お受験するなら知っておきたいポイント|特徴やメリット、成功のための秘訣

「わが家は関係ない」と思っていても、幼稚園や保育所で小学校受験を考える友達を持つと、いつの間にか意識し始めてしまう「お受験」。代々、子どもが私立の小学校に通う家庭に育った人であれば、「お受験」の知識やノウハウが蓄積されているお家もあると思います。

しかし、親自身が公立の小学校に通ったのにわが子を私立の小学校に入れたいとなったら、「お受験」のシステムを学ばなければいけません。また親世代とはシステムが変わっていたりもするでしょう。そこで今回は、「お受験」の基礎知識をまとめました。

お受験(小学校受験)の特徴

まず、「お受験」を知る上で、小学校受験が特殊なケースだという事実を知っておいたほうがいいかもしれません。

文部科学省の「学校基本調査(令和元年度)」によれば、全国の小学校の数は19,738校となっています。そのうち、国立の小学校、公立の小学校、私立の小学校は、どの程度の数になると思いますか?

都市部に暮らしていると、身近に私立の小学校が幾つもあるので、全国にはたくさんの私立小学校、国立小学校があると勘違いしてしまうかもしれません。

しかし、全19,738校のうち、国立は69校、私立は237校のみで、残りの19,432校は公立です。「お受験」(小学校受験)をして入る私立や国立の小学校が、全国的に見れば極めてレアな存在だと分かります。

私立小学校の特徴

その「レア」な私立小学校とは、どういった場所なのでしょうか?

先ほどの文部科学省の「学校基本調査」によれば、令和元年度の調査で、小学生の全体数は過去最少の約6,369,000人となっています。全国で子どもの数が減り続けているため、公立小学校の数も、当然減り続けています。令和元年度の調査では、前年と比べて154校も数が減っています。

しかし逆に、私立の小学校だけは、前年度比で6校も増えています。この流れは過去からずっと続いてきました。しかも、全国津々浦々にまんべんなく私立小学校が増えているのではなく、特定の地域に集中して増えてきています。

例えば私立小学校は、東京都に55校、埼玉県に5校、神奈川県に30校、千葉県に10校、一都三県で合計100校と、全国の市立小学校の半数近くが一都三県に集中していると分かります。

一方の関西の二府一県の場合、大阪府に17校、京都府に11校、兵庫県に11校と、合計で39校が存在しています。しかも、京都府は京都市、兵庫県は阪神間と、人口の集中しているエリアにほとんどの学校があります。言い換えれば、私立の小学校は、経営を考えても、大きな都市周辺に存在する都会的な校風になると考えられます。

国立小学校の特徴

国立小学校は、国立大学付属の小学校が基本です。私立小学校の多くが大都市圏、人口過密のエリアにあると先ほど紹介しましたが、私立小学校の少ない地方でも、国立大学の付属小学校は存在しています。地方の教育熱心な家庭は、国立大学付属の小学校を「お受験」するという図式が見られます。

また、同じ「お受験」でも私立小学校と違って、国立の小学校は授業料が無料という特徴もあります。「お受験」=富裕層の子どもがするというイメージがあるかもしれませんが、国立大学付属の小学校であれば、公立の小学校に通わせる場合と学費の面で変わりがありません。

中学受験との違い

ただ、私立と国立の小学校は、学校の数が少ないので、当然通う子どもも少ないのです。全国で小学生が600万人以上いると先ほど紹介しました。その中で私立の小学校・国立の小学校に通う子どもは、1~6年生の合計で私立が78,181人、国立が37,347人です。一方で一般の公立小学校に通う子どもは、1~6年生の合計で6,253,022人で、全体の98%を占めています。

いっぽう、私立・国立の中学校に通う子どもとなると、年齢が上がる分だけ受験に対する抵抗が減るからか、その数もまた増えるのですが、私立・国立の小学校に通う子どもはまだまだ少数派。

「私立の小学校に通う子どもが増えている」とも言われていますが、「学校基本調査(令和元年度)」を見ると、「増えている」といっても前年比で402人にすぎません。全国の同年代の子どもの数636万人に比べるとごく少ない数です。

「みんなが通い始めている」「増えている」という身の回りの情報や印象だけをうのみにして、焦りを感じて受験をする家族がいるとしたら、心配は無用だと言えそうです。

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お受験のメリット

全体で見れば、極めて少数派となる小学校の受験「お受験」。わざざわ受験をするメリットは、どこにあるのでしょうか?

小学校受験は意味がない?

小さいころから子どもを競争にさらす「お受験」を、否定的に考える向きもあります。「高校受験より前の受験は、親のエゴ」という意見もあります。私立や国立の小学校に通った結果、「通学が大変だった」「地元に友達ができずに、寂しい思いをした」と語る、私立や国立の小学校出身の大人も、筆者は個人的に知っています。

しかし、私立小学校の通学者が増え続け、国立の小学校のお受験が全国的に毎年、かなりの倍率に達する事実を見ると、何かしらのメリットを感じている人たちが、一定数確実に存在しているはずです。お受験のメリットは何になるのでしょうか?

大多数の子どもたちとは「異なる」教育を受けられる

私立、あるいは国立大学付属の小学校に「お受験」をして入る最大のメリットは、わが子に大多数の子どもとは「異なる」教育・経験を与えてあげられる点が挙げられます。

公立の小学校、私立の小学校、国立の小学校はお互い切磋琢磨して、日本全体の教育レベルを高めてくれています。どこの学校に通っても、質の高い教育が受けられる点は日本の素晴らしい特徴ですが、私立の小学校・大学付属の国立の小学校は、どちらが上か下かという話ではなく、大多数の子どもが通う公立の小学校とは異なる教育が実践されています。

例えば、私立の小学校は私立学校法によって公共性を保ちながらも、校風や建学の精神も守られているため、公立小学校と根底において共通している部分だけではない、異なる教育が行われています。

日本私立小学校連合会によれば、全国の私立小学校は、

  • 教員の資質向上のための連携した研修・研究
  • 新しい実践研究
  • 初等教育から中等教育、高等教育までの一貫教育
  • 建学の精神に基づくカリキュラムの編成
  • 外国語教育の充実
  • 生活科の試験的な調査・研究

を積み重ねてきたと言います。

小学校は6年間と長いです。大多数の子どもが公立の学校に通い、似たような教育を受けている中で、わが子には異なる環境を与えられるメリットが、私立や国立の小学校にはあります。

その結果、異なる物の考え方や生活習慣が身に付くかもしれません。いいのか悪いのかは容易に判断できませんが、その違いを個性の一種と考えるのであれば、子どもが「個性的」に育つ可能性もあるはず。交友関係や通学経験も含めて、大多数の公立小学校に通う子どもたちとは、異なる教育機会・経験を与えられます。

ブランド校に早くから合流できる

この点をメリットと考えるかどうかは各家庭の教育論で判断が分かれるかと思いますが、小学校受験はエスカレーター式で有名高校・有名大学へと子どもを進学させられる可能性が高いという特徴があります。言い方を変えれば、大学受験の激しい競争を避けられる可能性が高いという考えです。

小学校受験と違い、中学校以降の受験は、完全に学力勝負になります。特に大学受験まで行ってしまうと、都市部のブランド校・有名校を狙って、地方の秀才も集まるようになります。大学生ともなれば、地方出身の人も一人暮らしで通えるようになるからですね。

文部科学省が行っている「全国学力・学習状況調査」の平成31年度(2019年度)を見ても、秋田県、石川県、福井県、富山県、青森県、沖縄県など、東京都より学力水準の高い小学生が、全国にはたくさんいると分かります。特に秋田県や北陸3県は公立校のレベルが高く、毎年のように学力の高い子どもを育て続ける土地柄があります。

先ほど、私立小学校の多い土地として、関東の一都三県と関西の二府一県を挙げました。これらの都府県の学力(小学生)を全国と比べてみると、東京都は7位、京都府は10位、埼玉県は23位、千葉県・兵庫県は29位、神奈川県は35位、大阪府は44位となっています。正直に言って、高い順位にいるとは言えません。

地方には秀才が山ほどいて、その人材と都市部に暮らすわが子が大学受験のタイミングで競争になるかもしれません。そういった競争を避けさせたいと考える親からすれば、小学校受験にはメリットがあると言えそうです。

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