「高見え」「カニバる」…あなたが選んだ“新しい言葉”が辞書に載る? 「大辞泉が選ぶ新語大賞 2021」開催中

「高見え」「路上飲み」「カニバる」「K字経済」…。これらの言葉の意味をご存じですか?

「大辞泉が選ぶ新語大賞」キャンペーンに寄せられた新語の中から、【6 月の新語】として選ばれた新語の一部です。これらの新語は『大辞泉』デジタル版に掲載される予定です。

「大辞泉が選ぶ新語大賞 2021」とは

「大辞泉が選ぶ新語大賞」は、 2016年からスタートした恒例企画。新しい言葉(新語)や今までにない言葉の使い方(新語義)を一般から募集するオンラインキャンペーンです。

6 回目となる2021年も、5月 18日(ことばの日)から 11月 14日まで、「新語」「新語義」を募集しています。毎月「月間賞」となる新語が選ばれますが、今回【6月の新語】が発表されました。

それらの新語は『大辞泉』デジタル版に採録され、アプリや電子辞書「goo 辞書」をはじめとする各種ポータルサイトの公式辞書に掲載され、実用化されます。12 月にはその中からさらに「大辞泉が選ぶ新語大賞」が選ばれます。

これまでも「イートイン脱税」や「匂わせ」など、その年ならではの新語が選定されました。HugKumファミリーも家族みんなで応募してみませんか?  応募概要は記事末にてご紹介します。

大辞泉が選ぶ【6月の新語】はこの6語!

【高見え】
本来は値段が高くない物だが見た目が高そうに見える物。インテリアなどでよく使われる。

【路上飲み】
コロナ禍で飲食店が休業しているので、コンビニ等で酒類を買い路上で座り込んで飲んでいる人のこと。

【教え魔】
頼んでもいないのにやたらと教えてくる人。自分のやり方や考えが正しく、相手が間違っていると一方的に信じている場合が多く、感謝や尊敬を要求することもある。

【カニバる】
二つ以上の出来事の目的が同一で、お互いの求める利益が分散してしまうこと。カニバリズム(共食い)が由来。

【マリハラ】
早く結婚しろ等のハラスメント。

【K字経済】
Kの字のように富裕層と貧困層の二極化が進む経済の状態。コロナ禍で顕著になった。

※これらの語釈は一般から投稿されたもの。正式な語釈は編集部が執筆陣に依頼し、2022 年 4月の改定時に『大辞泉』デジタル版に収録する予定。

新語から見える世相とは…

人々が頻繁に口にして広まっていく言葉には、時代の空気や世相が反映されているはずです。「大辞泉」編集協力・田中牧郎先生(明治大学国際日本学部教授)による【6月の新語】の選評には、なるほどと頷けることばかり。

昨年は世の中のみならず、『大辞泉』に投稿された新語もコロナ一色に染まってしまいました。今年も、6月時点ではその傾向が残っていますが、少しずつ、一般の言葉も増えてきています。
【高見え】は持ち物などを SNS でプチ自慢したい心の現れでしょうが、センスがいい、似合っているという評価でなく、「値段が高く見える」ことにメリットを感じている、なんとも直裁な表現です。
【K字経済】は「K字回復」「K字相場」などの関連語もあります。コロナ禍からの景気回復が、恩恵を受ける業界とそうでない業界で、はっきり二分化されていることを指摘するときにも使います。
【カニバる】については、『大辞泉』に既に【カニバリゼーション】という項目があります。同じ会社の部署どうし、製品どうしが競合している状態ですが、それの俗な動詞化です。
【マリハラ】は、今どきいちばん言ってはいけないハラスメントのひとつ。さすがにこうまで相手の気持ちを考えない人は減ってきているのでは? と信じたいですね。

<「大辞泉」編集協力・田中牧郎先生による選評>

これまでも、こんな新語が入選!

それでは、これまでにはどんな新語が誕生しているのでしょうか。昨年の新語大賞に入選した「新語」とその投稿語釈の例を見てみましょう。

【スルースキル】周囲からの批判や不快な言動を聞き流し、無視する能力。鈍感力。

【リベンジ夜ふかし】昼間の時間を有意義に過ごせなかったときに、夜遅くまで寝ずにそのマイナス分を取り戻そうとすること。

【経年美化】年月を経るにつれ、人や物の味わいや輝きが増すこと。

【匂わせ】写真の隅に異性の身体の一部や高級品などを写り込ませ、充実した生活を遠回しにアピールする投稿。

【前持ち】混雑した電車の中で、リュックサックが周囲の邪魔にならないように、胸の方に持つこと。

「大辞泉が選ぶ新語大賞」に応募してみませんか?

ここまで入選した新語・新語義を見てきましたが、いかがですか。ソレが入るならアレは?  最近よく聞くあの言葉は?  と思いあたった方もいるのでは。子育て世代のHugKumファミリーだからこそ拾いあげることのできる新語もきっとあるはず。

「大辞泉が選ぶ新語大賞」

◆募集期間
2021年5月18日(火)〜11月14日(日)

◆応募方法
下記公式ページの「応募フォーム」
https://daijisen.jp/shingo/

または「Twitter」から投稿してください。
https://twitter.com/info_dai_jisen

◆賞品
キャンペーン参加賞品として、期間中毎月 30 名様に抽選でアマゾンギフト券 500 円分をプレゼント(合計 180 名様)。また新語大賞に選ばれた言葉の投稿者からは、抽選で 1 名様にアマゾンギフト券1 万円分をプレゼント。

『大辞泉』のオンライン・アクティビティが楽しすぎる!

新しい言葉の採録に積極的に取り組んでいる“生きている国語辞典”『大辞泉』のデジタル版データは、最新採録語数・約 30 万 7000 語(2021 年5 月現在)に達し、ネット辞書のなかでもナンバーワン。

さらにSNSやウェブサイトで「ことば」に関するこんな最新情報を発信しています。

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『大辞泉』公式 Facebook ページでは、さまざまな「言葉」について、その語源や使用法など目からウロコのおもしろ情報を毎日投稿しています。時事ネタや新語・流行語など、思わず「シェア」したくなる話題が満載。

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『大辞泉』公式 Twitter では、編集部が日々つぶやく「言葉のあれこれ」だけでなく、たくさんの辞書好き、ことば好きのみなさんが様々な話題で盛り上がっています。今すぐチェック!

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クイズ『大辞泉クイズ ことばの総泉挙』実施中!

『大辞泉』公式ウェブサイト内の「大辞泉クイズ ことばの総泉挙」では、間違いやすい言葉の用例について毎日一問ずつクイズを出題。楽しみながら「言葉の達人」を目指せるこのコーナー、国語好きのお子さんといっしょに、ぜひのぞいてみてください。

http://ssl.japanknowledge.jp/daijisen/index.php

 

構成・文/HugKum編集部  協力/『大辞泉』編集部

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