入学願書の書き方とポイント
先ほどの小学校受験の流れを見ると、まずは出願から本番がスタートすると分かります。願書はどのような点に注意すればいいのでしょうか? 小学校受験の塾「理英会」によると、全ての学校に共通して、注意すべきポイントがあるとされています。
入学願書に書く内容は具体的に
願書の目的は、学校に対するわが子の「プレゼン」です。子どもの良さをきちんと伝えるためには、各種のエピソードを具体的に書くと学校側に理解されやすいとされています。
「うちの子は優しい子どもです」という抽象的な言葉ではなく、いつ、どこで、わが子が、何を、どのようにしたために優しいと分かるのか、またその出来事によって、わが子にどのような変化や後日談があったのか、具体例を使った表現を心掛けたいですね。
書き方のポイント=読んだ側の気持ちになる
願書の内容は、学校が知りたい情報です。その知りたい情報にきちんと答えているか、もし可能なら塾の力を借りて、きちんと検討したいポイントです。また、回答がきちんと読める文字で書かれているか、分かりやすい言葉で書かれているか、配慮したいですね。
小学校受験の面接内容
ペーパー試験、集団行動の試験は子ども普段通りの頑張りに託したいですが、面接では親の子育ての姿勢が問われます。
親子同伴面接、両親面接、集団面接など、親の言動が学校の側に見られる場面では、特に親の役割も大きいです。しっかり、時間をかけて対策をしたいところです。
子どもだけの面接(幼児面接)
面接の1つのやり方として幼児面接があります。子どもだけで面接をする形式ですね。
ペーパーテストや図画工作の制作途中に、氏名や住所や幼稚園名、今日は誰と来たかなど一般的な質問を聞かれる場合もあれば、親と離れ別室で子どもが同様の質問を受けるケース、保護者と同じ部屋で子どもだけが質問を受けるパターンもあります。
わが子の志望校がどのパターンで面接を行うのか、事前の準備として面接のシチュエーションを理解し、子どもが常に正しい姿勢で、臆さず返事・意思表示できるように準備をしておきたいです。
〇よく聞かれる質問一覧
- 住所と電話番号
- お母さんにしかられる時
- きょうだいげんかについて
- 好きな本
- お友達のおもちゃを壊した時にどうする?
- 家族と遊ぶかどうか?
両親が関係する面接
両親が関係する面接も、幾つか種類があります。
子ども抜きで面接官2~3名と父母が対面する面接(両親面接)、面接官並びに父母および子どもで向き合う面接(親子同伴面接)、面接官、他の家族、並びに父母および親子で面接をする面接(集団面接)があります。
事前に志望校のスタイルを熟知し、十分に対策を立てた上で当日を迎えたいですね。
〇よく聞かれる質問一覧
- 休日の過ごし方
- 親から子に伝えたい事柄
- 志望理由
- 子どもの成長を感じる瞬間
- 育児で気を付けたポイント
- 自分時間の過ごし方
- 子どもの食べ物の好き嫌い
- 災害時の対応
小学校受験の服装の基本
面接では、面接官から親子の服装も見られています。親が面接に出ない場合でも、服装に気を付ける瞬間が、小学校受験では何度かやってきます。例えば学校説明会のような場面ですね。母親父親などの保護者、子どもの服装も含めて、身だしなみにはどの程度注意すればいいのでしょうか?
母親は濃紺のスーツで、小物・髪型・靴などに清潔感と高級感を
母親の服装に関しては、HugKumの過去記事でも取り上げています。
襟元に丸みのあるジャケット、Aラインや控えめなフレアスカートの組み合わせのスーツが好ましいとされ、色は濃紺が基本です。
ジェンダーによる典型的なイメージを好まない人には意義を挟みたい情報かもしれませんが、面接ではパンツスタイルを選ばないほうがいいとされています。さらに、靴は3cm程度の太めのヒールが好ましいとされています。
アクセサリーなどの小物に関しては付け過ぎを避け、バッグはスーツの色に合わせた配色、髪色も黒く染め、清楚な印象を心がけたほうがいいと考えられています。
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父親と子どもは母親との統一感を大事に
父親、子どもに関しては、母親をベースに全体で統一感を出すといいとされています。無地の濃紺のシングルスーツ、ネクタイも同色、シャツは白の一択で、アクセサリーは結婚指輪以外、外したいとされています。
座った時にすねが見えない眺めのソックスに、黒の靴が定番だとの話もあります。別に面接に特別必要な着こなしがあるという感じではなく、一般的なスーツスタイルのルールを押さえて考えればいいのですね。
子どもは、男の子ならパパに類似した印象の服で、女の子なら母親に類似した印象の服で統一すると、全体が一致するはずです。パパとママ、子どもが全体で統一感があると、仲のいい親子という印象が自然と伝わります。
小学校受験は普段の子育てが問われている
小学校受験というと、何か「お受験」という閉鎖的な世界でしか通用しない処世術やテクニックを学ばなければいけない印象があります。
しかし、子どもを選ぶ側の学校自体が、そのような閉鎖的な処世術やテクニックを評価しないという事実があります。「お受験」対策の塾の側も、付け焼刃なテクニックを教えようとしているわけではありません。
見方を変えれば、受験対策は親の独りよがりの子育て論を見直すチャンスになりますし、自分の子どもが一般的に見てどういった部分に欠けているのか、客観的に知る機会にもなります。
一般的に欠けていると言っても、算数や国語の能力が高い低いという意味ではなく、例えば姿勢が悪い、挨拶・返事ができない、家の住所が言えないなどの話。こうした弱点を受験対策を通じて改善できれば、これからの子どもの人生にも、プラスの意味をもたらしてくれる可能性が高いはずです。
むしろ単純な学力だけではない、親子の普段の暮らしや教育のスタンスを問われる機会が小学校受験です。「お受験」=偏った親のエゴという考え方は、必ずしも当てはまらないですよね。
小学校受験をしない家庭であっても、小学校受験でどのような能力を求められ、どのような対策をしているのかを知り、自分の子育てに生かすという考え方があってもいいのかもしれません。
構成・文/坂本正敬 写真/繁延あづさ、写真AC
【参考】
※ 小学校受験はいつから準備を始めるのがよいのか – 理英会
※ 私立小学校・学費ランキング全30位!6年で600万円超えはザラ – DIAMOND ONLINE
※ 【小学校受験】私立小学校「志願倍率ランキング」上位2校は慶應ブランド – ReseMom