラマ「絶対零度～未然犯罪潜入捜査～」でのサイコパス役で、観る者を震撼させました。そんな彼が、懐の広い先輩の胸を借り、ナイーブなティーンエイジャーの悩める心を繊細に表現しています。

井ノ原さんは、最初は緊張で硬くなっていたらしい道枝くんに「敬語禁止令」を言い渡し、撮影中はごはんも共にし、良き親子関係を築いていったそうですが、まさに作戦勝ち。母子と違い、父子ならではのぎこちなくも温かい交流が、じんわりと心に染み込んできます。

コロナ禍に響く、当たり前の日常の豊かさ

劇中で井ノ原さんの「これは毎日のおべんとうの話。それ以上でもそれ以下でもない」というナレーションが入りますが、コロナ禍でこの映画を観ると、また別の意味合いをかみしめることに。

どんなに疲れていても、仕事が忙しくても、１日もおべんとう作りを欠かさなかった父、一樹。そして、おべんとうを通じて、その愛情を受け止め、少しずつ心の成長をしていく息子の虹輝。何気ない日常が、いかに豊かなひとときなのか、観ている側もかみしめることになります。

完成披露試写会で、井ノ原さんが「撮影から1年後に、まさかこういう状態になるとは、誰も想像してなかったこと。いま、この時期にこの映画を観ていただくことが、とても意味のあることなんじゃないかなと」と言ってましたが、まさにそのとおりかと。ぜひ本作は、コロナ禍だからこそ、家族で観にいってほしい1本となりました。

文／山崎伸子

©2020「461個のおべんとう」製作委員会