自分が「男」か「女」か悩む子ども、親の関わり方は【家庭でできる性教育】

性教育? うちの子にはまだ早い。そんな気持ちから、子ども時代から始まっている性やジェンダーに関する悩みを見過ごしているかもしれません。性やジェンダーの問題は早いうちに、正しく意識することが大事です。
性に関する社会問題の解決を目指すプレイリー株式会社の岩川龍之介さんに、そのポイントをうかがいました。

悩み①  学校で「男」か「女」か、どちらかに分けられることに生きづらさを感じている

いきなり落とし所を見つけるのは難しい。まずは安心してもらおう。

いわゆる性自認の問題です。「男」「女」という世間からのレッテルに対して、本人が違和感をもっていることもあります。

つらいときは、親がいくら対処方法を提案しても、なかなか冷静に考えることができません。まずは、子どもへの理解を示し「話してくれてありがとう。辛かったんだね。」など寄り添う言葉をかけてあげましょう。

親自身、戸惑うこともあると思います。すぐに受け入れることが難しくても、受け入れようとしている姿勢を見せるだけでも子どもは安心します。例えば、同世代の悩みが書かれた記事や本、タレントの声を子どもに紹介することも1つの方法です。子どもが他の人の体験談を通して「自分だけではない」と安心するだけでなく、親は味方であることを伝えることができます。

また、身近な地域にある当事者コミュニティーを探してみるのも良いでしょう。それらに参加する・しないにかかわらず、学校以外に自分を受け入れてくれる場所がある安心感を持つことができます。

そうした上で「自分が自分らしくいられる価値観ってなんだろう?」と一緒に考えてあげましょう。そこではじめて、学校のあり方について考えてみるのも遅くありません。焦って、カミングアウトする必要もないのです。

幼い頃から親がしてあげられること

●子どもの「好き」を否定しない

「男の子(女の子)なんだから…」と決めつけず、人と違ってもいいんだという自尊心を育ててあげましょう。

例えば、男の子がピンクの洋服を選んだり、女の子が戦隊モノのおもちゃを欲しがったときに、親が否定的な言葉をかけていませんか?  男だから、女だからという固定的なジェンダー観にとらわれず、子どもの選択を尊重してあげましょう。

●親がLGBTQ+を否定しない姿勢を見せる

例えば、テレビでLGBTQ+の話題を子どもと一緒に見ているときに、否定的なことを言ったり、からかったりしないようにしましょう。

性は多様なもの」という姿勢を普段から子どもに見せることで、子どもが自分の性に違和感を感じたときに、親に相談するハードルを低くすることができます。

LGBTQ+とは?

レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーの頭文字に加え、Qはクエスチョニングとクィアの2つの頭文字を意味します。

クエスチョニングは、自分の性や好きになる性の対象が「わからない」「(意図的に)定めていない」状態を指します。クィアは、性を男女などに分類することなく自由であるといったニュアンスを持ちます。+はLGBTQの他にも表現し得る、性の多用性を示唆しています。

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記事監修

岩川龍之介さん|プレイリー株式会社  代表
福岡のセックスの人、社会起業家。
SNSを通じた出会いの中でクラミジアに罹患し、「性」を取り巻く社会課題に関心を持つ。それらを解決するサービスや仕組みを作りたいと2020年12月にプレイリー株式会社を設立。
「自分の性を好きになれる世界に」を掲げ、性行為が好きでも嫌いでも、どんな人を好きになってもなれなくても、あらゆる人が自分の性のあり方を好きでいられる世界を作るためにさまざまな取り組みを行う。

取材・文/村上詩織

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