『ザッケン!』を参考に、身近な植物を使って自由研究をしてみよう!
今話題の『ザッケン!』というマンガをご存知ですか?高校生の女の子達が「雑草研究部=ザッケン」を復活させたいと奮闘する姿が楽しく、そして青春を感じられる爽やかなストーリーです。
ストーリーを楽しく読み進めながら植物の知識も自然と学べちゃうのが、このマンガのすごい所!コミックスは全てルビが付いているので、小学生からでも読めるようになっています。
我が家で『ザッケン!』を初めて一緒に読んだ時、「この草、ぼくの通学路にいっぱいあるよ!」「これは公園でいつもみるやつ!」と息子たちの反応が予想以上に大きかったことに驚きました。
そこで、マンガで紹介されている「身近な植物」の新たな一面を知るべく、「ザッケン!」ごっこにチャレンジしてみます!
ドクダミで「ドクダミチンキ」作りに挑戦
かたちはハートのようで可愛いけれど、独特の匂いが特徴のドクダミ。今回は、このドクダミを使ってマンガに登場していたレシピを見ながら、ドクダミチンキを作ってみることにしました。
「ドクダミチンキ」とは、ケガや虫刺されの時につけるお薬のようなものです。そういえば私も小さい頃に転んでケガをした際、おばあちゃんに「ドクダミを揉んで付けとけば大丈夫よ。」と言われていた記憶があります。当時はその独特な匂いがどうしても好きになれず逃げまわっていましたが、あれから数十年の時を経て、改めて息子と「ドクダミチンキ」作りに挑戦してみます!
①ドクダミ探しからスタート!
公園でよく見かけていたはず…と思っていたドクダミも、いざ探すとなかなか見つけるのに苦労しました。道端で「あった!」と思っても、誰かの家の敷地だったということが多々ありました。そうです、ドクダミは直射日光に照らされる場所よりも、むしろ半日陰を好むのだそうです。そして湿り気のある場所によく生えるということで、家の陰になっているようなところでたくさん見かけたのです。
ようやく公園で見つけた場所も、他の雑草にまぎれてやや陰になっているような場所でした。
なかなかパッと見ただけではドクダミと気づきませんでしたが、「もしや?」と思い、ちぎって匂いを嗅いでみるとすぐに確信しました。葉はハートのようなかたちをしていて、茎は紫のような色をした部分もあります。抜こうとしてみるも、なかなかスッといきません。
調べてみると、ドクダミは土の中に地下茎を縦横無尽に張り巡らせているのだそうです。だから、表面だけブチッと取ってもどんどん生えてくるという、強い生命力をもった植物なのですね。
この摘んだ手もドクダミのいい匂いに…。
②ドクダミをすりつぶす
こちらが収穫してきたドクダミです。およそお茶碗一杯分取れました。こちらをすりつぶしていきます。
我が家にはお茶っぱを粉砕するミルがあったので、こちらを使用しました。すり潰すことが出来ればいいので、すり鉢とすりこぎでも同様に出来そうです。
ドクダミの葉がこのように細かくなりました。
③すりつぶしたドクダミを患部に貼り付ける
すりつぶして細かくなったドクダミを、早速患部に貼り付けていきます。
ドクダミをすりつぶして更に絞り、その汁を塗り付けるという方法もマンガ内に載っていたのですが、汁が絞れるほどたくさんのドクダミが収穫できなかったので、今回はすりつぶした葉をそのまま利用する方法にしました。
今回ドクダミチンキを試すのは、こちらの虫刺されです。おそらく、ついさっき蚊に刺されたのだと思います。写真を見てお分かりのようにぷっくり腫れて赤くなっていますね。とてもかゆいです。
ガーゼにすりつぶしたドクダミの葉を載せます。
それを医療用テープで固定しました。ガーゼ、医療用テープはともにドラッグストアに販売していましたよ。
5分ほどしてはがしてみると、赤みや腫れはそのままでしたが、痒みがすっかりおさまっていました。これにはびっくり!
自分だけだと気のせいかも知れないと思い、息子にも同様に蚊に刺された箇所に試してみましたが、やはり痒みがスウ〜っと引いていくようで驚いていました。半信半疑でやってみたのですがちゃんと効果があるようです。
ドクダミの葉をホワイトリカーに漬けて虫除けスプレーに
ドクダミの葉の活用法は他にもたくさんあるようです。この写真のように空き瓶にドクダミの葉を入れ、ホワイトリカーに1ヶ月ほど漬け込むと、天然の虫除けスプレーが作れるそうです。ドクダミのパワー、恐るべしですね!
ドクダミのパワーの秘密とは?
ドクダミがケガや虫刺されのお薬になったり、虫除けスプレーになったり…普段何気なく横を通り過ぎていたドクダミのことについて、ちょっと知りたくなりませんでしたか?
実はドクダミは日本の三大薬草の一つと言われています。「毒を矯める(正しく治す)」ことから、ドクダミの名がついたという説もあります。ドクダミの葉を乾燥させたものは10個もの効能がある「十薬(ジュウヤク)」という生薬として、利尿作用・動脈硬化の予防・解熱や解毒に利用されているのですよ。
独特の匂いの成分はデカノイルアセトアルデヒドといい、これには強い殺菌作用があるそうです。ただし乾燥させるとこの作用は失われてしまうようです。このほかにもクエルシトリンという利尿作用・便通改善効果のある成分、ケルセチンという抗酸化作用のある成分が主に含まれています。
身近な植物も、こんなすごいパワーを秘めているんだということをお子さんと一緒に調べてみると、とても楽しいと思います。実際に我が家の息子たちも、普段よく目にしている植物だからこそ、自らどんどん食い入るように興味を示してきました。今回のドクダミチンキや虫除けスプレー作りのように、何か植物で作ってみるのも実験のようでとても楽しかったと言っていました。皆さんも、この夏の自由研究として、身近な植物をテーマにしてみるのはいかがですか?
文・構成/小島有里 監修/中尾佳貴
※ドクダミの皮膚への直接の使用はアレルギー・
「ザッケン!」いまなら1話試し読みも!>>
https://shogakukan-comic.jp/book?isbn=9784098510870
雑草研究部、実際に存在します。
彼らの活動を取材で見学させていただいている間、とてもワクワクしました!
足下に広がる植物たちの世界を研究する高校生たちを丁寧に物語に紡いでいるのは、『蒼のざらざら』、『書くが、まま』の映画監督・上村奈帆氏。
その原作を、植物の細部にまでこだわって作画しているのが、アーティストとしても活動盛んなプクプク氏です。
また、自然農の実践家でもある中尾佳貴氏に植物監修をしていただいています。
読み終わった後、外に出て雑草を観察したくなる。心を動かす作品です。
漫画「ザッケン!」で自由研究
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