世界遺産京都の仁和寺で、子ども向け行事開催!「第1回春季こどもおむろ大祭」に参加してきました!

新緑が美しいゴールデンウィークの京都。
約1200年の歴史を持つ世界遺産仁和寺で、子どもが主役の行事「第1回春季こどもおむろ大祭」が行われました。今回は5/5こどもの日のプログラムを全部ご紹介します。

皇室にゆかりの深い京都仁和寺で、子ども向け行事が開催されました!

御室桜(おむろざくら)で桜の名所としても有名な真言宗御室派の総本山仁和寺。
888年の創建以来、皇室出身者が代々住職(門跡)を務める格式の高いお寺です。
境内の金堂は国宝に指定されているほか、平成6年(1994年)にはユネスコの世界遺産にも登録され、新たな歴史を刻んでいます。

このゴールデンウィークに、約1200年以上の長い歴史を持つ仁和寺で子ども向け行事、「第1回春季こどもおむろ大祭」が開催されました。
5/3-5/5の3日間にわたって開催されたこのイベントは、それぞれ「美しいを知る」「感じるままに」「楽しむを知る」 と毎日テーマも内容も変わる豪華版。
国宝に指定されている金堂への特別拝観や堂内でのおつとめ、およそ150年に1度しか行われない白書院の瓦葺替用の瓦奉納など、大人もびっくりするようなレア体験も盛りだくさんの内容。

子ども達が美しいものに触れ五感を研ぎ澄ます

今回、仁和寺とこの行事を立ち上げたのは、現代アーテイスト、清水龍鳳先生。現在東京品川にアトリエを構え、創作活動のかたわら東京で大人気の子ども向けのアート教室「RYUHOW’S Children Art House」を主催されています。子ども達が美しいものに触れ、五感を研ぎ澄ますことができるよう、楽しみながら藝術と歴史を学ぶオリジナルのプログラムは、毎日参加しても楽しめるとあって、はるばる東京から家族旅行を兼ねて全日参加したという方もいたほどの大人気でした。

今回は5/5のこどもの日に行われたプログラムをご紹介します。

今回はHugKum読者ファミリー「Hugラボ」のさくらさんファミリーと、じんちゃんさんファミリーが参加!記念に残る一日になりました。

参加してくれたのは

さくらさんファミリー

じんちゃんさんファミリー

ゴールデンウィークの仁和寺、家族でイベント参加できるとあって、みなさん前の晩からワクワクしていたそう。

【行事の様子をご紹介!】テーマは「楽しむを知る」

こどもの日の行事は「こいのぼり制作と楽しい子どもプログラムもりだくさんコース」。
2歳から参加できる、子どもの日にふさわしい楽しい内容でした。

まずは会場となる広間で自己紹介タイム。
龍鳳先生と仁和寺のお坊さんのお話を聞きます。その後いよいよプログラムの開始です。

オリジナルこいのぼりづくり、スタート

まずは画用紙を使って、思い思いにこいのぼりを作ります。この日の画材は、水をつけると絵の具に変身する魔法の色鉛筆。
普段あまり目にすることがない色鉛筆を興味津々で眺めながら、次々に色を付けていく子どもたち。

気に入った色を何色も並べて一気に線を引いたり、珍しい色を組み合わせてグラデーションをつけてみたり、と工夫しながら色を塗っていきます。
色が塗れたら水を垂らして絵の具に変身!予想外の色の変化に「わぁ!」という歓声があがります。

楽しく鯉のぼりを塗りながら、先生とパシャリ!良い笑顔です。

最後にお坊さんに「今日だけ」の特別なハンコを貸してもらい、ずれないようにそっとおしたらスペシャルこいのぼりのできあがりです。

思い思いの鯉のぼりができあがりました。

およそ150年に1度しかない瓦奉納に挑戦

こいのぼりができたら、次は瓦奉納に挑戦です。
用意された瓦はおよそ150年に1度行われる白書院の瓦葺き替えるための瓦。もちろん本物なので、その重さに子どもたちもびっくり。
今の瓦はおよそ150年前の人が作ったもの。未来に続く150年分の想いを載せ、墨で絵や名前を書いていきます。


「また150年後、瓦を葺き替えようとした大工さんが思わずくすっと笑ってしまうような、楽しい絵を描いてみてね」とのお坊さんのアドバイスに、俄然張り切る子どもたち。みんなで考えたネタが150年後にウケるのか?楽しみですね。

完成したら「重ーい」と言いながら、瓦と一緒に記念撮影。
これからの時代を生きる子ども達が歴史的遺産に触れて、時を刻み、また次の150年へ。
古の建造物を世代を超え、未来へ大事につないでいく、という意味合いを込めて行われた瓦奉納。家族の歴史にも、いい記念になりました。

これからおよそ150年、自分が書いた瓦が屋根に!思いを込めて書きました。

広い縁側では雑巾掛け大会!お坊さんに勝てるかな?

真剣なまなざし。絶対1番になるぞ!

広い縁側では白熱の雑巾掛け大会が開催されました。
年齢ごとに3名ずつエントリー。自分で絞った雑巾でタイムトライアルに挑みます。
園や学校で雑巾掛けをしている子どもたちも、縁側での雑巾掛けは勝手が違うようで、苦戦していました。
つまずいたり転んだりしながらも、めでたく全員が完走。

お坊さんとの真剣勝負、気合いが入ります。

その後も何度も挑戦している子や、お坊さんに勝負を挑んでいる子もいて、すっかり雑巾掛けが上手になった子どもたち。
古いはずの縁側も子どもたちの手でピカピカになり、お坊さんにも喜んでもらえました。

お楽しみのおやつタイム

お部屋に戻ると、お坊さんが駄菓子屋さんとしてお菓子をふるまってくれました。

龍鳳先生のルーレットゲームも大盛り上がり。
ルーレットを回し、当たった数だけラムネがもらえるチャンスとあって、子どもたちは練習から真剣そのもの。

さらに豪華なお土産をかけた、お坊さんとのじゃんけん大会も盛り上がりました。

初めてであったお友達ともすぐに打ち解けます。元気にじゃんけんぽん!

龍鳳先生からも、頑張った子どもたちにプレゼントが。先生も子どもの頃に使っていたという鉛筆と消しゴムのセットをいただきました。この鉛筆を使えば、きっと今以上に描くことが好きになりますね!

国宝をバックに優雅に泳ぐたくさんのこいのぼり

こいのぼりを手に、「今日だけ」の特別な旅へ出発

いよいよできあがったこいのぼりを手に、国宝の金堂へ向かいます。
まずは金堂の前で、龍鳳先生オリジナルの青空紙芝居タイムがスタート。
木漏れ日の下、堂の中にいる青鬼くん(竜灯鬼)にまつわるお話や、屋根の上に載っているのは誰?というクイズを交えた楽しい時間が流れます。
龍鳳先生作の美しい紙芝居で、仁和寺建立の歴史や世界遺産について、大人も子どもも改めて知識を深めました。

通常非公開の国宝金堂の中へ

仁和寺の敷地の一番奥、通常非公開の国宝金堂を特別に拝観しました。
金堂は天皇のお住まいを移築したもので、国宝に指定されています。今回は特別にその内部も見学させていただけることに!
堂内は静寂に包まれ、たくさんの仏さまが鎮座されています。その姿に、大人も子どもも居住まいを正して見学。

1640年代の創建以来手を加えられていないという絵画や装飾、仁和寺発願者である光孝天皇の像や柱に至るまで、貴重な文化財のオンパレードで、大人たちはただただ圧倒されていました。

子どもたちも事前にお坊さんとお約束した

・走らない
・触らない
・こいのぼりは大人に預ける

をきちんと守り、おつとめの間も阿弥陀如来をはじめとする仏さまや四天王、頭に乗せた灯籠で堂内を照らす役割をもつ青鬼くんと向き合い、神妙に手を合わせていました。その後は1人1人名前を呼ばれ、お坊さんから特別なお守りを授与していただきました。仏さまたちがみんなの健康を守ってくださることでしょう。

今回金堂を子どもたちに公開するに至った目的のひとつとして、子どもたちが少しでも文化財に興味を持ち、宮大工や瓦職人など伝統文化を守る仕事をしてくれる子が1人でも現れてくれたら嬉しい、とのお坊さんの言葉もありました。今回参加したお子さんが、興味をもってくれると良いなと思います。

おつとめ後のお話の中で、皇室とゆかりの深いお寺である仁和寺は、門跡寺院(もんぜきじいん)という特別な呼び方があることも教えていただきました。
日本初の門跡寺院である仁和寺では、金堂や御朱印など、至るところに皇室を表す菊の御紋が印されているそう。境内で宝探しのように菊の御紋を見つけるのも楽しい時間になりました。

五月晴れの空を泳ぐこいのぼりに願いを込めて

最後にみんなで作ったこいのぼりを、金堂の前で泳がせました。
この日は雲一つない五月晴れで、こいのぼりもうれしそうです。金堂にいらっしゃる仏さまにも見えたかな?

今回の行事は「もりだくさん」というタイトルの通り、お寺ならではの体験や龍鳳先生のプログラムに加え、お坊さんや学生さんたちのフレンドリーな雰囲気など、子どもたちを飽きさせない工夫が随所に見られた素晴らしい試みでした。

大人にとっても「本物」を感じ、歴史に触れる体験が目白押しで、家族で楽しみながらあっという間の3時間。
約1200年を超える仁和寺の歴史に触れ、家族で国宝の中で過ごすという、またとないぜいたくな時間となりました。

今回の「楽しい」経験を経て、子どもたちもお寺へのハードルもなくなったようで、帰りには古くからの友達のようにお坊さんと写真を撮る姿も。
参加前には本当に楽しいの?と疑っていた子どもたちもいたようですが、帰りには「全部楽しかった」「また来るね!」という声と笑顔があふれていました。
歴史をつなぐ子どもが主役の行事、今後も機会があればぜひ参加してみてくださいね。

仁和寺公式サイトはこちら

今回の行事を立ち上げたのは?アート教育のスペシャリスト 清水龍鳳先生

どんな思いでこの「第1回 こどもおむろ大祭」の行事を立ち上げたのか、この行事がもつ意味について清水先生に伺いました。

清水龍鳳先生:新しい時代が始まり、私たちは人間という、感情豊かな動物であることを再確認しなければなりません。
現代の子ども達は、AIの進化により感性を育む時間が極端に少ないのが現実です。
人間は近年、知能の発達を優先し、感性を豊かにすることを忘れてしまいました。
すぐ近くに「広く・深く・美しい世界」が広がっていることを子ども達が覚え、自分自身で感性を磨いていくための「気づきの時」を今回企画いたしました。

今回、仁和寺と二人三脚で、この行事を立ち上げましたのは、

豊かな感性こそ、喜びを生み幸せを運ぶこと。

人の温かさやぬくもりを知り、人が築いてきたことの大切さを感じることができること。

そして、自分たちは時代の人であることを認識し、未来を想像すること。

このことを子ども達に覚えてもらうためです。
人間はとても高次な生き物です。お子さんには存分に持ち備えた能力を発揮して欲しいですね。
大人になった時、この「こどもおむろ大祭」での経験が道標となって子ども達一人ひとりが豊かな人生を歩んでほしい。そんな想いのこもったこの行事をお坊さんと作りました。ご参加のご家族皆さん、心の宝物を持って、お家にお帰りになったと思います。
次の大祭も盛りだくさんで企画予定です!ぜひご参加くださいね!

 

「こどもおむろ大祭」キュレーター

清水龍鳳|現代アーティスト
世界遺産 京都 仁和寺「こどもおむろ大祭」キュレーターとして、子ども向けのプログラムを考案し、行事を開催。現代を生きる子どもたちに藝術活動の場を与えたいと、1994年に「RYUHOW’S Children Art House」を設立。30年に渡りARTを通して心と思考の教育をおこなうべく多くの子どもたちと触れ合ってきた。また、自身も東京品川にアトリエを構え、ニューヨーク・ロサンゼルス・東京にて作品展示をおこなうなど精力的に活動している。
清水龍鳳先生のアート教室「RYUHOW’S Children Art House」公式サイトはこちら
文・構成/kidamaiko

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