ソロモン諸島ってどんな国?
オーストラリアの北東、パプアニューギニアの東側にある島々がソロモン諸島です。これまでにイギリス、ドイツ、日本、アメリカが占領してきた歴史があり、1978年に独立しました。
ソロモン諸島は、パプアニューギニア、ニューカレドニアなどと同じメラネシア文化圏にあります。多くの島々で構成されている国ですが、島や村ごとに多彩な文化があり、いまでも一部の島では独特の文化や習慣が残っています。
ソロモン諸島の基本情報
まずはソロモン諸島の場所や面積、人口、時差などの基本情報から見てみましょう。
国名
ソロモン諸島
首都
ホニアラ
ホニアラがあるのはガダルカナル島で、ホニアラには「南東風の吹くところ」という意味があります。
場所
ソロモン諸島があるのは、オーストラリアの北東でパプアニューギニアの東、バヌアツの北西。主な6つの島と、1000ほどの火山島・珊瑚島で構成されています。

日本との時差
2時間
ソロモン諸島のほうが日本より2時間進んでいます。
面積
28,900㎢
岩手県の面積が約15,000㎢ですから、ソロモン諸島の面積は岩手県の約2倍です。
エリア
9つの州にわかれています。

人口
707,851人
岡山県岡山市の人口が約71万人、東京都江戸川区の人口が約69万人ですから、ソロモン諸島の人口は岡山市や江戸川区の人口とほぼ同じと言えます。
言語・公用語
英語、ピジン英語(共通語)
通貨
ソロモン諸島ドル
1 ソロモン諸島ドル=19.12円(2024年7月4日現在)

ソロモン諸島のサンタイサベル島
宗教
キリスト教(95%以上)
歴史概略
ソロモン諸島が初めて発見されたのは1568年のことです。スペイン人の探検家、メンダナがサンタイザベル島に上陸し、6か月ほどの期間をかけて周辺の島々を探索しました。1893年にはイギリスが南ソロモン諸島の領有を宣言し、1900年にはイギリスがドイツ領だった北ソロモン諸島を取得しました。
第二次世界大戦中には、日本軍がソロモン諸島を一時占有したこともありましたが、約2万人の戦死者を出す米軍との激戦のすえ、1943年には日本軍は撤退。1976年にはソロモン諸島として自治政府が樹立し、1978年7月7日にイギリスからの独立を果たしました。

天気・気候
ソロモン諸島があるのは赤道近くで、年間を通して高温多湿の海洋性熱帯雨林気候です。
5月から10月までの乾季と、11月から4月までの雨季の2つがあります。乾季は比較的雨が少ないですが、雨季は激しいスコールがたびたび降ります。平均気温は25〜26℃くらいです。
ソロモンの治安・住みやすさ

ソロモン諸島を訪れるなら、現地の治安情報が気になるところ。ソロモン諸島の治安や住みやすさはどうなのでしょうか?
治安には十分注意が必要
外務省「海外安全ホームページ」によると、ソロモン諸島の危険レベルは、全土で「十分注意してください」のレベル1です。置き引き、ひったくり、強盗などの事件が起きており、日本に比べて犯罪率は高いです。空港、ゴルフ場付近といった人混みの中での犯行が多くあります。
犯罪が起きやすい背景として、首都ホニアラでは失業率が高く、仕事がない若者などが多く集まり、政府や貧困に対する不満が多く生まれていることがあります。2019年の国政選挙ではデモ行進や投石などの被害が起き、2021年には反政府デモをきっかけに、死者も出た大規模な暴動が起きました。
外出時は多額の現金は持ち歩かない、夜間は徒歩での移動は避けるといった注意を怠らないようにしましょう。
住みやすさは疑問
ソロモン諸島には在ソロモン日本国大使館があり、移住して生活している日本人もいます。しかし在ソロモン日本国大使館が在留日本人に向けて安全の手引を発行し、さまざまな防犯対策を呼び掛けていることからわかるように、ソロモン諸島の安全面は決していいとはいえません。
特に女性が一人で郊外にドライブには行かない、車の乗り降りのときには周囲に不審者がいないか確認する、銀行やレストランを利用するときはなるべく警備員のいる場所や近辺に車を停めるなど、外出時に気を付けることが多くあります。また住居でも侵入対策が必要で、独立家屋なら警備員を雇い、警備用の犬を飼うことが有効であるとすすめています。
さらに現地では頻繁に停電が発生し、十分な医療体制がなく、マラリア、デング熱といった病気の懸念もあります。そのようなことを鑑みると、ソロモン諸島は住みやすい場所とはいえないでしょう。
ソロモン諸島の見どころ・観光

ホニアラ
まず行きたいのは、ソロモン諸島の首都ホニアラです。人々が野菜や果物などを販売する、活気あるマーケットがみられます。そのほかにも博物館、植物園、アートギャラリーなどの見どころがいっぱい。商品を押し売りしてくることは、めったにありません。穏やかで陽気な人々が多く、そんな地元の人々とのふれあいをぜひ楽しみましょう。
戦跡
ホニアラがあるガダルカナル島は、第二次世界大戦で日本軍と米軍が激戦を繰り広げた場所。そのため、あちこちに戦闘機、戦車、大砲などが残っています。日本兵は飢餓や疫病に苦しんだそうで、多くの人々が命を落とした悲しい歴史があった場所です。美しい自然に囲まれたソロモン諸島で、そんな歴史について考えてみるのもいい経験になるのではないでしょうか。

ダイビング・イルカウォッチング
ソロモン諸島といえば、澄んだきれいな海に囲まれた場所。そんな場所では、マリンスポーツがおすすめです。ダイビング、シュノーケリング、サーフィンなどを楽しみましょう。またボートで海に出てイルカウォッチングしたり、イルカと一緒に泳ぐツアーに参加したりできます。
ソロモン諸島の特徴・有名なもの

ソロモン諸島にはどんな特徴があるでしょうか?
多民族が暮らす国
ソロモン諸島に暮らす人々は主にメラネシア系。それ以外にもポリネシア系、ミクロネシア系などの人々もいます。また1000ほどもあるという島々には、それぞれに民族が暮らしているといわれるほど、文化が多彩です。
英語が公用語ですが、80近くの言語が存在するともいわれるほどで、それだけ多くの民族が暮らしている国なのです。
温泉
ソロモン諸島は環太平洋の火山帯にあるため火山が多くあり、それに付随して温泉もあります。未開発ではありますが、温泉があるのは日本人にとっては親しみを感じるポイントでしょう。
珍しい蝶

ソロモン諸島には、130種を超える蝶が生息しています。世界最大のトリバネアゲハもいるなど、蝶の楽園として知られています。ソロモン諸島を訪れて蝶を見つけたら、珍しい種のものかも?と注目してみましょう。
日本軍と米軍が激突した島、ソロモン諸島
ソロモン諸島のガダルカナル島では第二次世界大戦中、日本軍と米軍が激突し激戦が繰り広げられました。そのため現在でも、日本軍や米軍の兵器が残るなど、日本にもゆかりのある場所といえます。
日本からソロモン諸島を訪れる人は少ないかもしれませんが、南太平洋に浮かぶこの島々の歴史や特徴について、親子で目を向けてみましょう。
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文・構成/HugKum編集部