子育て世帯の平均貯蓄額はどのくらい?
貯蓄額は、ほかの人に聞きにくい話だけに悩んでいる人も多いはず。今回はHugKum編集部が子育て世帯の貯蓄額について徹底リサーチしました。
子どものいる家庭の平均貯蓄額
まずは、国の統計調査をもとに、社会全体の貯蓄額をリサーチ。そこから子育て世帯(児童のいる世帯)についての貯蓄額を見ていきます。
家計の収支
所得について、内閣府の平成30年の調査では、全世帯が552 万3千円なのに対して、児童のいる子育て世帯については745万9千円となっています。全世帯、高齢世帯者世帯と比べると一番多いですが、働き盛りの世帯なので当然かもしれません。
また、支出については0歳〜2歳の場合には、子どもがいない世帯とほぼ同じ。ここから子どもの成長とともに、支出が子育てに向けて発生し始めます。
3歳〜は教育費(子どもの幼稚園など)が発生し始め、6歳〜12歳は、習い事や家族旅行についての支出が大幅に増えます。12歳からは教養娯楽費から教育費へ大きくシフト。15歳〜は子育て費用が大幅に増加していきます。18歳から成人までが子育て支出のピークになるよう。
貯蓄額の平均値
気になる貯蓄については、児童のいる世帯の84%が貯蓄あり、と回答。全世帯、高齢者世帯と比べても大差はありませんでした。ただ、母子家庭について見てみると、貯蓄があると回答したのは約65%とぐっと減っている結果は見逃せません。
では、平均的にどのくらい貯蓄ができているかを読み解くと、貯蓄をしていない世帯を含めると、1世帯あたりの平均貯蓄額は723,800円となっています。
貯蓄額の中央値
次に、子育て世帯の貯蓄額の中央値を見ると450万円で、6.5割が当てはまることが分かりました。こちらは高貯蓄額の層に引っ張られているように感じますね。
参照:https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/meeting/promote/se_6/siryop23_p30.html
参照:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/dl/03.pdf
毎月の貯金額はどのくらいできている?
HugKumは、0〜12歳の子を持つママ・パパに回答してもらったアンケートの結果から、よりリアルな貯蓄傾向を探っていきます。まずは、月々の家計の収支から、どのくらい貯蓄に回せているのかをリサーチ。
Q.家計の収支から毎月どのくらい貯金できていますか?(※ボーナスは除く)
結果は、一番多い層が、1〜3万円と回答。次に、3〜5万円という回答。そして目立つのが、定期的な貯蓄はできていないという回答。やはり、子育て世帯にとって、定期的な貯蓄は簡単なことではないことが伺えます。
具体的にママ・パパ達の言葉も聞いてみました。
1~5万円未満の回答
貯蓄したいとは思うものの、なかなかできていないと感じている人が多いよう。
「もう少し老後のために貯金額を増やしたいと感じていますが、子供の教育費がかなりの額になっており、貯金が希望額に届いていない状況です」(40代・福岡県・子ども3人)
「あるとどうしても使ってしまって収入の割にできていない」(30代・愛知県・子ども1人)
5~10万円未満の回答
こちらもまだまだ貯めたいと、思い通りにならないと感じる人が多い一方、上手にやりくりしている人もいるようですね。
「保育料がきつい。無償化の年になって、その分貯金を増やしたい」(20代・兵庫県・子ども1人)
「口座残高の見た目は増えていないが、個人年金や学資保険、iDECOや積み立てNISAで増えているため満足している」(30代・東京都・子ども2人)
「そこそこできていると思う。お金に余裕がある時は先取り貯金をしている」(30代・栃木県・子ども2人)
10万円以上の回答
10万円以上貯蓄に回せている層でも、まだ足りないと言う人が目立ちますね。
「理想は、自身(妻)の収入を全額貯金できれば良いが、実際はその半分くらいしかできていない」(30代・千葉県・子ども1人)
「まあまあ満足している。食費を削減しなんとかこの調子で貯金をしていけば子どもの進学費用などを支払うことができると思うから」(20代・神奈川県・子ども1人)
定期的な貯金はできていない
定期的な貯蓄ができていないと言う人たちは、支出も含めた管理の難しさを感じているよう。
「家賃が上がり、妊娠中で働けないため、今は貯金が出来ていない」(40代・大阪府・子ども1人)
「カードやQRコード決済など現金以外の決済が増えて、管理が難しくなった」(40代・福岡県・子ども1人)
「ボーナス時にまとめて貯蓄するので、あまり月々の貯金に興味が無い」(30代・東京都・子ども1人)
子育て世帯が無理なく貯金をするには
将来を考えるとやはり貯金をしたいとは思いつつも、どこから手をつけていいのか悩んでしまう人が大半では。まずはやりやすいところから手をつけていくのがおすすめ。子育て世帯にぴったりの貯金方法をリストアップしました。
固定費を見直す
毎月出ていくお金を一旦整理することで、その分を貯蓄に回せることも。具体的には、光熱費、携帯料金、固定電話・プロバイダ費などですね。ガス&電気、電話&プロバイダ費セットで格安、などのプランもあるので、面倒がらずに各社のプランを比較してみましょう。
貯蓄以外にお金を増やす方法
貯蓄はなんとかしているものの、金利はわずかで増えることはあまり期待できないですよね。そこで、貯蓄以外にお金を増やすことを考えると、積み立てNISAやiDECOなどの投資が代表例に。月々、わずかな金額で投資ができ、将来的な備えにもなるので、一度検討してみては。ただ、元本割れなどのリスクがあることも頭に入れておいて。
ポイントを活用する
今は、あちこちのお店でポイント還元をしていますよね。できれば貯めるポイントを1、2社にまとめるのがおすすめ。子どもの文房具など、こまごましたものはポイントで購入できたりと、ちょっとした支出を減らすことができます。
児童手当を貯蓄に
学校に入ると習い事を始めたりと、なかなか貯蓄がしにくくなるもの。就学前に、児童手当は生活費として使うのではなく、貯蓄に回すのが賢い方法。
ムリなく少しずつ継続することが大切
子育て世帯にとって、貯蓄がないことは不安な気持ちにさせるもの。でも、毎月少しづつ、ムリのない方法で貯蓄をすることで、気付いた時には大きな数字になっているはず。まずは、1ヶ月の生活費を見直すことから始めてみて。
構成/HugKum編集部 文/松川麗