引っ越して保育園が変わってから、夜になると泣くようになった4歳の娘【愛子先生の子育てお悩み相談室】

子育ては日々悩みの連続ですね。保育者歴47年、常に子どもに寄り添い、ママたちからの信頼も厚い自主幼稚園「りんごの木」の柴田愛子さんが、豊富な経験を元に、悩めるお母さんにアドバイス。

引っ越して保育園が変わってから、娘が夜泣くようになってしまい…

娘はアトピー性皮膚炎があり、ぜんそく持ちです。豊かな自然に囲まれた環境で、のびのびと子育てをしたくて田舎町に引っ越して来ました。しかし保育園が変わってから、娘が夜、泣くようになってしまいました。
1カ月経ちますが、環境の違いに戸惑っているようです。保育園を辞めて、私が家庭で見る選択もあるでしょうが、家計のためには仕事は辞められません。しかし夜になると泣くわが子を見ると「自然豊かな環境で暮らしたい。田舎で子育てがしたい」という私の思いは間違えていたのかな!?と考えてしまいます。(4歳の女の子ママ)

一度戻ると今を受け止められるようになることも。子どもの順応力を信じて見守りましょう

どんなことでも親がよかれと思っても、すぐにいい結果が出るとは限りません。子育ては、親が思うようにはいかないものです。
りんごの木でも、引っ越してきて途中から入って来た子が、泣いて休むことがあります。子どもからしたら自分の意思ではなく、環境が大きく変わってしまったのですから、仕方がないことだと思います。
よほど元気がないようなら、以前のお友達や、以前の場所を訪ねるのもいいかもしれません。
一度戻ると、元気になり、今を受け止められるようになったりします。行きつ戻りつ進んで行くということです。
そして、子ども自身が覚悟を決めていきます。子どもの順応する力を信じて見守っていきましょう。

お母さんの迷いが子どもを不安にしてしまいます。まず、自身が新しい環境に馴染むことです

お母さんは「やっぱり引っ越さなかったほうがよかったかしら?」「転園したほうがいいかしら?」など迷わないことが大事。お母さんが迷うと、子どもも不安になります。元に戻れる?と覚悟が鈍ります。ここまでくるのに散々悩んできたんでしょう?
まずはお母さん自身が、新しい土地に根を下ろす覚悟をしましょう。「自然豊かな環境で、のびのびと子育てをしたい」と理想を描いて引っ越したのですから、その夢を実現してください。

 

 

教えてくれたのは

柴田愛子|保育者・自主幼稚園りんごの木代表

保育者。自主幼稚園「りんごの木」代表。子供の気持ち、保護者の気持ちによりそう保育をつづけて半世紀。小学生ママ向けの講演も人気を博している。ロングセラー絵本『けんかのきもち』(ポプラ社)、『こどものみかた』(福音館書店)、『あなたが自分らしく生きれば、子どもは幸せに育ちます』(小学館)など、多数。親向けの最新刊に『保育歴50年!愛子さんの子育てお悩み相談室』(小学館)がある。

イラスト/海谷泰水

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