石川県金沢を訪れたら食べたいものといえば、のどぐろや蟹などの新鮮な魚介類と答える方が多いのではないでしょうか？ しかし、金沢グルメは、魚介類だけではありません。本記事で紹介するのは、金沢で長く愛されているご当地グルメ「ハントンライス」です。
金沢を訪れたら食べたいグルメの一つ、ハントンライスについて一緒に見ていきましょう。
金沢発祥の洋食ハントンライスとは？
ハントンライスとは、金沢で生まれたとされている洋食メニューです。
バターライスをケチャップで味付けし、その上に半熟の卵、マグロや白身魚のフライなどをトッピングして、ケチャップとタルタルソースをかけたものをいいます。
オムライスのようでオムライスではない
ライス部分は、オムライスに似ていますが、オムライスと異なるところは、ライスに具材が入っていなということ。また、トッピングに白身魚などのフライがトッピングしてあることです。
バターケチャップライスと魚のフライ、ソースにはケチャップとタルタルソース、みんなが大好きな料理が一皿に集結した豪華なプレートは、まるで大人のお子様ランチのよう。大人もワクワクするような見た目で、食欲がそそられます！
ハントンライスの由来は？
ハントンライスの「ハントン」とは何でしょうか。なぜハントンライスという名前になったのか、名前の由来を見ていきましょう。
ハンガリー料理とまぐろが由来
ハントンライスの「ハン」は、「ハンガリー」のハン。そして「トン」は、フランス語で「まぐろ」という意味。それをくっつけて、「ハントンライス」という名前になったといわれています。
でも、なぜハンガリーなの？ という疑問がでてきますよね。ハンガリーでは、パプリカや鯉のフライを食べる習慣があり、パプリカの赤や、鯉のフライなどを、ケチャップや白身魚のフライで表現したのではないかといわれています。
実際は、金沢市内の洋食店でもともと賄い食として作られていたものが、のちに別のお店で名物料理として命名されて広がったというのが、一般的にいわれているルーツです。
ハントンライスのバリエーションは？
短い昼休みに、ご飯とおかずを一緒に食べられるようにと、金沢のある洋食店で生まれたハントンライスですが、今では多くの店で提供されています。その店ごとに、味付けや具材が異なり、お好みのハントンライスを探すのも楽しみの一つではないでしょうか。
ハントンライスのバリエーションを見ていきましょう。
ライスはチキンライスになることも
ケチャップで味付けされたバターライスは、魚のフライなどトッピングにボリュームがあるため、オムライスのように玉ねぎなどの具材は入れないことが一般的です。しかし、店によってはチキンライスだったり、ピラフのようなものもあります。
トッピングのフライは店などでさまざま
トッポングには、マグロのフライや、白身魚のフライがのせられていることが多いですが、エビフライやカキフライ、トンカツなどがトッピングされることもあり、具材は店などでさまざまです。
ソースはデミグラスソースをかけることも
ハントンライスの特徴といえば、必ずケチャップとタルタルソースがかかっています。しかしケチャップに代えて、デミグラスソースが使われる店もあるそうです。
ハントンライスの自宅で作る簡単レシピ
ハントンライスは、一皿でご飯もおかずも食べられる料理です。材料も揃えやすいものばかりで、家庭でも作りやすいでしょう。
では、自宅でも作れる、ハントンライスのレシピを紹介していきます。フライには、白身魚やエビなど、お好みでアレンジして作ってみてください！
材料（1人分）
＜ケチャップ味バターライス＞
・ご飯… 200g
・バター… 10g
・ケチャップ… 大さじ2～3
・塩コショウ… 少々
＜卵＞
・溶き卵… 2個分
・サラダ油… 適量
＜魚のフライ＞
・お好みの魚（まぐろや白身魚、エビなど）… 2～3切れ
・薄力粉… 適量
・卵… 1個
・パン粉… 適量
・揚げ油… 適量
＜ソース＞
・ケチャップ… 適量
・タルタルソース… 適量
作り方
1．フライを揚げる
・お好みの具材（魚やエビなど）は、キッチンペーパーで水分を拭き取り、薄力粉を軽くふりかけ、溶き卵→パン粉の順でつけます。
・170度の油で揚げます。具材が揚がったら、油を切っておきます。
2．ケチャップ味のバターライスを作る
・フライパンにバターを入れて焦げないように溶かします。
・ご飯を入れ、バターがご飯に混ざったらケチャップを入れて炒めます。
・ご飯全体に味が馴染めば火から下ろします。
3．卵を焼く
・ボウルに卵を割り入れ、溶きほぐします。
・熱したフライパンにサラダ油をひき、溶いた卵の半分の量を入れ炒めます。
・菜箸でかき混ぜ、卵が半熟状態になれば、残り半分の溶き卵は入っているボウルに戻して混ぜます。
・卵をフライパンに戻し、再度、半熟状態になるまで炒めたら取り出します。
4．盛り付ける
・お皿にケチャプバターライス、半熟ふわふわ卵、フライを盛り付けます。
・ケチャップ、タルタルソースをかけて完成です。
揚げ物は面倒だな…と思うときは冷凍のものを使うのもあり。またはスーパーなどのお惣菜コーナーで調達してもいいですね。
タルタルソースの作り方
販売されているタルタルソースもいいですが、自家製タルタルソースを作ると、より本格的になります。
材料
・ゆで卵… 2個分
・たまねぎ… 1/4個（またはきゅうりのピクルス40g）
・マヨネーズ… 大さじ2
・酢… 大さじ1
・コショウ… 少々
・乾燥パセリ… お好みで
作り方
1．たまねぎは、みじん切りにし、水にさらしてからよく水分を切っておきます。
2．ボウルにゆで卵を入れ、フォークなどで潰し、マヨネーズ、酢、コショウを入れ混ぜます。
3．2に１のたまねぎのみじん切り、乾燥パセリを入れたら完成です。
金沢のご当地グルメ「ハントンライス」
ハントンライスは、ケチャップ味のバターライス、ふわふわトロトロの卵に、魚のフライ、みんなが大好きなものが一皿に集まった夢のような料理です。まさに大人が楽しめるお子様ランチともいえるのではないでしょうか。金沢には、ハントンライスが食べられる店が多くあり、また店ごとにも特色があって、お好みのハントンライスを探すのも楽しそうです。
そしてハントンライスは、家庭でも揃えやすい材料で作ることができます。自分好みのハントンライスを自宅で作ってみるのもおすすめ。豪華な一皿で、家族から歓声が上がること間違いなしでしょう！
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構成・文・写真（一部を除く）／松田慶子（京都メディアライン）
