福田雄一ワールドが炸裂！『新解釈・三國志』は「今日俺」にハマったファミリーなら大爆笑間違いなし！

実写映画『銀魂』シリーズや、『今日から俺は!!劇場版』などのヒット作を飛ばしてきたコメディの帝王、福田雄一による最新作は、あの「三國志」を、独自の解釈で描いた完全オリジナル映画『新解釈・三國志』です。歴史時代劇でありながら、コメディにとことん振り切った快作で、おそらく「三國志」ファンもびっくりな内容となっています。

今から1800年前、中華統一を成し遂げようと、魏・蜀・呉の三国が群雄割拠していた時代に、のちに英雄とされる一人の男・劉備が立ち上がります。やがて彼は、魏軍80万ｖs蜀・呉連合軍3万という、圧倒的兵力差のある激闘「赤壁の戦い」に突入していきます。

と、ストーリーだけをなぞれば、紛れもなく「三國志」なのですが、なんといっても、大泉洋演じる劉備は、これまで見たことのない、ずっとぼやいている冴えない将なんです。それって一体どういうこと!?　とにかく最初から福田ワールドが炸裂していて思わずニンマリ。

大泉洋、賀来賢人、橋本環奈らオールスターキャストの時代劇コメディ

主人公・劉備役の大泉さんは、福田組初登板となりましたが、オファーはずいぶん前に福田監督から入っていたそう。ただ、ご自身も人徳もあって、大軍を率いて戦った劉備というキャラクターが、自分と全く結びつかなかったので「私が劉備ですか？」と驚いたとか。そしたら福田監督から「めっちゃぼやく劉備なんです」と言われ、大いに納得したそうです（笑）。

確かに、これまでの劉備とは勝手が違う様子。「義勇軍に入るなんて言ってねぇから！」と言うやる気ゼロのゆる～いキャラクターに思わず失笑。間違っても熱血系の歴史ドラマではなく、ずっとコメディで押し切る、愉快なポップコーン映画となっています。

何よりも、豪華キャストがそれぞれ楽しんで演じている点が最高です。劉備役の大泉さんを筆頭に、洋周瑜役の賀来賢人、黄夫人役の橋本環奈、小喬役の山本美月、孫権役の岡田健史など、とにかく隅々まで行き届いたキャスティングに目を見張ります。福田組のマスト俳優のムロツヨシや佐藤二朗のほか、山田孝之、小栗旬も出演。語り部はベテラン俳優、西田敏行が務めます。

ネタバレ厳禁、あっと驚くサプライズも！

近年の福田監督作のなかでも、とことんコメディに徹した本作。え！なぜ、そうなる!？という驚きのサプライズも用意されていて思わず爆笑。また、小ネタのジャブが次から次へと入り、予断を許さない展開となっています。

折しもコロナ禍ですが、たまには親子で観て大笑いしたいという方には、おすすめ。また、ママ的には「三国志」に初めて触れたお子さんが、もっと歴史に興味を持ってくれたら一石二鳥かと。逆に「三国志」通は、いろいろな点にツッコミを入れつつ、きっと最後まで楽しく観られるはず。特に「今日俺」にハマったファミリーには、ぜひ劇場で楽しくご覧いただきたいです。

文／山崎伸子

©2020映画「新解釈・三國志」製作委員会