「不妊症・不育症」は4.4組に1組。不妊治療経験者の川崎希さん・アレクサンダーさんご夫妻が語るリアルな体験談

先日行われた“不妊”にまつわることを学ぶためのイベント、「不妊症・不育症」オンラインフォーラム。今回は、そのイベント内で明らかになった、実際に治療を経験している方の現状をご紹介します。

「不妊症・不育症」は4.4組に1組!

みなさんは「不妊症・不育症」のことをご存知ですか? 妊娠したいけど自然妊娠ができない、妊娠したけど流産してしまう…というような状態を、一般的に「不妊症・不育症」と言います。このようなお悩みを持つカップルは、今や4.4組に1組とかなり高確率!そんな中、先日行われた“不妊”にまつわることを学ぶためのイベント、「不妊症・不育症」オンラインフォーラム。今回は、そのイベント内で明らかになった、実際に治療を経験している方の現状をご紹介します。

登壇されたのは、不妊治療経験者の川崎希さん・アレクサンダーさんご夫妻、加藤レディスクリニック院長 加藤恵一さん、NPO法人Fine ファウンダー・理事 松本亜樹子さん、主婦の友社『赤ちゃんが欲しい』編集長 大隅優子さん。

川崎希さん・アレクサンダーさんご夫妻

川崎さん・アレクさんご夫妻は、結婚して数ヶ月で不妊治療をスタートされたそう。

最初の大きな悩みは病院選び。川崎さんご夫妻の場合は、インターネットで検索し、自宅から通いやすいクリニックを選んだそうです。また、クリニックからのご紹介で、数カ所のクリニックに通った経験もあるとのことでした。不妊治療を行う場合は、長期的になるほど通院回数が増えていくので、通いやすいという点も重要。自宅や職場から近い、または通勤で通いやすい時間にクリニックが開院しているということなどをポイントに選ぶと良いそうです。

続いて、不妊治療を行ったことがある方のリアルなお話を、イベント内で行われたアンケート結果と共についてチェックして行きたいと思います。

Q1.パートナーに求めることは?

「よく話を聞いてくれるなど気を使ってほしい」が半数近くを占めました

不妊治療は女性だけでなく、男性にも協力を得て、共に協力し合う治療です。そこで、女性側が男性に求めることで一番多かった意見は、「よく話を聞いてくれるなど気を使ってほしい」でした。不安やストレスを感じることが多い治療だからこそ、夫婦間での会話って大事ですね。

「パートナーにも、女性がどんな治療をしているのかなど具体的に知ってもらいたいです。私も一人だけで抱え込まずに、こまめにパートナーに思っていることを話して相談することを心がけていました」と、川崎さん。

「一人で抱え込まないようにしていた」と川崎さん

アレクさんは「とにかく話を聞いてあげること、同じ目線でいてあげることが大切だと思います」と、話を聞き役に徹していたことを話してくれました。

続いて、具体的にどのような話をしたのかという内容に迫って行きました。

Q2.不妊治療中、夫婦・パートナー間で話し合ったことは?

 

「経済的負担について」と「精神的負担について」が同数

1位は「経済的負担について」と「精神的負担について」。不妊治療の一部が保険適用になったとはいえ、長期的になればなるほど経済的にも、精神的にも負担は大きくなっていきます。夫婦で話し合い、家計のやりくりに見通しをつけたり、こまめな治療内容の共有をすることで、精神的なストレスを軽減しているようです。

N P O法人Fineファウンダー・理事の松本亜樹子さんは、「子どもを授からなかった際の将来について」も話している方が少なくないという結果に驚いていました。医療技術が進んでいる現在でも、妊娠は“奇跡”と言われているだけあり、厳しい現実についても話し合っておく必要はあるのかもしれませんね。

身体的負担、経済的負担、時間的負担、精神的負担の4つの負担

Q3.仕事との両立が難しい一番の要因は何か?

 

「通院回数の多さ」が半数以上に

不妊治療を始めて、「今まで働いていた職場を退職した」という方も少なくないそう。その理由として一番多かったのが「通院回数の多さ」でした。

不妊治療は、ホルモンのバランスによって通院のタイミングが変わるため、計画的に通院をすることが難しい治療です。急に通院しなければならないこともあるため、仕事との両立が難しく、人事や上司、同僚に理解を得ることも必要になる場合があります。その方法としては、厚生労働省から発行されているパンフレットを読んでもらったり、「不妊治療連絡カード」を提出することなどが推進されています。

パンフレットや「不妊治療連絡カード」の存在を知らなかったという方は、通っているクリニックや厚生労働省のホームページからチェックしてみてください。

不妊治療の始まりは「夫婦そろっての受診」

最後に、不妊治療中に周りの人からどのように接してもらいたいか聞いてみました。

すると意外な答えが…

Q4.不妊治療中、友人や同僚にしてもらって嬉しかったことは?

「無理に声をかけずに見守る」が1位

不妊治療については理解して欲しいと思いつつも、対応に関しては「見守っていて欲しい」と思っている方が多い結果となりました。気を使われるよりは、いつもと変わらずに接して欲しいと思っている方が多く、また「可哀想と思って欲しくない」という意見も。

不妊治療については、両親にも話していなかったというカップルも多いようなので、友人や同僚に話すことは、かなりハードルが高いこと。川崎さんも「同じ不妊治療を経験した人でないと、なかなか話はできなかったです」と、自身の過去について話してくれました。

「不妊症・不育症」の治療についてどこまで知っていますか?

保健体育の授業では、妊娠や避妊のことは学んでも、不妊についてはなかなか学びません。これを機に、こども家庭庁のホームページから「不妊症・不育症」の治療について学んでみてはいかがでしょうか。現在「不妊症・不育症」の治療を行っている方も、ホームページには経験談の経験談も掲載されているので、ぜひ参考にしてみては。社会全体で不妊についての理解が進み、赤ちゃんが欲しいと思っている方に優しい社会になればいいですね。

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 【参考】みんなで知ろう、不妊症・不育症のこと

https://funin-fuiku.cfa.go.jp/

 

文・構成/鬼石有紀

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