第59回昭和会展にて『特別賞』を受賞
1966年に発足した銀座日動画廊主催の「昭和会展」第59回展にて、つぶつぶアート画家Conocaちゃんが『特別賞』を受賞。小学生の入選、受賞は初めてとのこと。ユニークな色彩感覚、新しいポップな表現などが評価されました。
Conocaちゃんの作品が高い評価を受け、急遽設定した特別賞
日動画廊の社長である長谷川徳七さんに今回の賞について、お話をお伺いしました。
長谷川さん:「昭和会展」は、たくさんの応募作品の中から審査委員の先生方と何度も審査を重ね、最終的に残った作品の中から入選作品を選んでいきます。作品募集規定には40歳以下と年齢に上限はありますが、審査の段階では年齢・性別・国籍は伏せた状態です。
彼女の作品は審査員の先生方からの評価も高く最終審査まで残り、そこではじめて年齢を聞いて大変驚きました。先生方の中には小学生に賞を与えるのは、まだ早いのではないかと言う意見もあり賛否両論がありました。そこで、私は年齢に関係なくいいものはいい、ということで今回特別賞を設けました。
彼女の作品は、表現のかたちに非常に新鮮さがあり色合いがきれいでアイディアもいい。これから思春期を迎え大人になっていく中で芸術家としてどのように変わっていくのかというのが我々の楽しみでもあり、それはまだ未知数です。
【『第59回昭和会展』】
会場:日動画廊本店 東京銀座
会期:3/14(木)〜3/25(月)
休廊:日曜•祝日、休廊
営業時間:平日10:30-18:30/土曜11:00-18:00(最終日17:00)
東京銀座の本店の後は名古屋、福岡の日動画廊へ巡回。
Conocaちゃんがこれから挑戦したいこと
4月から中学生になるConocaちゃんに、今回の作品について、これから挑戦したいことなどお話を聞きました。
特別賞を受賞した作品「ワオキツネザルたち」について教えてください
絶滅危惧種のワオキツネザルがピンクの朝日に照らされながら、群れでめちゃくちゃ楽しんでるという感じを描きました。ワオキツネザルを題材にした作品は前に一度描いたことがあって、もう一度描いてみたいと思ったのですが前に書いたものとは全く違う作品じゃないと面白くないのでどうしようか考えていました。
そんな時に、たまたま森の写真を見て木の上に登っている姿もいいなと思ってこのような構図になりました。
中学生になったら挑戦してみたいことは、ありますか?
近い将来の夢と言うか目標なんですけど、廃棄コスメで絵を描いてそれを必要としている人にプレゼントしたいなと考えています。
廃棄コスメを使おうと思ったきっかけは、部屋を掃除している時に使わなくなったコスメを見つけて、これでなにか描けそうだなと思ったことです。使わなくなったコスメを捨てるのではなく画材として活用できたらいいなと思います。
最近ハマっていることはありますか?
『エラゴン』というファンタジー系の本にハマっています。
本を読みながら頭の中で想像するのも楽しいですし、そういうファンタジー系の本が大好きで作品をつくるうえでも刺激を受けています。
制作をしていくなかで壁にぶつかることはありますか?
プレッシャーを感じたり緊張することはないのですが、あんまりうまく描けない時に「今はやりたくないな」と思うことがあります。そういう時は気分をリフレッシュするために本を読んだりストレッチや運動をしていると、またどんどん描きたくなってきます。
「昭和会展」に参加して得たもの
入選された方の作品を見て、私ももっとリアル感を出して生き生きとした絵を描いてみたいと思いました。
昭和会展で特別賞をいただいた経験は私の中で特別な出来事で、賞に重みを感じているのでそいういところをちゃんと意識して今後も描いていきたいです。
Conocaちゃんの活動をサポートする家族のルール
Conocaちゃんのお母さんに、画家活動のサポート法や思春期を迎えたお子さんとの向き合い方についてお話を聞きました。
中学生になってからの活動について
中学生になっても変わらず、絵を中心に活動していきます。思春期に入り、気持ちがモヤモヤすることがあるようなので「それは思春期だから、いつか終わるから大丈夫だよ」と言ってます。わが家は、子どもだから教えないのではなく全てのことに関して隠さずにはっきり伝えています。
お子さんのメンタルケアで意識していることはありますか?
私がプレッシャーに弱いタイプだったので、そういう面では意識していました。過敏にプレッシャーを感じさせないように育てたわけではありませんが、幼少期から人前に出ることに慣れさせようと思って、習い事でミュージカルに挑戦したりしていましたね。
「この年齢でなにか失敗したところで大きく転ぶことはないから大丈夫」と伝えています。親が良かれと思った気遣いが意外と子どもの邪魔をしてしまうことがあるので、私はただ彼女の才能をつぶさないように、邪魔をしないようにしています。
Conocaちゃんをサポートするうえでの家族のルールがあれば教えてください
自分で自分の機嫌をとることです。親のストレスが溜まったりすると家族の雰囲気もダメになるので、彼女のメンタルケアも大事ですけど私も私のメンタルケアを怠らないようにしています。家族みんなそれぞれ自分がご機嫌で過ごせるようにすることがルールですかね。
中学生になるConocaちゃんの活動にも注目
年齢に関係なく高い評価を受けているConocaちゃんの作品ですが、今後の活動にも目が離せませんね。
今回『第59回昭和会展』にて展示されたConocaちゃんの他2作品もチェック
Conocaちゃん密着レポを1話からチェック
プロフィール
2011年東京生まれ。6歳の時に幼稚園で描いた絵が『世界児童画展』にて佳作に選ばれる。7歳のころからインスタにて作品を投稿。都内中心に名古屋・関西にてフェスやグループ展に参加。9歳のころに現在のスタイル『つぶつぶアート』を確立。
Conocaちゃんの【公式】サイトはこちら>>
取材・文/やまさきけいこ