子どもの急な発熱で旅行中止!【飛行機・JR・新幹線・私鉄(特急)のキャンセル料まとめ】

子連れ旅行は家族の大切な思い出になりますが、小さい子どもが居る家庭では、子どもの体調不良で急に旅行をキャンセルせざるを得なくなる瞬間も少なくないはずです。そうなると気になる問題が、航空券や乗車券のキャンセル料。そこで今回は、航空券や乗車券の払い戻しルールについて、まとめてみました。

航空券の払い戻しのルール

最初に航空券の払い戻しルールを整理してみましょう。航空券の場合、チケットを購入した場所によって払い戻しのルールが大きく異なってきます。まずは旅行者がどこで航空券を購入しているのか、そのあたりから調べてみましょう。

マイボイスコムが行った「航空会社の利用に関するアンケート調査(第3回)」を見ると、航空チケットの手配方法は、

  • 1位・・・PCを使って航空会社のウェブサイトで購入(46.0%)
  • 2位・・・PCを使って旅行代理店のウェブサイトで購入(17.2%)
  • 3位・・・旅行代理店の店頭で購入(14.6%)

となっています。大まかに言って、航空会社から直接購入するか、旅行代理店で購入する人がほとんどだと分かります。そのため、今回は航空会社から直接チケットを購入した場合と、旅行代理店で航空券を購入した場合の2通りについて情報をまとめてみました。

航空会社から直接、航空券を購入した場合

航空券を航空会社から直接購入した場合のキャンセル料を整理してみます。大前提として覚えておきたいルールとして、

割引チケットほど、払い戻しの条件が厳しい

と覚えておきたいです。事前購入による割引などで安く手に入れたチケットは、その分だけ払い戻しの際にコストが発生します。

また、キャンセル料と一般的に言いますが、

キャンセル料=(A)払戻手数料+(B)取消手数料

と大まかに言って2種類のコストで成立しとも覚えておきたいです。AとBの合計金額で、キャンセル料が決まるのですね。

国内線の払い戻し

航空券の中でも、国内線のケースを整理してみましょう。大手2社の日本航空(JAL)と全日本空輸(ANA)のうち、比較的ルールが分かりやすいANAの例を先に紹介します。

ANAの国内線のキャンセル料:(A)430円+(B)チケットの種類、解約日時に応じる

一般的なチケットの場合、航空券購入後から搭乗日55日前までは(B)取消手数料は発生しませんが、キャンセルのタイミングに応じて、

  • 搭乗日54~45日前・・・運賃の約30%相当
  • 搭乗日44~28日前・・・運賃の約40%相当
  • 搭乗日27~14日前・・・運賃の約50%相当
  • 搭乗日13~出発時刻前・・・運賃の約60%相当
  • 出発時刻以降・・・運賃額の100%(※旅客施設使用料のみ返却)

という(B)取消手数料が発生しています。一方で高額・上位クラスの航空券を購入した場合、(A)払戻手数料は変わりありませんが、(B)取消手数料については、

  • 航空券購入後~出発時刻前・・・取消手数料は0円
  • 出発時刻以降・・・運賃の約20%相当

という払い戻しのルールが設定されています。

一方でJALの場合、

JALの国内線のキャンセル料:(A)430円+(B)大人普通運賃が小さい<大きい、割引率が小さい<大きいという関係で、段階的に取消手数料が大きくなる。出発前であれば、何日前かは問われない。

となっています。少し分かりにくいですが、普通運賃が大きいほど、あるいは割引率が大きいほど、取り消し手数料も大きく設定されています。JALの場合は、○○日前までのキャンセルで〇〇%といったルールはなく、出発前のキャンセルであれば条件は一緒。あとはどのような運賃の、どのような割引率の航空券を購入したかで、キャンセル料が決まるのですね。

スカイマークの場合、

スカイマークの国内線のキャンセル料:(A)500円+(B)キャンセルのタイミングによって決まる

というルールになっています。(B)取消手数料の具体的なルールは、

  • 航空券購入後~出発時刻まで・・・0円
  • 出発時刻以降・・・5,000円

になっています。割引チケットの場合、(A)払戻手数料は一緒ですが、(B)取消手数料は異なり、

  • 航空券購入日~30日前・・・4,000円
  • 29日前~出発時刻前・・・5,000円
  • 出発時刻以降・・・払戻不可

となっています。同社のチケットの中でも、セール航空券などは購入後の払い戻しが不可といったルールもあります。注意が必要ですね。

LCC(格安航空会社)に関しては、自己都合によるキャンセルの場合、払い戻しは全て不可になっています。家族旅行は人数も多いため、格安航空会社のチケットを買い求めなければ予算オーバーになってしまうケースは少なくないと思います。しかし、

安い航空券ほどキャンセルでは大きな負担が掛かる

と、肝に銘じておきたいです。

国際線の払い戻し

国際線はどうなのでしょうか。例えば国内大手2社のJAL、ANAに共通して、

JALとANAの国際線のキャンセル料=(A)0円+(B)航路とキャンセルのタイミングで決まる

となっています。例えば日本から米国のハワイにANAで向かうとすれば、(B)取消手数料は、

  • 出発前・・・無料
  • 出発後・・・支払い運賃から旅行済み区間に適用される運賃を差し引き、残額を払い戻し

となっています。出発後については補足が必要かもしれません。通常、海外行きの航空券は往復で買います。話を単純化して、日本⇔ハワイが往復10万円、往路が5万円、復路が5万円だとすれば、日本を出発しハワイに着いた段階のキャンセルでは、復路の航空券を使っていません。よって復路の5万円の分が戻ってくるのですね。JALも似ていて、(B)取消手数料に関しては、

  • 旅行開始前・・・無料、または設定がある場合、その設定金額
  • 旅行開始後・・・支払い運賃から搭乗済区間の運賃を差し引き、設定がある場合、差額から取消手数料を差し引いた金額、および未使用の税金・料金などを払い戻し

とあります。国内大手の航空会社から国際線の航空券を入手した場合については、キャンセルが出発の前か後かが重要で、「何日前までにキャンセルしなければ」といった心配をする必要はないのですね。

旅行代理店で航空券を購入した場合

航空会社からではなく、旅行代理店で航空券を購入した場合を考えてみましょう。旅行代理店は旅行者の代わりに航空会社から航空券を購入してくれますから、

キャンセル料=航空会社の(B)取消手数料+旅行会社の(B)取消手数料

を2重に支払わなければいけません。例えば旅行代理店の最大手であるJTBの場合、旅行代理店の取消手数料は、航空券1人につき7,560円と設定されています。

また、旅行代理店が航空会社から割安で仕入れた航空券を購入した場合、払い戻しが不可のケースもあります。子ども連れ旅行の航空券手配を旅行代理店にお願いする場合、キャンセル料については敏感に条件を確認した方が良さそうですね。

新幹線の乗車券を正規の値段で購入した場合

陸路の主な移動手段である新幹線のキャンセル料はどうなのでしょうか。新幹線に関して、自由席の場合は関係ありませんが、

指定席、グリーン席の場合は、出発日の2日前、出発時刻の2段階でキャンセル料(手数料)が変わってきます。

新幹線の自由席(正規の値段)

新幹線の乗車券は、基本的な知識として、

  • 新幹線の乗車券=(a)普通乗車券+(b)急行券

の2種類で成り立っています。JRのルールとして、普通乗車券、回数乗車券、定期券、急行券、自由席特急券、特定特急券、自由席グリーン券は使用開始前であれば、220円の手数料で払い戻しを受け付けてくれます。その意味で、

新幹線の自由席のキャンセル料:(a)普通乗車券の払い戻し手数料(220円)+(b)急行券の払い戻し手数料(220円)

と、440円で払い戻しを受け付けてもらえると分かります。何日前かに関係なく、出発前にキャンセルする必要がありますが、飛行機と比べて、かなり気軽にキャンセルができると言えそうです。

新幹線の指定席、グリーン席(正規の値段)

指定席、グリーン席のキャンセル料をまとめます。(b)指定席特急券、指定席グリーン券の払い戻し手数料は、

  • 列車出発日の2日前まで・・・330円
  • 出発日の前日から出発時刻まで・・・運賃の30%(ただし最低330円)

となっています。この金額を(a)普通乗車券の220円とプラスしますから、

新幹線の指定席、グリーン席のキャンセル料:(a)普通乗車券の払い戻し手数料(220円)+(b)指定席特急券、指定席グリーン券の払い戻し手数料(出発日の2日前まで330円、それ以降は運賃の30%)

となります。列車出発日の2日前までであれば、新幹線の指定席やグリーン席でも、合計550円の手数料でキャンセルできるのですね。

ただし、トクトクきっぷなど、各種割引価格で購入した新幹線の乗車券に関しては、厳しめのキャンセル手数料が発生します。

航空券と同じ鉄則として、安く手に入れた新幹線の乗車券は、キャンセル時の手数料も厳しめに設定されている

と肝に銘じたいですね。

私鉄特急電車の乗車券を正規の価格で購入した場合

最後に、私鉄各線の特急券のキャンセル料を整理してみましょう。関東を走る小田急電鉄のロマンスカーを例に挙げます。同社の鉄道は乗車前の場合、御殿場まで向かう路線以外であれば、

特急乗車券1枚につき100円で払い戻し

を受け付けてくれます(一部400円の手数料が発生する場合もあり)。御殿場まで向かう路線の場合は、さらに細かいキャンセルルールが設定されていますが、いずれにせよ、

鉄道は飛行機よりも比較的、キャンセル手数料が優しく設定されている

傾向があります。その意味で体調の変化が激しい子どもを連れて国内旅行を車以外でする際には、新幹線など鉄道を予約して、万が一のときにも柔軟にキャンセルできるようにしておくと、焦らないでも済むかもしれませんね。

文/坂本正敬 写真/石川厚志

 

[参考]

航空券の払戻手数料・取消手数料について – 全日本空輸

取消手数料・払戻について – スカイマーク

航空券の取消/払戻手数料について – 日本航空

変更・取消・払戻 – ピーチアビエーション

払い戻し – 日本航空

運賃規則一覧 – 全日本空輸

JTB よくある質問 – JTB

きっぷの払いもどし – JR東日本

特急券の払いもどし・変更 – 小田急電鉄

 

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