「育児サポートスキル」とは
「育児サポートスキル」は、Amazonが提供するAI音声アシスタント「Amazon Alexa」※1に対応した森永乳業とアイリッジ*が共同開発した育児テックのこと。
*アイリッジ……森永乳業がもつ大量の育児相談データや動画を含む離乳食レシピデータなどを、開発プラットフォーム「NOID」を使って、ノーコードでAlexaスキル化。
なぜ森永乳業が?
牛乳や粉ミルクを販売しているというイメージが強い森永乳業ですが、1975年から育児に関する無料電話相談窓口「エンゼル110番」を開設しており、2022年半ばには、その相談件数が100万件を超えることが見込まれているとか。
その「エンゼル110番」に寄せられた相談内容や育児コンテンツをデータ化し、Amazonが提供するAI音声アシスタント「Amazon Alexa」※1に対応した「育児サポートスキル」の開発をされたそう。これだけの歴史と実績がある森永乳業のサービスなら、信頼のおける心強いサポートですよね。
使い方は?
このサービスは、「Amazon Alexa」※1に対応した画面付きデバイスに対応していて、これらをお持ちの方は無料で利用できます。
今やスマートスピーカーの所有率は2割超えの21.6%。利用者のうち、子どものいる家庭は、48%も!忙しい子育て世代には、とても便利で活用されているようです。
※1 Amazon Alexa と Alexa スキル…Amazonのスマートスピーカーに搭載されたアプリ。第三者が開発可能な 機能 「 Alexa スキル」が備わっており、 Amazon 側の審査を通過すると AmazonAlexa スキルストアに公開され、 Alexa を搭載したデバイスに「アレクサ、○○(作成したスキル名)を起動して」などと呼びかけて使えるようになる。
どんなことができるの?
子育てをしていると、困ったことや心配なことなど、悩みはつきませんよね。しかも、病院が閉まっている夜に限って、赤ちゃんの具合が悪くなったり、あれやこれや考えてしまったり……。
しかし、Alexaなら、24時間いつでも相談にのってくれます!
育児相談
「アレクサ、育児相談をひらいて」
と話しかけると、相談したい赤ちゃんの月齢が出てきます。
月齢を選ぶと、「よくある相談」が表示されます。そこから、該当する悩みに役立つ情報を調べることができるのです。
また、ミルクの作り方(粉ミルクの調乳方法)を教えてくれるサービスも。初めて調乳する時やパパがひとりでミルクを作るときなど、手順が不安になり知りたいと思うときに大活躍しそうですよね!
作り方も映像で確認できます。
月齢別離乳食レシピ
離乳食レシピも豊富で、妊娠・育児情報サイト「はぐくみ」にて紹介しているレシピを月齢(5〜6ヶ月/7〜8ヶ月/9〜11ヶ月/12〜17ヶ月/18ヶ月)ごとに見ることができます。
例えば「アレクサ、5ヶ月6ヶ月の離乳食をひらいて」と話しかけることで、希望の月齢に合ったレシピを紹介してくれます。
今後もこの情報量を増やしていくとのこと。ますます子育て世代に役立つサービスになっていきそうで楽しみです。
開発者のきっかけは?
今回、このサービスを開発したのは、森永乳業ヘルスケア事業マーケティング部の青木陽さん。
ご自身にお子さんが生まれ、育児に積極的に関わる中、「今聞きたい!」「今確認したい!」と思うことがあったそう。しかし、子どもを抱っこするなど、両手が塞がりがちで、思うように調べることができず思いついたのが、Amazon Alexaを使ったサービスだったとか!
育児休業取得後、すぐさま上司に相談し開発に着手した青木さん。
共同開発のアイリッジ、企画・設計担当者の雲野智子さんは「AI音声アシスタントの特徴である『ながら』のシチュエーションを想定して設計しました。工夫した点は、赤ちゃんのお世話で両手が塞がっていてスマホに触れられない時、なるべく会話のキャッチボールを減らし、望む回答が即座に得られるようにしたことです」と語ります。
子育てがより快適にできるようにと考えてくださったのですね。
そして、「誰でも」「簡単に」使えるというのが、ポイント! 子育ては、誰か一人の仕事ではなく、「家族みんなで力を合わせていくもの」という認識がさらに増しそうです。
育児の不安を取り除いてくれるようなサービス
私には、4歳の息子がいるのですが、今回の取材を通して、生活の中で身近に感じる企業が私たち親を想い、よりよい生活になるように考えてくださっていることがよく分かりとても嬉しくなりました。
また、コロナ禍の今、人との接触を可能な限り避け、自宅で過ごしたいと思うことも多いと思います。そんなときに、力になってくれそうなサービスと感じました。
さらに、今年4月から育児・介護休業法が改正され、男性の育児休業取得を促進するため、「出生時育児休業制度」が新設されるなど、子育てや家族の在り方における多様化の流れは、今後さらに広がっていきそうです。
私の経験から言うと「男性にも積極的に育児を!」と思いながらも、余裕がなく上手く伝えることができず、夫婦喧嘩になることもしばしば。男性側から言えば、相談できる友達も少なくどうしていいのか分からず、つい女性に育児を任せてしまうということもあると思います。ですが、この「育児サポートスキル」があれば、誰でも、いつでも知りたいことを手軽に検索することができ、心強いと感じます。みなさんもぜひ試してみませんか。
文・構成/佐藤多恵