子どもが自分の部屋を欲しくなるタイミングとは
HugKumが実施したアンケート調査の内容は次のとおりです。
全国に暮らす20代から50代のパパ・ママ121人に「お子さんに『自分の部屋』はいつから持たせますか? すでに部屋を持たせている方は当時の年齢でお聞かせください」と聞いています。
集まった答えの一部を抜粋すれば次のような感じです。
子どもに自分の部屋を持たせるのはいつから?
それではアンケート結果の詳細を見ていきましょう。HugKumが実施したアンケート調査の回答を集計すると次のような傾向が見えてきました。
Q.お子さんに「自分の部屋」はいつから持たせますか?
多い順にまとめると次のような感じです。
- 第1位・・・小学校低学年(35.0%)
- 第2位・・・小学校高学年(27.5%)
- 第3位・・・中学生(20.8%)
小学生のうちに持たせる(持たせた)親が全体の6割を超えています。中学生のタイミングで持たせるご家庭を含めると全体の8割に達します。
逆に「持たせる予定はない」と答えた親は9.2%もいましたので、全体からその9.2%を差し引くと、持たせる予定の家庭では中学生までにはほぼ持たせている傾向が読み取れます。
以下には親の声も掲載してみました。
3歳未満
将来的に割り当てる部屋が存在するために、早々に子ども部屋をつくってしまうケースもあるようです。
筆者の知人にもこのパターンの家が幾つかあります。ただ知人の家では、子どもが大きくなるまで子ども部屋としてではなく、おもちゃを置くスペースとして活用しているみたいです。
回答者の中には似たような家庭も存在するかもしれませんね。
3~6歳
この年代で持たせたご家庭では、住宅購入や間取りの関係上、子どもの意思と関係なく部屋をつくったパターンが多いようです。
沖縄県の回答者のように、大きな家で部屋が余っている家庭では、早々に子ども部屋の割り当てが始まっていそうですね。
小学校低学年
本格的な勉強が始まる小学校1年生。一番上の回答者のように勉強机を用意する流れで部屋を与えるケースが多いと考えられます。
後半2人の回答者のように就学時には子どもも大きくなります。ベッドや床に敷いたふとんの上で川の字になって寝ていると、お互いの寝返りで体がぶつかって目が覚めてしまいますよね。
子どもも周りの友達が自分の部屋を持ち始めます。1人で寝る怖さや心細さもちょっぴりあるはずですが、自分の部屋への憧れが勝ってくるみたいですね。
小学校高学年
さすがに小学校高学年になると子どもも勉強や遊びのために自分の空間をほしがるみたいです。成長の証ですよね。
中にはまだ使いたがらない子もいるようですが、中学校を見据えて親主導で子ども部屋を与えるケースも目立つようです。
中学生・高校生
中学生以降は子どもも思春期に突入します。さすがにこのタイミングをデッドラインとして子ども部屋を与える家庭が多いみたいですね。
小さいころに学習習慣を身につけさせる過程ではリビング学習もいいと言われています。
しかし抽象的で難解な問題を解くために頭を使う中高生の時期には、1人で集中できる空間を与えたほうがいいと考える親も多いようです。
子どもの部屋作りのポイント
ここまでは子ども部屋を与えるタイミングを調べてきました。では実際に部屋を用意するとなったらパパ・ママはどのような点に注意しているのでしょうか。
特に都市部で暮らしている人からすると、限られたスペースと部屋数をどのようにやりくりするかがポイントになってくると思います。
そこでアンケート調査で分かってきた、狭い・限られた住宅における子ども部屋づくりのアイディアを紹介します。
家が狭くてもできる工夫やアイディア
挙がってきたアイデアはアコーディオン式カーテンやスタッキングシェルフ、ベッドでの間仕切り、ロフトベッドやクローゼット利用などさまざまです。順番に実際の声を紹介していきますのでチェックしてみてください。
アコーディオン式カーテンで部屋を分ける
真っ先に考えられるアイデアはやはり「1つの部屋をカーテンやパーテーションで仕切る」です。子どもの自立までに一時的に部屋数が足りなくなる場合は効果的な方法ですよね。
SNSでの実例もご紹介します。
スタッキングシェルフで仕切る
上述のアコーディオン式カーテンの場合、見方によっては部屋が「区切られ過ぎる」デメリットもあります。
例えば同性のきょうだいだとか年齢の低いきょうだいに部屋を与える際には、どこかお互いの存在を感じられる空間に仕上げたいケースもあるはずです。
その場合はアコーディオン式カーテンではなくスタッキングシェルフで仕切るアイデアも1つの解決策です。
ベッドで空間を仕切る
スタッキングシェルフだけでなくベッドでも空間は仕切れます。回答者のコメントにもあるように、大人が考える以上に子どもはちょっとした「自分空間」があれば満足するみたいですね。2段ベッドを使った仕切りはある意味で空間を最も効率的に使っていると言えそうです。
ロフトベッドで個室空間をつくる
アコーディオンカーテン・スタッキングシェルフとの合わせ技で取り入れたい工夫がロフトベッドです。
ベッドはかなりのスペースをとります。ベッドを天井近くの高さに上げてしまい、下の空間を上手に利用するアイデアですね。
特に小学校低学年の子どもは洞くつにでも入っているようで、ロフトベッドの下を大いに楽しんでくれるはずです。
SNSでの実例もご紹介します。
クローゼット・押し入れを子ども部屋にする
ただし除湿や換気の問題については空気清浄機を常備するなど細やかな気配りが必要そうですね。
SNSでもそんなアイディアを見かけました。
子ども専用の机を寝室に置く
子ども部屋をどうしても用意してあげられない環境では、個人スペースを部屋の一角につくってあげるアイディアもあるようです。
下のアンケート調査の回答のように、子どもの勉強机を置くだけでも違ってくるみたいですね。
空間の広さが許すならばパーテーションなどを用意して「個室感」を演出してあげると、さらに子どもの納得感は増しそうです。
子どもの部屋は親子でいろいろ工夫してみる
以上が子ども部屋を与える時期と部屋づくりのコツのまとめでした。部屋数・子どもの数・子どもの年齢・性別などの違いで子ども部屋をどのように用意するか、答えは大きく変わってくるはずです。
言い方を変えれば答えは1つではないはず。それこそ子どもと相談しながら創意工夫を重ねて、各ご家庭で最適な子ども部屋のあり方を模索する時間そのものを楽しめるといいですね。
文/坂本正敬