バヌアツ基本情報
まずはバヌアツの場所と首都、面積、人口、通貨、気候などの基本情報から確認しましょう。
国名
バヌアツ共和国
首都
ポートビラ(エファテ島)
場所

バヌアツがあるのは南太平洋のニューカレドニアの北東、フィジーの西です。オーストラリア、ニュージーランド、ニューカレドニアなどから比較的近いことから、そういった国々の旅行客が多く訪れている場所です。
日本との時差
2時間
バヌアツのほうが日本より2時間進んでいます。
面積
12,190㎢
新潟県の面積が約12,584㎢ですから、バヌアツの面積は新潟県とほぼ同じです。
エリア
バヌアツは83の島から構成される国です。6つの州に分けられていて、首都ポートビラがあるのはシェファ州(Shefa Province)です。

人口
319,137人
新潟県の人口が約222万人ですから、バヌアツの人口は新潟県の人口の約15%です。
言語・公用語
ビスラマ語(ピジン英語)、英語、仏語(いずれも公用語)
通貨
バヌアツ・バツ
1 バヌアツ・バツ=1円(2024年5月1日現在)

宗教
主にキリスト教(プレスビタリアン、ローマ・カトリック、アングリカン、セブンス・デイ・アドベンティスト等)
歴史
バヌアツの島には、オーストラリアの先住民であるオーストロネシア人が数千年前から渡航して定住し始めたと考えられています。バヌアツで発見された最古の遺跡は、紀元前1400年頃のものです。
そして1606年にはスペイン人探検家のキロスがバヌアツの島に上陸しました。その後もたびたび、バヌアツの島々が発見されていきました。
19世紀中盤にはフランスの進出が増えていき、イギリスとフランスの間での利権争いが生まれていきました。そして1906年には、イギリスとフランスの2国による共同統治が始まることとなりました。そのため、法律も警察も通貨も2つずつ存在するかたちが、1980年の独立まで続くこととなりました。
1980年7月、大統領を国家元首とするイギリス連邦加盟の「バヌアツ共和国」として出発します。2006年には環境NGO「地球の友」とシンクタンク「新経済財団」から「地球上で最も幸せな国」に選ばれました。2010年代には近代的な建築による都市整備、港湾、スポーツ施設などのインフラ整備が進みます。
近年では、2024年12月、エファテ島の沖合を震源とするM7.3の地震のニュースは記憶に新しいところです。
バヌアツの国旗
バヌアツの国旗は、赤と緑と黒が使われたデザインです。赤は火山のほかに独立闘争のために犠牲になったことを、緑は樹木や国土を、黒は肥沃な大地とメラネシア人について表しています。また左側にある紋章は、2枚のシダの葉で親和と団結を意味し、富を象徴する野豚の牙を組み合わせています。

天気・気候
バヌアツは熱帯性気候に属します。年間平均気温は24℃から26℃くらいで、高温多湿の日が続きます。
季節は11月から4月頃の雨季と、6月から9月頃の乾季にわかれます。雨季は湿度が高めですが、乾季には比較的涼しい日が多くなります。
バヌアツの治安・住みやすさ
バヌアツを訪れるのなら、治安面がどうなのか気になるところです。
治安は良好だが注意が必要
バヌアツの治安は良好で、外務省「海外安全ホームページ」では危険情報は発令されていません。しかし近年は、住居に侵入する事件や性犯罪などの一般犯罪件数が増加傾向にあります。
とくに首都のポートビラやサント島のルーガンビルなどの人が多い都市部では、失業者が多くなり欧米文化も流入するなどで治安が悪化しています。
バヌアツ現地にある日本大使館でも、日本人向けに安全の手引きを配布。夜間には外出しないこと、自宅でも窓に鉄格子を設置する、ドアには複数の鍵をつけるといった十分な防犯対策を呼びかけています。また女性をターゲットにした強姦などの犯罪も増加しているため、とくに女性の単独行動は避けましょう。

住みやすさはまずまず
バヌアツは南太平洋の島々のなかで、比較的安全な国とされてきました。美しいビーチがすぐ近くにある地での生活は、日本では体験できないものでしょう。しかし犯罪が少ないとはいえ、日本と比べると危険は多く、十分な防犯が必要になります。
またバヌアツは地震、津波、火山の噴火など、自然災害が頻発する国でもあります。移住する場合は、そのような自然災害のリスクも考慮する必要があるでしょう。
バヌアツの見どころ・観光
バヌアツに旅行するなら、ぜひ訪れたい見どころや観光スポットがあります。
ブルーホール

吸い込まれるような美しい青色のブルーホール。バヌアツには、そんなブルーホールがいくつもあります。
サント島の東部にあるリリ・ブルーホールは、カヌーで到着した先に、文字通り真っ青に輝く美しい円形のブルーホールが現れます。ここでは、スノーケリングをするのがおすすめ。透き通る水の中で思い思いに過ごしてみたいですね。
ヤスール火山
バヌアツは日本と同じ環太平洋火山帯に属し、9つもの火山が現在も活動中です。そのなかでも観光地として人気なのが、タンナ島のヤスール火山。
現在も真っ赤な溶岩を拭き上げていて、間近まで訪れることができます。世界で最も火口まで近づけるといわれていますが、安全な距離を保つ必要があります。あたりが少し暗くなった時間帯だと、マグマの赤い光がより際立って見えて迫力満点です。

シャンパンビーチ
シャンパンビーチという、おしゃれでロマンティックな名前が付けられた砂浜はサント島東海岸にあります。
南太平洋一美しいビーチともいわれるきれいに曲線を描くビーチには、きめの細かな白砂が続き、絵葉書や写真のような美しい絶景が広がります。しかも人が少ないため、プライベート感にあふれ、ビーチを独り占めしたような気分になれるのも最高です。
バヌアツの特徴・有名なもの

バヌアツに関する有名なこと、特徴などをご紹介しましょう。
バンジージャンプが生まれた国
橋や崖の上などから命綱1本をつけて飛び降りるバンジージャンプ。ハラハラドキドキを体験できるアトラクションとして世界中で人気ですが、このバンジージャンプが生まれたのがバヌアツといわれています。
もともとバヌアツのペンテコスト島で、ナゴールと呼ばれる儀式が行われていました。これは成人になるため、そして豊作を願うためにも行われてきた伝統的なもの。これが現在のバンジージャンプの起源になったといわれています。そして、現在もこの儀式は続いているそうです。

バヌアツの砂絵
バヌアツには、砂絵と呼ばれる芸術があります。これは紙の上に砂をしきつめ、その上から1本の指で絵を描いていく手法の作品です。昔から部族の間での伝達手段のほか、儀式や記録として使われてきたそうです。1本の指だけで一筆書きのように巧みに描いていくさまは、まさに芸術的。世界無形文化遺産にも登録されています。

バヌアツは南太平洋の秘境リゾート
バヌアツは日本から遠く離れた場所にあるため、日本人にとってはあまりなじみのない国かもしれません。しかしオーストラリアやニュージーランドなどでは、秘境のリゾートとして親しまれています。
南太平洋一美しいビーチと呼ばれるシャンパンビーチや、神秘的なブルーホールなど、豊かな自然が育んだ魅力にあふれるバヌアツ。世界の広さを実感しながら、かの国に思いを馳せてみるのもいいですね。
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文・構成/HugKum編集部