ネコジャラシってどんな植物なの?
私たちがネコジャラシと呼んでいるこの草。公園や道端でもとてもよく見かけますよね。正式名称はエノコログサといい、イネ科の野草です。どうりでお米の稲のような形をしているのですね。ふわふわとした形が可愛らしいですが、とても強い生命力があり、アスファルトの隙間から生えていることも多いです。一年草ですが、特に夏にはグングンと茂っている姿を目にしますね。猫がじゃれることからネコジャラシという呼び名がついていますが、正式名称のエノコログサの由来は犬の尻尾のようだから、というところからきているそうです。同じ植物に猫と犬のどちらも由来の呼び方があるのは、とても面白いですよね。
ネコジャラシでお茶を作って飲んでみよう!
ネコジャラシを使ってお茶が作れることをご存知ですか?ちょっと驚きですが、イネ科ということやその形から考えても、確かにお茶にできそう!玄米茶や麦茶のように美味しく出来るかな?
①摘んできたネコジャラシを乾燥させよう
ネコジャラシは束ねて、風通しの良い場所で2,3日かけてしっかりと乾燥させましょう。段々と穂の色が鮮やかな緑色から、黄色っぽくくすんだ色へ変化していきます。手で触って、カラカラな感じになったらオッケーです。
②ネコジャラシをフライパンで煎っていこう
ネコジャラシを細かくカットしてフライパンに入れます。今回は葉や茎の部分は使わずに、穂の部分のみ利用しました。この時タネがパチパチ飛ぶのでご注意下さい。
しばらく火にかけると、このような茶色になってきます。お茶っ葉などが焙煎されているイメージに近づいた感じがしますね。この時点ではキッチンは香ばしくいい匂いで一杯に。子ども達も、「なんだか美味しそうな匂いがする〜」と興味津々!
③ネコジャラシにお湯を注ぎ、お茶にしよう
煎ったネコジャラシにお湯を注いでお茶にしていくわけなのですが、最初に思いついた方法がこのコーヒードリップ式です。コーヒーフィルターをセットして、そこにネコジャラシを入れてお湯を注ぎました。
しかし、この方法だとお湯が一瞬しかネコジャラシに触れないために、明らかに色の薄いお茶が出来上がりました。匂いを嗅いでも、お湯とあまり変わらないような…。
そこで日本茶方式に変更。急須にネコジャラシを入れ、お湯を注ぎ蓋をしてよく蒸らしました。
こちらはどうでしょうか…?結果は、先ほどのものより、やはり色が濃いものに仕上がりました。しかし、ネコジャラシのクズも一緒にお茶の中に入ってしまったので、一度濾しました。
こちらが濾して綺麗にしたネコジャラシのお茶です。麦茶のようには濃い色ではありませんが、確かにお茶のような色がついているのがお分かり頂けるかと思います。このほかに、お鍋でグツグツと煮出すのも良い方法だそうです。
④ネコジャラシのお茶を飲んでみよう
では早速飲んでみます。匂いはとても香ばしい匂いで、玄米茶に近い感じがしました。そしてお味はというと、どこか確かに野草っぽさが感じられました。でも、お茶として出されれば納得のものが出来上がりました。
子どもにも飲んでもらいました。ゴクゴク…
う〜ん…
結構おいしい!とまあまあ評判が良かったです。
こちらはネコジャラシがお茶になるなんて信じられなくて、ずっと飲むのを怖がっていた長男。
おそるおそる飲んでみたら、思いのほか飲みやすかったそう。苦みのようなものは一切ないので、お子さんも飲めるお味だと思います。
いつも公園で見かけるネコジャラシからお茶が出来た!
ネコジャラシは野草の中でも、特に馴染みが深いものだと思います。それがなんと手を加えることで、お茶に変身するとはとても面白いですよね。身の回りの野草にも色んなパワーがあり、特徴を持っているんだということが実感できますね。ネコジャラシを摘むところから始まり、全ての工程において実験をしているようで、親子でとても楽しめました。皆さんも自由研究のアイデアとして身近な野草にふれあってみるのはいかがでしょうか?
文・写真・構成/小島有里 監修/中尾佳貴
※採取する植物は、
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https://shogakukan-comic.jp/book?isbn=9784098510870
雑草研究部、実際に存在します。
彼らの活動を取材で見学させていただいている間、とてもワクワクしました!
足下に広がる植物たちの世界を研究する高校生たちを丁寧に物語に紡いでいるのは、『蒼のざらざら』、『書くが、まま』の映画監督・上村奈帆氏。
その原作を、植物の細部にまでこだわって作画しているのが、アーティストとしても活動盛んなプクプク氏です。
また、自然農の実践家でもある中尾佳貴氏に植物監修をしていただいています。
読み終わった後、外に出て雑草を観察したくなる。心を動かす作品です。
マンガ「ザッケン!」で自由研究
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