小学校受験の基礎知識まとめ|志望校の選び方、入学願書のポイント、面接の服装まで

一年程度の時間をかけて受験対策をする人が多い状況を考えれば、小学校の「お受験」を検討している場合は、早めに準備を始めたいところ。そこで今回は、小学校受験の基礎知識をまとめました。

小学校受験の基礎知識

 

小学校受験についてまず押さえてきたいポイントは、いわゆる「お受験」で入る小学校の少なさです。

文部科学省の「学校基本調査」によれば、令和元年度の段階で、全国にある小学校の数は19,738校。そのうち、国立は69校、私立は237校しかありません。国立と私立を合わせても306校。要するに「お受験」で入る小学校は全体の1%程度しか存在していない計算になります。

国立小学校と私立小学校の違い

どちらも「お受験」で入る国立小学校と私立小学校。両者の違いは何でしょうか?

最大の違いは、運営主体です。国立小学校は、国立大学の付属小学校が基本で、大学における教育研究の実践の場として小学校が設置されています。

一方の私立小学校は、私立学校法によって各学校の校風や建学の精神を尊重された、私人がつくった小学校になります。こちらも、公立の一般的な小学校とは異なる教育が行われています。

受験する小学校の選び方

国立の小学校と私立の小学校、どのように志望校を決めればいいのでしょうか?

両者は決定的に授業料が異なります。国立の小学校は公立の小学校と同じく、授業料が発生しません。一方で私立の小学校は私人が運営する団体なので、その運営を生徒(の保護者)や卒業生が支える仕組みになっていて、年間で数十万円から100万円近くの授業料が発生します。

その意味で、経済的にゆとりがある場合は、私立の小学校も選択肢として入ってきますが、経済的に制限がある家庭の場合は、国立の小学校が選択肢になるはずです。

また、全国に237校ある私立小学校は、地域に大きな偏りがあります。東京都に55校、埼玉県に5校、神奈川県に30校、千葉県に10校、一都三県で合計100校、大阪府に17校、京都府に11校、兵庫県に11校と、二府一県に合計で39校と、大都市圏に大半の学校が集中しています。毎日の通学で無理のない範囲に小学校があるかどうかも、志望校の選び方として考えられます。

小学校受験の時期

国立の小学校・私立の小学校の受験時期は、一般的に秋ごろに訪れます。国立の小学校の場合は、9月ごろから願書配布、11月に受験、私立の小学校では夏の終わりから11月に受験のパターンが多いです。私立の場合は欠員次第で二次募集、三次募集が冬にかけて行われます。

小学校受験と偏差値

小学校受験でも、人気校と人気がそれほどない学校に分かれます。人気校・名門校となると、その分だけ入学希望者が増えるので、高い競争倍率を勝ち抜かなければいけませんが、中学校以降の入試と違って、小学校の受験は単純に学力だけで合否が決まりません。

入学テストにおいて、偏差値として表れる認知能力以上に、いわゆる子どもの非認知能力が重視される側面があります。さらに保護者の子育ての様子が評価されます。

さらに言えば、国立小学校の場合、応募者が多い年は、抽選で受験者や合格者が決まります。抽選になる学校は基本的に毎年抽選になりますから、小学校受験は運も味方に付けなければいけないとされています。

さらに、私立難関校には暗黙の序列もあり、例えば慶應義塾横浜初等部(神奈川県横浜市)、慶應義塾幼稚舎(東京都渋谷区)、東洋英和女学院小学部(東京都港区)、桐朋学園小学校(東京都国立市)、早稲田大学系属早稲田実業学校初等部(東京都国分寺市)など、ブランド校と言われる学校は、毎年10倍近い競争倍率を勝ち残らなければ合格できないような状況になっています。

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小学校受験の試験内容

小学校受験では、どのような内容の試験を行うのでしょうか。

ペーパー試験

まず、ペーパー試験が挙げられます。ただ、単純な暗記力を問う問題ではありません。鉛筆の持ち方を含めて、頭の柔らかさ、表現力など、「地頭の良さ」を問うペーパー試験が課される場合がほとんどです。

ただ、すべての学校にペーパー試験があるわけではなく、成城学園や学習院、青山学院、お茶の水女子大学付属小など、ブランド校と言われる小学校でも、入試でペーパーテストを課さない学校もあります。

小学校の受験は、模試の結果で志望校を決めるといったスタイルではなく、早々に志望校を決めて、その学校に向けて準備をする受験勉強が一般的ですから、志望校が決まったら、ペーパー試験の有無をチェックしてください。

集団での行動テスト

集団の中で、他の子どもと一緒に協力しながら、課題を達成できるかといった試験も行われます。同じ集団試験の中でも、自由な遊びの中で、どのような振る舞いを子どもがするかを見るパターンもあれば、運動など何かのテストの中で集団行動を見る学校もあります。

両親・子どもの面接

ペーパー試験、集団行動の試験とともに、面接の試験も課されます。詳細は後ほど紹介しますが、親子が普段、どのような考えで一緒に過ごしているか、どのような点を重んじて子育てをしているかが、自然と分かる問いが用意されています。

小学校受験の準備と進め方

毎年、11月前後に、国立・私立の小学校で入試が行われると分かりました。それに向けて、保護者としてはどのような準備をしていけばいいのでしょうか? HugKumの過去記事では、小学校の受験に合格した保護者にアンケート調査を行っています。その記事を参考に、小学校受験の準備と進め方を探ります。

受験の準備を始めるタイミング

一般的に、小学校受験の対策は、入試の一年前に始める人が多いと言われています。幼稚園や保育所・認定こども園に通うわが子が年長クラス(5歳時クラス)になったときの11月前後に試験が行われるとしたら、前年の秋ごろが始め時だと考えられます。

ただ、HugKumの過去の調査によれば、子どもを小学校受験の塾に通わせたタイミングとして、3歳が33%、6歳が33%となっています。あくまでも塾に通わせるタイミングなので、準備を始めるタイミングとは異なりますが、早い段階から塾に入れて万全の対策をする家庭と、基本は自宅学習を行って、年長クラスになってから総仕上げで塾で対策を立てる家庭が多いと分かります。

志望校を決める時期

志望校を決めるタイミングは、いつでしょうか。

私立の小学校と国立の小学校は、それぞれ69校と237校です。その大半は一都三県や二府一県に集中しているので、大都市圏に暮らしている人は、選択肢が多すぎて、なかなか決められないかもしれません。

一方で地方に暮らしており、選択肢が地元にある国立大学の付属小学校しかないという場合は、受験を決意したタイミングが、志望校の決定になる場合もあると思います。

2008年の資料になりますが、小学校受験対策の塾「こぐま会」の週刊こぐま通信によると、わが子が年中クラス(4歳児クラス)の冬に第1志望校を決め、その対策をしっかり練ってきたパターンが合格者に多かったと言います。

その意味で考えると、年中クラスの秋にゆっくりと準備を開始し、その冬に志望校を決め、そこから準備を続けて、年長クラスの秋に本番を迎えるといった流れが一般的と言えそうです。

志望校ごとのおおまかな年間スケジュール

年中クラスの秋に試験の準備をスタートし、その冬に受験校を決めたとしたら、その後はどういった対応になるのでしょうか。受験日が異なる国立小学校と私立小学校で、それぞれまとめてみました。

国立小学校の場合

国立小学校の場合、大まかな流れは以下の通りです。

願書配布(9月~10月)

学校公開・説明会(8月~10月)

出願(10月)

試験(第1次で終わる場合もあれば、第3次まである場合も)(11月~12月)

結果発表(入学希望者が多い場合は、抽選が行われる)(12月)

私立小学校の場合

私立小学校の場合も、似たような流れになりますが、多少時期が異なります。

学校公開・説明会(4月~7月)

願書配布(8月)

出願(8~9月)

入試説明会(9月)

試験(9月~10月)

結果発表(11月)

私立の小学校の場合、欠員の発生次第では二次募集・三次募集が行われます。私立の小学校の場合、欠員による収入減は学校経営に大きな影響を与えますので、きっちり生徒を入れたいところ。その辺りの事情も把握しておきたいですね。

模擬試験もある小学校受験に塾は必要? いつから通う?

学校説明会から試験に至るまで、いろいろな流れがあると分かりました。初めての人には不慣れな話ばかりですから、塾は頼れる存在だと考えられます。小学校受験に合格した親にアンケート調査を行ったHugKumの過去記事でも、塾を使ったという人は、51%と半数近くに達しています。

通わせ始めた時期については、先ほど3歳と6歳が多かったとご紹介しました。月謝については10,000円前後、通わせる頻度は週に数回といった範囲内で、筆記試験、集団行動、面接の対策、親に対するカウンセリングなど、さまざまな面でサポートを受けていると分かります。

アンケート調査では『こどもクラブ』『理英会』『こぐま会』『ジャック幼児教室』などの名前が、人気の塾として挙がってきています。どこも有名な塾なので、通う親子も多く、アンケート結果に反映された可能性もあります。

それほど認知度が高くなくても、志望校別のカリキュラムがある、国立と私立対策をどちらも立てられる、家から無理なく通える、親子のスタンスに合うなど、自分たちに最適な塾を探したいですね。

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