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自閉症の8歳の息子。なんでも口に入れてしまうクセがあり、困っています
今年8歳になる息子が、何でも口に入れるクセが激しくて困っています。自閉症の診断を受けており、おそらくより強い感覚刺激を求めての行動だと思うのですが、どう対応したらいいのか迷っています。あごや歯の力も強くなってきたことで、乳幼児期に比べるとものが壊されてしまうことも多く、困り感が増しています。このような、「何でも口に入れてしまう子」へどう関わればいいでしょうか。また、口周りに強い感覚刺激を求める子どもの気を逸らせるような、「ものを口に入れる」以外の方法などがもしあれば、知りたいです。(8歳・男児の母)
気になるものを口に入れて確認しているのかもしれません、他にも考えられる理由は色々とあります
私たちは普段、目で見て、手や指先を使ってものの感触を確かめます。ですが、赤ちゃんの頃は、気になるものを何でも口に入れて確認する様子が見られます。
見たり、触ったりするだけでは対象がどんな肌触りや質感、柔らかさをしているのかがわからない、手先をうまく使えない、指先の感覚がまだ充分に発達していない、などの理由で、口に入れて気になるものを確認していると考えられます。
赤ちゃんにとって、手先だけを使うよりも、鋭敏な口の中や舌の感覚器官を使うと確認しやすくなります。また、刺激そのものを感覚あそびのように楽しんでいる、歯が生えかけのむずがゆい感覚が気になるので噛む刺激を欲している、などの場合考えられます。
そのため、赤ちゃんだけではなく発達がゆっくりのお子さんにとっては、
・新しい感覚刺激である
・遊びのレパートリーがまだ少ない
・退屈を感じている
などの場面でものを口に入れる行動が見られやすいようです。
手指を使うより、口の中に入れて確認したほうが早いと感じているのかも?
一般的な発達では、世界を探索する役割は目で見ることや手で触ることへと移行していきます。次第に、口は食べること、しゃべることに使うものになっていき、口にものを入れることは減っていきます。
発達がゆっくりなお子さんのなかには、口での探索や確認をする時期が続くことがあります。
手指がまだ上手に使えない段階であるとすれば、口の中を使うほうが早いと感じているのかもしれません。
手で触れた感触と口のなかで感じる感触を一致させていくことで、手先の運動面・感覚面の発達を促してあげるとよいでしょう。
衛生面に留意しつつ、手づかみ食べなど手と口の両方を同時に使う経験を積ませてあげるとよいですね。
また、手や身体全体でいろいろな質感・感触を経験していくことも、感覚を育てるのに役立ちます。
詳しく知りたい方は作業療法士(OT )の先生に相談してみてください。
安心を求める行動の場合はやみくもに禁止せず、療育グッズなどを活用して
必ずしも口での探索のためではなく、なんとなく習慣になっていたり、安心を求めるため、イライラをしずめるために口にものを入れるお子さんもいます。
ただやみくもに禁止することでうまくいかない場合は、丈夫で安全なゴムチューブや鉛筆キャップなど、噛む専用の療育グッズなどを活用し、口に入れてもよい対象を限定していくかかわりが有効なこともあります。
退屈なときにものを口に入れてしまうお子さんには環境調整も大事
お子さんを観察していると、退屈な時や何をしてよい時間なのか分かりづらいときに、ものを口に入れることもあります。
スケジュールや活動の流れを目で見て示してあげる、指示の理解が難しいときには目の前でお手本を見せてあげるなど、環境を整えてあげてください。
また、時間を持てあましているときに、お子さんの興味関心に合わせて水時計やプッシュポップ、ポップチューブなど、楽しく遊べる「待ち時間用のおもちゃ」を提案してあげるのもよいかもしれません。
こちらの記事では奈々先生に「子どものことばの育み方」を伺っています
記事監修
取材・構成・イラスト/べっこうあめアマミ(https://twitter.com/ariorihaberi_im)