「ニウエ」はどんな国? 世界で2番目に人口の少ない国の特徴、見どころを紹介【HugKum世界紀行】

ニウエは、ニュージーランドの東北に位置し、南太平洋にある小さな島。屋久島のおよそ半分くらいの小さな国に、2000人足らずの人々が暮らしています。面積も小さく、人口もとても少ない国です。世界で2番目に人口の少ないこの国には、どんな特徴があるのでしょうか? 治安情報から国の特徴、観光スポットなどをご紹介します。

ニウエの基本情報

まずはニウエの場所や首都、面積、人口などの基本情報から見てみましょう。

国名

ニウエ

首都

アロフィ

場所

ニウエの場所
ニウエの場所

ニュージーランドの北東にあり、南太平洋に浮かぶ小さなサンゴ礁の島がニウエです。

日本との時差

20時間

日本のほうがニウエより20時間進んでいます。

面積

259㎢

屋久島の面積が約505㎢ですから、ニウエの面積は屋久島の半分ほど。愛知県豊橋市(約262㎢)、福井県敦賀市(約251㎢)などと同じくらいの大きさです。

ニウエの地図 by Cj73, CC 表示-継承 3.0, Wikimedia Commons

エリア

ニウエには14の村があります。首都のアロフィは、アロフィ南とアロフィ北の2つの村に分かれています。

人口

1888人
屋久島の人口が約11,000人ですから、ニウエの人口は屋久島の人口の2割弱にあたります。

言語・公用語

ニウエ語(ポリネシア語系)、英語

通貨

ニュージーランドドル
1 ニュージーランドドル=87.77円(2025年9月16日現在)

ニウエではニュージーランドドルが使われています。ニウエ国内では、これ以外の外貨をニュージーランドドルに両替することができないうえ、現地の銀行にATMがなく現地で現金を引き出すこともできません。さらにクレジットカードを使える場所も限られていることから、ニウエを訪れる場合は、十分なニュージーランドドルの現金を準備しておく必要があります。

宗教

キリスト教(約90%)

ニウエ南西部アバテレの海岸 Photo by Lagalugah, CC 表示-継承 3.0, Wikimedia Commons

歴史

ニウエでは、かつてサモアやトンガから人々が移り住んできたと考えられています。1774年になると、イギリスの探検家でハワイの島々などを発見したキャプテン・クックが、ニウエにも到着しました。しかしこのとき、ニウエ人がキャプテン・クックの上陸を阻んだといわれています。

その後1846年に、この島でキリスト教の布教活動が始まりました。1900年にはイギリスの保護領となり、翌年の1901年にはクック諸島と一緒にニュージーランドの属領となりました。ニュージーランド側はニウエとクック諸島を併合しようとしましたが、ニウエの人々が激しく抵抗したことから断念されました。

1960年には、ニウエ人による自治を行うため議会が設立され、1974年には自治権を獲得。ニュージーランドと自由連合の形となりました。

ニウエの国旗
ニウエの国旗

天気・気候

ニウエは年間を通じて気温は20℃前後と、とても過ごしやすい気候です。5月から10月頃は雨が少なくなり、旅行には最適な時期です。

一方で注意したいのは、サイクロンが発生する12月から4月頃。過去にはサイクロンがニウエに大きな被害をもたらしたこともあるため、この時期に訪れるならサイクロンのニュースをチェックしておくといいでしょう。

ニウエの治安・住みやすさ

南太平洋の小さな島ニウエの治安はどうでしょうか?

首都アロフィの街並み Photo by vuorikari, CC 表示-継承 2.0, Wikimedia Commons

治安は良好

ニウエの治安は良好です。外務省「海外安全ホームページ」によると、ニウエ全土において危険情報は発令されていません。置き引きのような窃盗事件は発生するものの、凶悪犯罪の報告はなく、ニウエの治安は安定しているといえます。

ただしニウエのホテルに滞在する際は、開放的な作りになっているところが多いため、貴重品を置いたまま外出するのは危険です。ホテルから外に出るときは、ドアと窓をしっかり施錠してください。レンタカーを利用するときは車内に貴重品を置いて離れるのは避ける、といった注意も忘れずに行いましょう。

住みやすさは良好

気候がよく、美しいビーチに囲まれたニウエ。治安が良く友好的な人も多いことから、とても住みやすい国のひとつといえるでしょう。難点は、生活のあらゆるものの多くを輸入に頼っている島であるため、全体的に物価が高めであること。また、バスやタクシーといった公共交通手段がないことも挙げられます。

ニウエの見どころ・観光

ニウエの朝市

首都アロフィの中心部では、定期的に朝市が開かれています。島内から集められた果物や魚介類など、日本ではお目にかかれない珍しい食材も売られています。またハンドクラフトのような土産品もあるため、チェックするのがおすすめです。

シュノーケリング・ドルフィン&ホエールウォッチング

ニウエでは、マリンアクティビティをはずすわけにはいかないでしょう。透明度の高い海では、色とりどりの魚たちが泳いでいる様子をシュノーケリングで楽しむのが定番。またドルフィンウォッチングのほか、季節によってホエールウォッチングもできます。

ホエールウォッチング

サイクリング

ニウエではバスやタクシーなどの公共交通手段がなく、自動車自体も少ないです。島を移動するときには、バイクや自転車を利用するのが一般的です。道路を走る自動車が少ないため、レンタサイクルで島をまわるのがおすすめのアトラクション。未舗装の道路もあるため気を付けながら、島のあちこちを自由にめぐるといいでしょう。

ちなみにニウエの交通ルールは、日本と同じ右ハンドル左側通行です。自動車が少ないため交通渋滞はないですが、ときどき放し飼いされたブタや鶏、犬などが飛び出してくることがあるため注意しましょう。

ニウエの特徴・有名なもの

ニウエと言えば何が有名?

世界で2番目に人口の少ない国

まず挙げられるのが、ニウエは人口の少ない国であるということ。世界でもっとも人口が少ないのが、バチカンの615人です。そして、世界で2番目に人口が少ないのがニウエ。その後にはツバル、ナウル、クック諸島などの国が並びます。ニウエの人口は2020年のデータで1888人、日本の小さな村に匹敵するほどの少なさです。

サンゴ礁が隆起してできた島

ニウエは「ポリネシアの岩」と表現されます。これは、ニウエが太平洋にぽつんと浮かぶ小さな島であり、サンゴ礁が隆起してできた島だからです。

太平洋にある島といえば、白砂の美しいビーチをイメージするかもしれませんが、ニウエでは切り立った岸壁や岩場などが入り組んだ海岸線が続きます。島はおよそ20mほどの下の層と、その上にある層の2層でできています。島のあちこちに洞窟があり、それらの多くはまだ調査されていないといわれています。

日曜日は安息日

ニウエでは日曜日が安息日と定められていて、国民の多くが教会へ行き礼拝に参加し、その後は自宅でゆっくり過ごします。そのため釣り、ダイビングといったアクティビティは禁止され、遊泳禁止となる場所も多くあります。

ニウエを訪れている期間に日曜日があたったら、現地の人々と同じようにのんびりと過ごすのがいいでしょう。

南太平洋にある小さな国ニウエ

人口が2000人にも満たない小さな国ニウエ。自動車や人々が行き交い、ブランドショップが並ぶといった都会とはかけ離れた、サンゴ礁に囲まれ美しい自然が残っている場所です。さらに凶悪犯罪がなく、治安面でも安全。そんな場所は、世界でも数少ないでしょう。

日本から遠く離れた島ですが、そんな小さな国があると知ると視野がさらに広がっていくでしょう。

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文・構成/HugKum編集部

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