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貯金なしの子育て世帯はどれくらいいるの?
まず子育て世帯はどのくらい貯金があるのでしょうか?厚生労働省の「平成28年国民生活基礎調査」の結果によると、18歳未満かつ未婚の児童のいる世帯で、「貯蓄がない」と答えた世帯の割合は14.6%でした。子育てにはお金が必要なため、貯金をする余裕がないという事実の表れなのかもしれません。
「貯蓄がある」と答えた世帯で貯蓄額がもっとも多かったのが、「500~700万円」の10.9%で、「100~200万円」(10.3%)、「1000~1500万円」(7.7%)と続き、平均貯蓄額は679.9万円でした。
貯蓄がないと答える世帯が約15%いる一方、貯蓄がある世帯についてはその金額に大きな開きが出ていることが実態のようです。
子育てに貯金は必要
子どもが大きくなるにつれて、必要となる費用も大きくなっていきます。子どもの教育を考えて、公立ではなく私立の学校に通ったり、塾に通ったりすることも考えられるでしょう。万が一何かがあったときのためにも、貯金があった方が安心できることでしょう。
子育てにかかる費用はどれくらい?
では子育てに実際にかかる費用はどのくらいなのでしょうか。文部科学省が発表した「子供の学習費調査」の結果からご紹介します。
学習費(教育費)
子ども一人あたり、1年間にかかる学習費(教育費)の総額は、次のような結果となりました。
養育費
学習費の総額のうち、学校教育費以外でかかる費用は次の結果です。
公立に比べて私立の学校に通う子どもの場合、学校外活動費がとても大きく、特に私立小学校では、教育費以外の費用が年間65万8,000円にもなっています。
子育て世帯に必要な貯金額の目安
子育てでもっともお金がかかるのが、大学に通うときと言われています。学費が低い国立大学でも4年間でかかる費用の総額は約180万円。私立大学なら4年間で450万円もかかります。さらに遠方の大学ならば、これに加えて生活費もかかります。このような大金を一気に用意するのは難しく、子どもが小さいうちから少しずつ蓄えておくことが必要になります。
では子育て世帯で、子どもの大学進学時までにコツコツとお金をためていくためには、どのくらいの貯金額を目安にすればいいでしょうか。
年代別の貯金額の目安
20代 100万円
20代なら貯金を少し始める頃。学資保険などを利用して、早くから貯金の意識があれば、負担にならない金額で毎月お金を貯めていくことができるでしょう。
30代 300万円
30代になれば、大学進学時の500万円に向けて貯金額を少しでも増やしておきたいところ。
40代 500万円
子どもの大学進学がいよいよ間近に迫ってくる40代は、大学進学に必要な500万円近くの貯金があるのが理想です。
子育て世帯の貯金額の平均は?
では子育て世帯の貯金額は平均でどのくらいなのでしょうか。厚生労働省の「平成28年国民生活基礎調査」から、世帯主の年齢別にみた1世帯あたりの貯蓄額をご紹介します。
20代 154万8,000円
20代の貯蓄額は全体から見てももっとも低く、平均は154万8,000円でした。
30代 403万6,000円
30代になると20代から貯蓄額が大きく増え、平均額は403万6,000円になりました。
40代 652万円
さらに年収も増えてくるであろう40代については、貯蓄額はさらに増えて平均652万円という結果でした。
子育て世帯の貯金額の目標
子育て世帯の年間貯金額は、どのくらいを目安にすればいいでしょうか。上述した、子どもが大学進学時に500万円の貯金を貯めることを目標に、それぞれの年代別に算出してみましょう。
子育て世代の年間貯金額の目安
20代 25万円
20代では、まず貯金の癖をつけられるように少しずつ貯金をはじめてみましょう。年間では25万円ほどを目標にしたいところですね。
30代 30~40万円
30代では300万円ほどの貯金額があると安心できるでしょう。年間で30~40万円ほどを目標にしましょう。
40代 40~50万円
500万円の目標に向けて、年間では40~50万円ほどを目標にしたいですね。
貯金ができないとお悩みの家庭の貯金のコツ
毎月数万円であっても、子育てしながら貯金をすることは決して簡単なことではないかもしれませんが、コツをつかんで少しずつでも貯金を始めましょう。
目標金額を決める
なんとなく貯金するだけでは、お金は貯まりにくいもの。毎月の金額や年間の貯金額を決めることで、目標が明確になって貯金へのモチベーションも上がっていきます。
給料から天引きで貯金する
確実に貯金するのなら、給料から自動的に天引きされて積み立て貯金できるようにしておくのがおススメ。貯金分は引かれて、残ったお金だけで生活することができるので、貯金に手をつけてしまう心配もありません。
家計の収支も把握しよう
効率的に貯金するためには、家計の収支を把握しておくことは基本です。家計簿をつけることが苦手な方でも、アプリなどを利用して大まかにも家計の収支状況を把握すれば、削減できる出費項目を見つけられるかもしれません。
学資保険を利用しよう
子どもの教育資金を準備するなら、学資保険を利用することも考えてみましょう。毎月数万円程度をコツコツ貯め、満期になったら保険金を受け取る仕組みです。
貯金用の口座を作ろう
普段の生活費用の銀行口座と、貯金用の口座が一緒では、ついそこからお金を使ってしまうこともあります。ぜひ貯金用に別の口座を作り、そこに貯金は移動していくようにしましょう。
子育て世帯にはコツコツ貯金が大切
子育て家庭には、何かあったときのために貯金はやはり必要でしょう。しかし、子育てをしながら一度に大きな金額を貯金することは難しいものです。若いうちから毎月、少ない金額でもコツコツと貯金していくことが何よりの方法かもしれませんね。
文・構成/HugKum編集部