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そもそもなぜ母親のことを「ママ」と呼ぶの?
子どもの母親に対する呼び名として、最も主流といえる「ママ」。日本で使われはじめた時期は意外にも古く、明治30年代頃に遡るとの説があります。なんでも、洋行帰りの家庭で使われはじめたことがきっかけとなったのだとか。時間の経過とともに、子どもから母親に対する呼び名として、一般家庭に定着していきました。
どうして「ママ」?
とはいえ、母親の呼び名には、他にも「お母さん」「母ちゃん」など、さまざまなものが存在しますよね。その中でも、なぜ多くの子どもが母親のことを「ママ」と呼ぶのでしょうか。
一番の理由として考えられるのが、子どもには「ママ」が発音しやすいことです。人間の赤ちゃんや子どもにとって、「m」はもっとも簡単な発音のひとつ。そのため、わが子のはじめての発語が「ママ」だったというご家庭も多いはずです。赤ちゃんのころに母親を「ママ」と呼びはじめ、成長した後も、そのまま「ママ呼び」が身についている子が多いのだと予想されます。
世界の子どもも「ママ呼び」
そしてそれは、世界の多くの国の子どもにも共通すること。例外ももちろんありますが、英語圏では「mama(ママ)」や「mommy/mummy(マミー)」、フランス語では「maman(ママン)」、イタリア語では「mamma(マンマ)」と、世界中でも母親のことを「ママ」のような呼び方をすることが主流なのです。つまり、子どもの「ママ呼び」は、きわめて自然なことといえます。
母親を「ママ」と呼んでいる子の割合は?
では、実際には、母親を「ママ」と呼んでいる子の割合はどれほどに及ぶのでしょうか。HugKum読者のママパパを対象にアンケート調査してみました。
Q.子どもに母親のことを何と呼ばせていますか?
アンケートの結果では、なんと、64.7%ものご家庭で、お子さんが母親を「ママ」と呼んでいることが判明。「お母さん」も34.5%と多く、ほとんどのご家庭で、母親は「ママ」か「お母さん」と呼ばれていることがわかりました。
ママが64.7%! その理由は?
「ママ」と呼ばせている理由としては、「言いやすさ」や「赤ちゃんのころから定着していること」のほかに、「子どもの意思に任せている」といった声が寄せられています。
また、「お母さん」と呼ばせている理由としては、「ママと呼ばれるのは恥ずかしい」「思春期までに切り換えるのが難しい」といったものが目立ちました。
以下、みなさんからのコメントを引用します。
ママ
お母さん
「ママ」はいつまで? いつか切り替えるべき?
先のアンケートの回答にもありましたが、中には「ママ呼び」=「恥ずかしい」というイメージを持つご家庭もあるようです。自分自身が「ママ」と呼ばれることが恥ずかしかったり、「ママ呼び」をしていることで、わが子がお友達にからかわれるのではないかと不安に思ったり、その理由はさまざま。
では「ママ呼び」は、いつかは「お母さん呼び」に切り換えるべきなのでしょうか。HugKum読者のママパパはどのように考えるのか、聞いてみました。
Q.「ママ」の呼ばせ方はいつか切り替えたいと思いますか?
回答で最も多かったのは、『子供に任せる』(33.6%)、次に多かった回答が『いつかは切り替えたい』(23.5%)。その次が『ママと呼ばれたことは一度もない』(20.2%)で、『変えるつもりがない』(9.2%)『既に他の呼び方に切り替えた』(7.6%)が続く結果に。
『子供に任せる』に票が集まる一方で、それ以外はどちらかといえば、切り替える意向の(もしくは既に切り替えた)ご家庭が多い印象を受けました。
子どもに任せる派&切り替える派、それぞれの理由は
切り替えたい(切り替えた)理由としては、「ママ呼び」のままだと「子どもっぽい」「自立できていない」といったイメージがあることが主に挙げられています。
子どもに任せる、もしくは変えるつもりがない理由としては、「特に問題はない」「子どもの呼びたいように呼ばせてあげたい」といったものが目立ちました。
以下、各回答ごとにみなさんからのコメントを引用します。
いつかは切り替えたい
既に他の呼び方に切り替えた
変えるつもりはない
子供に任せる
では、「ママ呼び」はいつ頃切り替えるのが理想的なのでしょうか。こちらも同じくアンケートで聞いてみました。
Q.「ママ」の呼び名を卒業するのはいつ?
集まった回答の中では、『いつでもよい(子供に任せる)』(43.2%)がダントツに多く、以下は『小学校低学年』(15.9%)、『小学校高学年』(9.1%)、『3〜6歳』(8.0%)と順に続き、『小学校中学年』『中学生』(6.8%)が同票。過半数近くを占める『いつでもよい(子供に任せる)』のほかは、ばらついた印象です。
「いつでもよい」がダントツ一位。思春期までには切り替えたい派も多数
最も多かった『いつでもよい(子供に任せる)』の理由としては、「子どもの意思に任せたい」「自然と変えてほしい」といったものが目立ちました。
他、小学校中学年〜中学生くらいとの回答は、それぞれ「思春期」をひとつの境界として見越したものが多いように思えます。より低年齢・低学年への投票の理由としては、「子供っぽく見える」「お母さん呼びの方が自立している」といったストイックなものも見受けられました。
以下、みなさんからのコメントを引用します。
3~6歳
小学校低学年
小学校中学年・高学年
いつでもよい(子供に任せる)
母親の呼び方を切り替えるポイント
「お母さん呼び」に切り替えたいというご家庭も多い「ママ呼び」。切り替えると言っても、いきなりは難しそうですよね。どのようにして「お母さん」にシフトチェンジしていけば良いのか、ここではそのポイントをお伝えしていきます。
呼び名について子どもと話し合う
突然呼び名を変えるように強要すると、お子さんは、これまでの当たり前が奪われたように感じ、困惑してしまうかもしれません。母親の呼び方をどうするか、一度お子さんと話し合ってみましょう。「お母さん呼び」に切り替えたいのであれば、「お母さん」と呼んだほうがいいと感じる理由も添えてあげると、より納得しやすいかもしれません。
自分のことを「お母さん」と呼ぶ
それでもなかなか「お母さん呼び」が定着しない場合は、母親が自分のことを「お母さん」と呼ぶことが有効といわれています。上の子やお父さんに協力してもらうのも◎。少しずつ、母親のことを「お母さん」と認識できるようになるはず。
子どものほうから変えるのを待つ
思春期頃になると、自分の親を「ママ」や「パパ」と呼ぶことが気恥ずかしくなる子も多いようです。その時が来れば、子どものほうから自然と呼び方を変えてくれるかもしれません。気長に待ってみるのもひとつの手です。
無理に変えなくてもOK。子どもの意思に任せましょう
「ママ」呼びを恥ずかしいと思うか、思わないかは子ども次第。アンケートの回答にも多かったように、母親をどう呼ぶかは子ども本人の意思に任せてみても良いのかもしれません。「ママ」と呼んでもらえるのも一時的なことかもしれないので、この時期を楽しんでみては。
構成・文/羽吹理美