今の保護者会は学校からの連絡がメイン
まずは、ここ2、3年の保護者会の特徴をチェックしてみましょう。現在お子さんが小1から小3の場合は、入学したころからコロナ禍での学校生活 です。
保護者会もできるだけ密を避け、短時間での実施となっています。
学校からの連絡事項を聞く会になっている
最近の保護者会は、学校から連絡事項を聞くことがほとんどです。
12月の保護者なら、2学期の子どもたちの様子、冬休みの宿題のこと、通知表のこと、冬休み中に準備しておいてほしいものなどが話題に挙がるでしょう。
コロナ禍の対策として、「保護者会を行う場合はできるだけ短時間で済ませること」とされています。ですので、学校から最低限の連絡事項を伝え、質疑応答するだけで終わることがほとんどです。
オンラインの保護者会もデフォルトに
2年前は、緊急事態宣言が解除された後も外出自粛の傾向で、集合での保護者会はなかなか行えませんでした。
それでも、学校からお伝えすることはたくさんあり、Zoomなどオンライン会議アプリを使ったオンライン保護者会を自治体も多くなりました。
オンラインなら、密になることもありませんし、ご自宅からも参加できます。また、どこにいても参加できますので、職場でお仕事をしながら参加する方、ご夫婦でそれぞれの端末から参加する方もいます。カメラをオフにして音声のみで参加するなど、いろいろな参加の仕方が選べますね。
現在は、保護者が学校に集まる従来型、オンライン、リアルとオンラインの同時並行型など、いろいろな形の保護者会があります。
親が保護者会に出席できなくても、お子さんが学校生活で困らないような配慮がされている
保護者会が行われるのは、子どもたちが下校した後、つまり平日の午後がほとんどです。そうなると、お仕事中の方は参加できないことも多いですよね。
ご家庭の様子に合わせて、最近の保護者会では必要な連絡事項は、ほぼ全て保護者会資料に書かれています。例えば、ご家庭で準備するもの、書類の提出期限、冬休みの宿題の進め方など、資料を読めばご家庭で困らないように、配慮されています。
対面の保護者会では、それに加えて、実物を見ながらお話を聞けるのがメリットです。
例えば、資料に「1月までにご家庭で縄跳びを準備してください」と書かれているとします。対面の保護者会では、おすすめの縄跳びの種類を見たり、長さ調節の仕方を実演してもらったりします。
親同士で交流する時間はほとんどない
先生からのお話がメインなので、親同士で交流する機会はほとんどありません。
その他の学校行事も親が参加するものは少ないので、せっかく同じクラスになっても、顔や名前を知らないまま1年間がすぎることも。
幼稚園や保育園の頃は、送り迎えや行事のときに親同士が顔を合わせることも多くありましたが、小学校ではそんな機会がぐんと減ります。
数年前の保護者会はどこが違ったの?
お子さんが低学年の場合、以前の保護者会の様子をご存じない方も多いですよね。実は、以前の保護者会には、親同士が知り合う機会が多くあったのです。
お子さんの教室にみんなで集合!自己紹介や一人一言コーナーも
コロナ前、オンラインの保護者会はほとんどありませんでした。毎回、学校に集まっての実施です。机を向き合わせたり、フルーツバスケットのようにいすだけで丸くなったりして、顔が見えるように実施していました。
クラス替えしたばかりの保護者会では、「鈴木○○の母の、鈴木△△です。よろしくお願いします。」と自己紹介をしていました。
「最近仲良くしてもらっている○○くんのママだ。後でごあいさつしておこう!」とコミュニケーションのきっかけになっていました。
また、時間があるときは「一人一言コーナー」も。『うちの子のすてきなところ』『最近子育てで困っていること』などのテーマに沿って、一人一言で話していました。大勢の前で話すのはあまり好きじゃなくて…と控えたがる方もいましたが、こちらも交流の1つになっていました。
先生からの連絡の後に、保護者同士の座談会や茶話会をしていた
先生からの連絡事項があるのは、今も以前も同じです。以前は、連絡の後に親同士が交流できる時間が多く設けられていました。
座談会では、「どうやって宿題に取り組ませてる?」「子どもがお友だちとケンカしたとき、どう接してる?」「お小遣いについて」など、その学年に合わせたテーマを設け、親同士で情報交換していました。
特に高学年になると、学校のことを家で話さない子が増えてきます。親同士で情報交換することで、「そういうやり方もあるんだ!」「うちの子が言ってたのはこれのことだったのね」と納得できるころが多くあるようでした。また、スクールカウンセラーや保健の先生に来てもらってお話を聞いたり、年度末にはお菓子とお茶を用意して茶話会をしたりしていました。
子どもの机の中や、廊下に貼られたものを見て学校生活を垣間見られた
教室に集まると、自然と教室内の様子を見ることができます。教室の後ろや廊下に掲示された絵や作文を見ると、子どもの学校での様子を知るヒントになります。また、子どもの机や道具箱の中を見ると、くしゃくしゃになったプリントや探していたハンカチが見つかることも!
筆者が担任していたご家庭の中には、「道具箱の中がえんぴつの削りカスだらけでぐちゃぐちゃだった」「しょっちゅう消しゴムをなくすと思っていたら、机の奥からたっぷり出てきた」なんてこともありました。
ママ友付き合いは大変なイメージ!? 親同士が知り合っておくと、メリットもたくさん!
ここ数年は、親同士が知り合う機会が減ってきています。保護者会の変化だけではなく、コロナ禍で対面での交流自体が減った影響と考えられます。
“親同士の交流”というと、“ママ友づきあいは面倒なイメージで…”と感じる方もいるかもしれませんね。しかし、親同士で知り合っていると、ちょっとした困りごとのときにも助け合えるケースがあります。
「明日の持ち物は?」ちょっと知りたい時、親同士で助け合える
子どもが連絡帳を書きそびれたとき、体調不良で欠席したときなど、「明日の時間割は?」「宿題のページがわからない!」というケースもありますよね。学校に連絡しても良いですが、親同士のLINEならサクッと解決できるかもしれません。
また、「学校からのお便りを、誤って親が処分してしまった!」なんてときにも、写真で送ればすぐ解決できます。
「習い事、宿題、門限…」親同士で情報共有できる
幼稚園・保育園の頃には、お迎えのついでに立ち話で話していたことも、小学校に入るとなかなか話す機会がありませんよね。
「どこの公園で遊んでる? 門限は何時にしてる? 週に何回位習い事してる?」などちょっとした情報共有から、新しい情報が得られることも!
子ども同士のトラブルのとき、親同士が知り合いだと解決がしやすいことも
毎日30人ほどのクラスメイトと過ごしていると、意見の食い違いやけんかも起こります。子ども同士ですぐに仲直りができれば問題ないのですが、時には相手のものを壊してしまったり、力が余ってけがをさせてしまったり…。そんなとき、相手が全く知らないご家庭の子だと、どう連絡していいか、どう関わったらいいか、考えてしまいますよね。
「厳しい方だったらどうしよう…」なんて変な想像をしてしまうこともあるかもしれません。相手が知り合いの方なら、真摯に対応することは変わりありませんが、対応するときの気持ちのハードルは下がるという方が多いようです。
保護者会や行事を、親同士の交流のきっかけに
幼稚園・保育園の頃と比較すると、ただでさえ様子が見えにくい小学校生活。参加できる学校行事も少ないため、お子さんの学校での様子を知る機会は限られていますよね。
保護者が参加できる行事や保護者会にはできるだけ参加するようにしましょう。
お子さんの仲の良い子の名前を聞いておいて、その保護者がいたら声をかけるなどすると、交流のきっかけになるかもしれません。
また、同じ幼稚園・保育園だったお友だちが誰かと話している輪に入っていくと、そこからまた新たな関係ができていくこともあります。中には、PTA活動で保護者同士の知り合いができたという方もいらっしゃいますよ。
保護者会をはじめ学校公開や行事など、子どもの様子を知る機会、親同士の交流の機会は貴重ですから、大切にしていきたいですね。
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文・構成/yurinako