連日、猛暑が続いています。梅雨明けが東海や関東甲信地方で発表され、電力不足と節電を呼び掛ける電力会社と経済産業省の声も聞こえてきました。
こうなると、親子で食べたいスイーツの筆頭として、かき氷が登場してきます。ただ、かき氷のシロップはたいてい、買っても余ってしまいますよね。しかも、あの色がちょっと体に悪そうと感じる人も少なくないはず。
そこで今年は、身近な調味料を使った安心・驚きのかき氷レシピを試してみてはどうですか?
フルーツ×「みりん」を使ったかき氷シロップ
驚きのかき氷レシピとは「みりん」を使ったシロップです。
「みかん」ではありません。そうです、びっくり仰天、あの「みりん」です。すごく簡単なレシピで、恐らく想像を超えるおいしさを楽しめますので、ぜひ試してみてください。
- カップ1杯のみりん風調味料を用意(本みりんでも可。その場合は、加熱して煮切りアルコール分を飛ばす必要があり)
- お好みのフルーツをその中に入れる
- 電子レンジ(600W)で3分温める
- フルーツをつぶすようにスプーンで混ぜ合わせる
- 削った氷に、冷ましたシロップを好きなだけかける
アレンジのキモは「お好みフルーツ」!
筆者の場合はお好みのフルーツとして「コンビニ」で買った冷凍ブルーベリーを選択しました。
最初、黄色っぽかった調味料も、ブルーベリーを入れると変色が始まり、電子レンジで温め終えた時には、もう完全にブルーベリーの色素で紫に染まっていました。見た目は完全にブルーベリーシロップ。
スプーンでつぶすと、ブルーベリーの甘酸っぱい香りが部屋に広がります。唯一の難点は、温めたシロップを冷ます時間の長さだと思います。筆者の場合は1時間ほど常温で放置した上で氷にかけると、まだ温かかったのか、想定以上に氷が溶けてしまいました。
しかし、食べると、もうびっくり。シロップづくりに使ったみりん風調味料の原材料名を見ると、唯一の添加物として酸味料が入っています。そのため酸味を心配していましたが、くどすぎない、しかし確実に甘いさわやかなシロップに仕上がっていました。
もちろんほのかな酸味はありました。しかし、みりん風調味料ではなくブルーベリー由来だと予想されます。さらに、この手づくりシロップの良さは、果肉の食感だと思います。お祭りなどで食べるかき氷では絶対に味わえないぜいたくな気持ちを楽しめましたので、子どもには食育の面でもプラスではないでしょうか。
もっと甘みを強くしたければ、フルーツのチョイスで甘さを調整できます。シロップづくりを子どもと一緒に楽しんでもいいかもしれませんね。
マンゴーまたはブルーベリー×みりん風調味料が最良のペアリング
そもそも、みりん風調味料が、どうしてかき氷のシロップになるのでしょうか。
かき氷シロップのレシピを情報発信していたキング醸造株式会社(兵庫県)のマーケティング本部・竹山さんに問い合わせてみると、次のような回答がありました。
みりんは、水あめ(糖類)、米・米こうじの醸造調味料、酸味料などが主な原材料で、アルコールをほとんど含まない(1.0%未満)甘み調味料なので、アルコールを飛ばす手間も要らず、子どもでも安心して食べられるシロップになるのだとか。
竹山さんいわく、シロップづくりでお勧めのフルーツは、手軽さと味わいを考えると、
・冷凍マンゴー
・冷凍ブルーベリー
が筆頭との話。かき氷シロップにあまり見ない味としては、
・グレープフルーツなどのかんきつ類
も、さっぱりとした味わいが夏に適していると教えてくれました。かんきつ類の場合は、カップ1杯のみりん風調味料に混ぜ合わせ、一晩寝かせておくだけでいいとのことです。
本みりんとみりん風調味料の違いトリビア
上述したとおり、本みりんを使う場合は、加熱して煮切りアルコールを飛ばす必要があります。その点、アルコール分を飛ばす手間が必要ないみりん風調味料のほうが手軽な印象です。
ちょっとしたトリビアとして、本みりんの販売には酒類販売免許が必要だとの話。今から50年以上前は、みりんは酒屋でしか販売されていなかったみたいです。もちろん「お酒」ですから酒税もかかります。買う側からすれば、値段が高い上に買い求めにくいため、不便を感じる人も少なくありませんでした。
そこで、キング醸造が1960年(昭和35年)に「新しいみりん」としてみりん風調味料を手ごろな価格で販売し始めます。もはやお酒ではないため、酒屋以外でも扱えるようになり、広く普及したのですね。
料理の仕上げや加熱しない料理(サラダなど)の味の調整、お菓子のシロップとしても使えます。かき氷のシロップづくりで調味料が余ったら、さまざまな場面で残さず使い切ってくださいね。
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文・写真/坂本正敬 取材協力/キング醸造株式会社