引っ越しをした、子どもが生まれて家族構成が変わったなんていう時は、フライパンなどの調理器具を新調するきっかけになるもの。なんとなく選んでいるという人も多いと思いますが、料理でいちばん出番が多いのがフライパン。実は、それぞれ特徴や得意分野が大きく違います。今回は、料理の楽しさをも左右するフライパンの選び方をご紹介していきます。
目次
フライパンは何を基準に選べばいいの?
フライパンは種類が豊富に揃い、どんな点を基準に選べばいいのか迷いがち。選ぶ基準を大きく分けると、素材・コーティングの種類・大きさに分けられます。でも、お店で見ただけでは、それぞれの違いが分かりにくくさらに悩んでしまうことも。選ぶポイントごとに特徴をご紹介するので、ぜひフライパン選びの参考にして!
フライパンの素材の種類
ひとくちにフライパンと言っても素材がさまざま。火の通り方や重さなど、それぞれに得意分野があるもの。いくつかの素材を組み合わせいいとこ取りしたものもありますが、まずは素材ごとに解説していきます。
アルミニウム
とても軽くて熱伝導が良く、効率的に調理ができるアルミのフライパン。料理の色が分かりやすくパスタやソース作りなどに使われます。でも、食材がくっつきやすいので、炒め物・焼き物にはあまり適していないというデメリットも。
チタン
軽くて丈夫、錆びにくい上に鉄の半分程度の重さで耐食性があり、長持ちします。保温性・汎用性が高く、炒め物などに多く使われます。ただ、熱伝導率が悪く、全体的に温まりにくいのはデメリット。
鉄
鉄のフライパンといえば、プロの料理人も使用する本格的なフライパン。熱に強く、強い火力で短時間に調理でき、使えば使うほど油が染みこんで、料理がより美味しく作れるようになります。 耐久性も高いので、上手に使いこなせれば一生モノのフライパンです。ただ、鉄製のフライパンは油ならしや空焚き、油を敷くなどお手入れにも力を入れる必要があります。
ステンレス
丈夫で錆びにくい金属で、鍋によく使われています。また耐久性が高く、保温性に優れていて、お手入れが簡単。オーブン調理や蒸し物・煮物もできる万能型。デメリットは熱伝導率が悪いので、焼きムラや焦げ付きが起こりやすいところ。
コーティング加工の種類
最近はコーティングを施されたフライパンが大勢を占めています。でも、ひとくちにコーティングといっても素材がさまざま。それぞれのコーティングの特徴をご紹介します。
フッ素樹脂加工
くっつきにくく調理しやすいのが特徴の、フッ素樹脂加工フライパン。汚れが落としやすくお手入れも簡単。さらに比較的安価なので、最近ではもっとも普及しているフライパンです。
テフロン
テフロン加工は、米国デュポン社のフッ素樹脂「テフロン」でコートされたフッ素樹脂加工をさすもの。焦げにくく、こびりつきにくいので、洗う時にも手間がかからないうえ、少ない油で調理できてヘルシー。デメリットは、高温に弱いので強火はNGで空焚きは避けること。また、傷に弱いので、木製ヘラなど軟らかい素材のものを用意する必要があります。
マーブルコート
マーブルコートとは、フッ素樹脂に大理石の粉を混ぜたコーティングのこと。硬い大理石が混ざっているので、金属ヘラを使っても大丈夫なほどコーティングの耐久性が高いのがポイント。フッ素樹脂加工の特徴である「焦げつきにくさ」や「こびりつきにくさ」はそのままに、コーティングが剥がれにくくなっていて、耐久性が向上しています。
ダイヤモンドコート
ダイヤモンドコートとは、フッ素樹脂に人工ダイヤモンドの粉を混ぜたコーティング。硬いダイヤモンドのおかげで、コーティングの耐久性がぐっとあがります。ダイヤモンドは硬いので、マーブルコートよりもさらにコーティングが剥がれにくいのもポイント。
チタンコート
チタンコートは、フッ素樹脂にチタンを混ぜたコーティングです。コーティングの中でもっとも耐久性が高いのが大きなメリット。金属の1つであるチタンは、酸や塩分に強い特徴があるので、剥がれにくいだけでなく、酸や塩分への耐食性もあります。サビにくく、劣化しにくいコーティングということ。
セラミックコート
フッ素樹脂加工と違い、表面加工にセラミック粒子を使用することにより、焦げ付きにくさや手入れのしやすさはそのままに、耐久性を高めた白いセラミックコートのフライパン。
耐熱温度が高く、熱伝導性にも優れているため、弱火~中火でも短時間で温まり、すばやく調理ができます。弱火で火が通るのでガス代の節約にも。セラミックは陶器などに使われる素材なので、一般的なフッ素樹脂加工が耐えられる温度280度に比べて、セラミック加工は400度まで耐えられるほど熱に強いもの。さらに蓄えた熱を利用して、遠赤外線効果で食材をじっくり温められます。ただ、陶器の素材なので衝撃には要注意。
コーティング無し
鉄素材などのコーディングなしのフライパンは、焦げ付いてしまっても、ヘラでガリガリ落としたり、スチールウールでこすればきれいいに落とせるのがメリット。大切にお手入れをすれば長く使うことができます。
フライパンの選びのポイント
一度買ったら毎日のように長く使い続けることになるフライパンは、しっかり吟味して選びたいですよね。購入する際のチェックポイントをまとめました。
くっつきにくさを重視するならコーティング加工をチェック
育児中の家事はできる限り時短で済ませたいもの。調理中の焦げ付きにくさ、お手入れの簡単さを重視するのであればフッ素コートをはじめとした、テフロンやセラミックコートなどのコーティング加工は外せません。
長持ちしやすいフライパンは鉄製やチタンコート
モノをムダにせずに、長く愛用できるものを買いたいという場合には、鉄製のフライパンがイチオシ。コーティングが剥げると言った心配とも無縁なので、しっかりお手入れをすれば一生モノです。
それでもコーティングされたモノがいいという場合には、耐久性の高いチタンコートの製品を選ぶのがおすすめ。コーティングの層も、1層〜6層まであり、4層以上であれば耐久性がかなり高いと言えます。
また、コーティングの強度は、チタン>ダイヤモンド・マーブル・セラミック>テフロン加工の順です。
サイズや深さの選び方
一般的に使いやすいフライパンの大きさは、3〜4人家族であれば一度に炒め物などができる26〜28cmのフライパンが便利。またパパッと調理したい朝食には18〜20cm程度を選ぶと、軽く使えて目玉焼きが2、3個作れます。
また、深さが7~8cmの深型フライパンやウォックパンは、水分のある炒め物や煮物に便利。シチューやカレーを作ったり、パスタソースを作って合えるのにもぴったりです。
おうちでの料理シーンを思い浮かべながら、作りたい料理によって選ぶのがポイントです。
ガス・IHなどの対応熱源もチェック
ガスコンロであれば、フライパン選びで左右されることはほとんどありませんが、IHの場合には、IHコンロ対応のフライパンかしっかり確認を。また、引っ越しすることなどを考えると、ガスにもIHにも対応しているものを選んでおくと長く使えて安心です。
子育て家庭が重視しているポイントは?
子育て中の家庭では、フライパンの使い勝手が家事の効率を大きく左右しますよね。ママ・パパたちが選ぶ際のポイントも聞いてみました。手軽に使えるものや、コスパがいいかどうかも大きなポイントのようです。
★ママパパの声
「買って良かった!」人気のフライパン5選
フライパンにもメーカーがさまざま。どのフライパンを選べばいいか悩んでしまうという人のために、0歳〜12歳の子をもつママ・パパにリサーチ!買ってよかったというオススメのフライパンを教えてもらいました。
ティファール
CMでもお馴染みの「取っ手のとれるティファール」。5層のチタン・プレミアコーティングでこびりつかないのがいちばんのポイント。また、食材を入れるベストなタイミングがわかる、お知らせマーク付きなので、空焚きNGのコーティングフライバンでも安心です。取っ手は片手でワンタッチ着脱できるので、調理中に場所を取ることもなく、付け替えもスピーディー。3点固定システムなのでしっかりフィットし、持った時のぐらつきをおさえてくれます。調理中の中身が見やすいガラス製の蓋は、つまみがパタンと折りたためるバタフライタイプ。シリコン素材のふちで、お鍋やフライパンにしっかりフィットします。取っ手を外してそのままオーブン調理したり、出来たてをそのままテーブルヘ出すことも。また、ソースパンはシールリッドでふたをして、冷蔵庫で一時保存できるのも便利ですよね。
★ママパパの口コミ
ビタクラフト ソフィアⅡ
1939年にアメリカで創業されたビタクラフトは、ビタミン(ビタ)を逃さない手作り(クラフト)の鍋であることが社名の由来。一つひとつのフライパンを、熟練されたクラフトマンの手により成型、仕上げ、品質チェックが行われ、世界中へと届けられています。抜群の耐摩擦製を持つナヴァロン3コート(高密度3層フッ素樹脂コーティング)で焦げ付きを防止。宇宙工学を応用して開発した、丈夫で錆びにくいステンレスと熱伝導率の良いアルミニウムの全面2層構造で“熱しやすく冷めにくい”を実現し、効率よく調理できます。IHクッキングヒーター対応や、200Vの電気熱源にも使用可能。
★ママパパの口コミ
レミパン
深型フライパンといえば、料理研究家の平野レミさんが開発したレミパンが有名。長く愛され続けるベストセラーの理由は、焼く・炒める・煮る・揚げる、といろいろな料理が楽しめるところ。内面はキズつきにくい、高密度フッ素コート。食材が回転しやすい丸みを帯びた鍋底の形状で、こびりつきにくく、調理中も後片付けも快適。蓋はワンタッチで蒸気穴が開き、蓋を開けずに差し水ができるので大事な旨味を逃すことなく調理できます。
★ママパパの口コミ
ツヴィリング バイタリティ フライパン
スタイリッシュなステンレスクックウェアのバイタリティ。ツヴィリング独自の重厚な底構造と、美味しい料理を作る条件である高い蓄熱性と優れた熱伝導を誇ります。高温で一気に焼き上げる事ができるステンレス製のフライパンは、脂ののった肉をジューシーにカリッと焼きたいときなどにぴったり。炒める、蒸す、煮込む、茹でるなど様々なシーンに活躍します。シンプルでムダのないデザインなのも魅力的ですよね。
アイリスオーヤマ
フッ素樹脂に高硬度の人工ダイヤモンドを混ぜることでコーティングがさらに長持ちする、IH対応のダイヤモンドコートパン。人工ダイヤモンドを細かい粒子状にして、フッ素樹脂と配合しコーティング。こびりつく、傷がつく、コーティングがはがれるなどの悩みが解消できます。また、丈夫で長持ち・軽くて使いやすいのもメリット。取っ手がとれるので、セット品で購入してもスッキリ収納できます。低価格で買いやすいのもポイント。
★ママパパの口コミ
使いやすいおすすめのフライパン4選
こだわり派のママ・パパから声の挙がったフライパンもご紹介!どれも使いやすい、オススメの逸品ばかりです。
及源 南部鉄器フライパン
南部鉄器のフライパンは、繊細な肌質と味わいのある重厚感が特徴。南部鉄器自慢の蓄熱力で、お肉はカリッとジューシーに、野菜はシャキッとしっかり焼き上げてくれます。職人による精密なつくり、鉄製フライパンにつきもののシーズニングの必要がほとんどなく、お手入れが簡単。湿気の多い日本の気候に合っているので、家庭での使いやすさを考えた設計になっています。IHにも対応。
★ママパパの口コミ
京セラ セラブリッド タマゴヤキ CF-EB-WBU
セラブリッドフライパンは、アルミ基材にセラミック加工を施し、「アルミの熱まわりの良さ」と「鉄のようなタフさ」を合わせ持ったフライパン。アルミの熱伝導のよさを妨げないので、ムラなく、素早く、フライパン全体に熱が行き渡ります。加熱されると内側全体から遠赤外線を放出するので、中火でも強火のようにしっかり火が通り、遠赤外線効果でふっくらおいしく仕上げ、卵焼きもふんわりと出来上がります。また、卵焼き器としてだけでなく普通の小型フライパンとして使えるのもいいところ。高密着ではがれにくいセラミックス層だから、こびりつきにくさが長持ちするのが嬉しいところ。
★ママパパの口コミ
アサヒ軽金属のオールライト
熱伝導率が早いアルミ製で、かつ側面の波型形状によりフライパン側面への熱の流れが緩やかなため熱効率が高く、適温までの蓄熱時間が早いのがポイント。フッ素樹脂4層加工で、耐久性を高め、外面は丈夫なセラミックホーロー加工で、塗装を丁寧に重ね美しいラメをプラスしたこだわりが。手の動きにフィットするステンレスハンドルは熱くなりにくく、小さくて華奢な手でもしっかりなじみ、調理中の動きにストレスを感じさせません。蓋のガラス面が広いので、料理中の様子が一目瞭然。つまみ部分は持ちやすく、調理中でも熱くなりにくい素材を採用。本体にフィットして熱を逃しにくく、洗いやすさも向上しました。付属のレシピ集には全50レシピを掲載され、製品が届いたその日から新しい料理にトライできます。
★ママパパの口コミ
ドウシシャ エバークック
全商品、フッ素の剥がれに対して1年の保証がついたフライパン。こびりつきにくいのでお手入れもラクラク。軽量タイプなので扱いやすく、独自のアンカー構造により素地とフッ素の密着度が格段にアップ。さらにアルマイトコーティングが施され、表面がツルツルとしているので、食材の滑りがよくスルッとお皿に移すことができます。
★ママパパの口コミ
毎日使うものだからこそ優秀なフライパンを相棒に!
それぞれにこだわりのあるフライパンが揃いましたが、希望にぴったり合いそうなものは見つかりましたか?フライパンはほとんど毎日、1日に何度も使うものなので、ストレスフリーに使えるものを選びたいですよね。使いやすい優れもののフライパンを選べば、日々の料理が楽しくなること間違いなしです。
文・構成/HugKum編集部