【上野】「国際子ども図書館」は親子で楽しめる超穴場スポット!動物園の後に寄るのもオススメ

子どもの「見る」「知る」「感じる」といったさまざまな感覚を満足させてくれる上野エリア。今回ご紹介するのは「国立国会図書館国際子ども図書館」です。
広い館内には子ども向けの本がたくさんあり、ゆったり時間を過ごせるのでオススメです。職員の方に「図書館を楽しむ秘訣」についても教えていただきました。上野といえば動物園がメジャーですが、穴場スポットなので是非チェックしてみてくださいね!

上野エリアでプラスしたい親子にオススメのスポットとは?

上野駅の「公園口」改札を出ると目の前に見える「上野動物園」の看板。動物園まで続く広い一本道は、ベビーカーや手を引いた子ども連れにも優しいスポットです。上野といえば「上野動物園」や「国立科学博物館」が有名かもしれませんね。私も子どもと何度も訪れています。

今回は、「国立国会図書館国際子ども図書館」をレポートします。子どもに本を読んでほしい。そう思うお父さん・お母さんにとてもおススメのスポットです。

「国際子ども図書館」とは

上野動物園へ向かう一本道をやや右寄りに進むと見えてくる木々のトンネル。陽射しを遮ぎり、涼感を感じながら進んでいくと、左には「東京藝術大学」そして右側にはヨーロッパを思わせる高級ホテルのような東京都の歴史的建造物にも選ばれている国際子ども図書館が見えてきます。

明治、昭和、平成の建築が融合したレンガ棟

国際子ども図書館は、国立の児童書専門図書館で、役割はこちらの3つです。

  • ●児童書専門図書館としての役割
  • ●子どもと本のふれあいの場としての役割
  • ●子どもの本のミュージアムとしての役割

この役割を果たすべく、明治39年(1906年)に帝国図書館として建てられた建物を保存・再利用し、2000年に開館しました。

外観・内観ともに歴史を感じられる建物です
利用者の憩いの場となる中庭を中心に、レンガ棟とアーチ棟の一体感が生まれています

「国際子ども図書館」の親子での楽しみ方

国際子ども図書館は、国内外の児童書を幅広く収集し、保存しています。図書館内で本を読むことはもちろん可能ですが、公共図書館のように、個人の方への館外への貸出しは行っていません。一方、図書館等には、本を貸し出す仕組みがあるとのことです。国立の図書館独特の仕組みに驚かされました。

国際子ども図書館には、特色ある2つの子ども向けスペースがあります。それが「子どものへや」「世界を知るへや」です。

入り口には可愛らしい案内板がありました

子どものへや

主に幼児から小学生が楽しめる子どものへやには、約1万冊の本があります。円形のテーブルを真ん中にし、内側にはフィクション、外側には知識の本が子どもの目線の高さに合わせて並んでいます。天井はとても明るく、どこの席に座っても、影ができにくい設計になっているのも子どもが本を読むのに適した環境です。

本に囲まれている中央のテーブルは、目線をあげれば「本」が見え、本が近くに感じられました。

世界を知るへや

子どものへやの隣にある「世界を知るへや」には、世界の国や地域の地理、歴史、文化を紹介する本や、約120の国・地域から収集された本、約2000冊を読むことができます。訪れたことがある国や地域の本を探してみたり、それぞれの国・地域の文化によって挿絵や内容に違いがあるのを発見できたりと、「国際理解」「多様性」を感じることができる部屋でもあります。

 

絵を眺める、比べて違いをさがすだけでも国際理解への大きな一歩です

その他にも、本のミュージアムやホールで展示会が開催されていることもあり、親子で楽しめます。

図書館を子どもと120%楽しむ秘訣

国際子ども図書館を120%楽しむために、職員さんにお話を伺いました。

「こんな本を読んでみたい。どんな本が面白そうか?季節のテーマに合った本は何か?と迷ったときは積極的に職員に聞いてください」とのこと。

子どもが選んだ本ももちろんいいですが、悩んでいたり、新しい分野の開拓をしてみたいときにはプロにアドバイスをいただけると心強いですね

探している本の周りにはどんな本があるか見てみよう

また、探している本の近くにどんな本があるか、お子さんに声かけをしてみることもオススメだそうです。同じテーマの本でも視点が違っていたり、受ける印象が違ったりする場合があります。一つの視点に縛られない柔軟な考え方も身に付きそうです。

子どもに本を読んでほしいと思ったらしてほしいこと

「本は楽しい、おもしろいと思ってもらうこと」が、第1歩とのことです。そのために親の私たちができることを、教えていただきました。

幼児期は、積極的におはなし会などの「本が読まれている場」に参加するのもいいとのことです。また、読み聞かせは子どもから「もういい」といわれるまでずっと続けるのがいいそうです。
ひらがなが読めるようになったんだから、自分で読んだ方が学びになるのではないか?と思っていた自分を反省しました。読めることと理解することはイコールではなく、子どもは絵を見て理解し、楽しむ。その時間が大切なのですね。

小学生になると、自分の意志もはっきりしてくるので、「無理強いしないこと」が大切だそうです。そのためにも、一方的に本を与えるのではなく、学校や図書館にある「ブックリスト」などを活用し、本を借りたり買ったりしながら親子で一緒に読書を楽しむ時間が取れると、本に触れる機会が自然と増えるとのことです。

この夏は上野の「国際子ども図書館」に行ってみよう

本のミュージアムやホールでは、様々な展示を行っています。ちょうど夏休み期間の2023725日~93日には、「世界をつなぐ子どもの本―2020年国際アンデルセン賞・IBBYオナーリスト図書展」がレンガ棟3階ホールにて開催されます。世界各国の本を約200冊じっくりと楽しむことができます。

海外の本は難しいんじゃないかしら?と思うかもしれませんが、国際子ども図書館の理念でもある「子どもの本は世界をつなぎ、未来を拓く」にもあるように、絵を見ること、普段読む本との違いを感じることだけでも、子どもたちにとっては大切な刺激であり、大事にしたい瞬間だと感じます。

画像提供:国立国会図書館国際子ども図書館

国立科学博物館へのついででもよし。上野動物園でくたくたになるまで遊んでからでもよし。涼しい屋内で、ちょっと心を静め、ゆっくり本と向き合う時間も、いいのではないでしょうか。上野のお出かけスポットの一つとして、ぜひ訪問してみてくださいね。

取材:石井千賀子

取材協力:国際子ども図書館

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