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女児の思春期早発症は、7~8歳までに胸が膨らみ、陰毛、脇毛が生える症状が
ブログやInstagramで、自閉スペクトラム症の娘・しぇーちゃん(現在小学4年生)との日々を絵日記で綴っているマミヤさん。しぇーちゃんの思春期早発症について、気づいたきっかけや診断・治療について伺いました。
思春期早発症は思春期が早まる病気で、主に次のような症状があります。
【女の子】
●7歳6ヵ月までに乳房が膨らみ始める
●8歳までに陰毛、脇毛が生える
●10歳6ヵ月までに生理が始まる
【男の子】
●9歳までに精巣が発育する
●10歳までに陰毛が生える
●11歳までに脇毛、ひげが生える、声変わりする
※参考/日本小児内分泌学会
しぇーちゃんは7歳のときに「思春期早発症」と診断されたそう。当時の様子を詳しく伺いました。
親子でお風呂に入っていたけれど、胸の膨らみには気づかなかった
娘に異変が見られたのは小1の秋です。娘のほうから「右胸が何か硬くてゴリゴリする」って言って来ました。触ってみると確かに右胸の乳首のあたりが膨らんでいます。私は娘と毎日、お風呂に入っていたのですが、娘に言われるまで胸のことは気づきませんでした。私が体を洗ってあげていたら気づいたかもしれませんが、小1なのでなるべく自分で体を洗うように伝えており…。
「腫瘍?」と心配になり、総合病院の小児科を受診
「少し様子を見ようかな?」と思っていたのですが、わずか2週間で右胸はさらに大きくなりました。「もしかして腫瘍? 大きな病気だったらどうしよう…」と心配になり、総合病院の小児科に電話をして娘の様子を伝えたところ「小児内分泌代謝が専門の先生に診てもらってください」と言われて、予約をしました。
かかりつけの小児科に行かなかったのは、以前、別の気になる症状があり、かかりつけの小児科を受診したところ、血液検査をしてから大きな病院を紹介されたことがあったためです。すぐに診てもらいたくて、初めから総合病院の小児科を受診しようと思いました。
思春期早発症と診断。治療をしないと小3ごろに生理が始まる可能性
診察では、医師が胸を触診し「右が3度、左が1度の膨らみ」と言われました。手のレントゲンを撮り、骨年齢も診るのですが、娘は6歳11ヵ月なのに骨年齢は8歳とのこと。さらにエコー検査では、卵巣ができて来ているとも言われました。通常は小1では、卵巣はまだできないそうです。
血液検査では女性ホルモンの分泌も認められて、思春期早発症と診断。医師からは「治療をしないと小3ごろに生理が始まる」と言われました。また「生理が始まると身長は伸びなくなってしまう。手の骨年齢から診ると身長は145cmぐらいで止まってしまう」と言われました。そのときの娘の身長は、118cmでした。
娘は背が低くてやせ型。「うちの子が!?」がホンネ
もともと受診前にネット検索をしたところ「思春期早発症」という病名を見つけていました。胸が早く膨らみ出すと書かれていて「もしかして…」という思いはあったのですが、私の中では胸が膨らむのが早い子や、生理が来るのが早い子は、『体格がいい』という勝手なイメージがありました。しかし娘は幼児期から背が低く、やせ型です。背の順で並ぶといつも前から3番目ぐらいです。思春期早発症と診断されたときは、「えっ? うちの子が!?」というのがホンネでした。でも、後から思ったのですが、娘はやせ型なのにおしりや太ももは肉づきがよくてムチムチしているんです。もしかしたら思春期早発症が影響していたのかもしれません。
原因は、卵巣に命令を送る脳の視床下部・下垂体が早く活動したため
思春期早発症は、病気が原因が起こることもあるようですが、娘は脳から卵巣に命令を送る視床下部・下垂体が、早くに活動を始めてしまう中枢性思春期早発症と言われました。体質的なもので思春期早発症の原因では、最も多いようです。
みんなと同じぐらいに大きくなりたいから、治療を頑張る!
思春期早発症の治療は、4週間に1回病院で女性ホルモンの分泌を抑える注射をすることです。半年に1回血液検査をして経過も診ます。治療は長期に渡り、小学校を早退して病院に行かなくてはいけないし、注射を打つので、娘のやる気が必要です。
娘には「治療をしないと、まわりの子よりも生理が早く来るんだって」「生理が来ると身長が伸びずに、多分145cmぐらいで止まってしまうらしいよ」と伝えました。実は、私の母は身長143cmです。「ば~ばと同じぐらいの身長だね」と伝えると、イメージしやすかったようで「ば~ばは好きだけど、私はみんなと同じぐらい大きくなりたい! 注射頑張る」と言ってくれました。
私自身も娘が自閉スペクトラム症の診断を受けていることもあり、「内面が少し幼いのに生理が早く来過ぎるのはかわいそうかも…。トイレに行くとき、自分だけポーチを持って行くのは恥ずかしがるだろうな…」と心配していましたので、親子で治療を頑張ろうと決めました。
治療は小5の頭には終了予定。それまでに大きくなることが課題
1回目の女性ホルモンの分泌を抑える注射して3週間が過ぎたころに右胸の膨らみが小さくなり、目立たなくなりました。太ももやおしりのムチムチ感も目立たなくなり、少しやせた印象になりました。効果が出るのが早くて、驚きました!
その後、引っ越しをして主治医が変わりましたが、紹介状を書いていただき治療を継続しています。
現在、娘は小4になりましたが、医師からは「小5の頭ぐらいまでは治療を続けよう」と言われています。生理がくる前に治療を開始した娘は、治療終了後、生理がくるまで1年以上かかるそうです(生理がはじまった後に治療開始した子は、治療終了後、比較的はやくまた生理再開するそう)。生理がきたら身長の伸びはほぼ止まるため、少しでも身長を伸ばしておきたいところなんですが、娘の身長の伸びはローペース。小4の夏で130cm。体重は22.6kg。クラスで背の順に並ぶと前から3番目でした。1年前と比較すると身長伸びは4cm、体重は700gしか増えていません。
医師からは「このペースだと低身長になる可能性があるから、食事をしっかり摂って大きくなろうね」と言われています。しかし娘は自閉スペクトラム症の特性もあって、肉料理が苦手でかなりの少食です。給食では牛乳を1本飲むとおなかがいっぱいになり、主食が食べられません。そのため担任の先生に事情を話して、牛乳は飲まなくてもいいことにしてもらっています。今の課題は、治療が終わるまでに少しでも大きくなること。引き続き親子で頑張ります!
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取材・構成/麻生珠恵