ベネズエラ基本情報
まずはベネズエラの位置や首都、面積、人口、民族などの基本情報から見てみましょう。
国名
ベネズエラ・ボリバル共和国
首都
カラカス
場所

ベネズエラがあるのは、南米の北部。東にガイアナ、南にブラジル、南西にコロンビアと接し、北側はカリブ海に面しています。
日本との時差
13時間
日本のほうがベネズエラより13時間進んでいます。
面積
912,050㎢
日本の面積が約380,000㎢ですから、ベネズエラの面積は日本の約2.4倍です。

エリア
ベネズエラは20州、2連邦領、1連邦属領、1連邦区から成る共和国です。首都カラカスがあるのは、首都地区です。
人口
2795万人
日本の人口が1億2389万人で、東京都の人口が約1400万人ですから、ベネズエラの人口は日本の約23%、東京都の約2倍です。
言語・公用語
公用語はスペイン語
先住民族の諸言語も使われています。

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通貨
ボリバル・ソベラノ
1 ボリバル・ソベラノ=1.09 円(2025年8月17日現在)
宗教
国民の大多数はカトリック
歴史
ベネズエラが最初に発見されたのは1489年、コロンブスによる3回目の航海でのことでした。オリノコ川の豊かな水に恵まれ、先住民族は水上生活を送っていたことから「小ベネチア」という意味の「ベネズエラ」と呼ばれたことが国名の由来です。
その後は多くの人が入植し、スペインの植民地となりました。しかしカラカスの市民グループが反乱を起こしたことで、1811年にスペインから独立。1819年に大コロンビア共和国が成立し、1999年に発効した新憲法によって現在のベネズエラ・ボリバル共和国という国名に変更となりました。

ベネズエラが現在のような経済破綻に陥ったのは、1999年以降、ベネズエラ政府によるアメリカ批判や、アメリカによるベネズエラ政府の独裁非難などがきっかけで、アメリカがベネズエラに経済制裁を実施したことが原因です。これによって経済が混乱を極め、凶悪犯罪が増加することになりました。現在もベネズエラとアメリカの関係は緊張状態にあります。

Photo by Ricardo Stuckert/PR, CC BY 2.0, Wikimedia Commons
国旗
ベネズエラの国旗は、黄色、青、赤の3色がストライプになったデザインです。
黄色は豊かな鉱物資源を、青はカリブ海、赤は革命兵士が流した血と犠牲を表しています。中央にある白い星は、独立当時にあった7州と19世紀からの領有係争地ガイアナ西半のエセキボ地区を意味しています。

天気・気候
ベネズエラは熱帯気候に属しますが、主要な都市は高地にあるため、標高によって気候が異なります。低地なら熱帯雨林気候、高地は涼しい山岳性気候です。
ベネズエラの治安・住みやすさ
ベネズエラの治安や住みやすさはどうでしょうか?
治安はかなり危険
ベネズエラは、中南米でも特に治安が悪い国のひとつといわれています。殺人、強盗、誘拐などの事件がピークだった2016年から凶悪犯罪は減少傾向にありますが、このような犯罪は日中でも夜間でも発生しています。
外務省「海外安全ホームページ」によると、ベネズエラ全土で「不要不急の渡航は止めてください」のレベル2が発令され、一部地域では「渡航中止勧告」のレベル3も発令されています。

特に注意が必要な地域はスリア州、タチラ州、ボリバル州の一部地域、アプレ州の一部地域、アマゾナス州の一部地域、コロンビアやブラジルとの国境地帯です。これらの地域では武装ゲリラ、過激派組織、それらから離脱した者などの凶悪犯罪グループ集団が活動しているといわれています。
多額の現金を持ち歩かず、夜間の一人歩きは絶対に行わないこと、さらに日中であっても危険だと気を引き締めておく必要があります。
住みやすさは×
中南米諸国の中でも治安の悪い国、ベネズエラ。経済が破綻しており、多くの人が貧困に直面しています。そのような状況を考えると、ベネズエラは住みやすい国とはいえないでしょう。
ベネズエラの見どころ・観光
ここからは、ベネズエラの見どころや観光スポットをご紹介しましょう。ベネズエラの国土の4割以上は自然保護区域で、多くの野生生物が棲息しています。
ピンクのイルカ
ベネズエラで有名なのが、ピンク色のイルカです。オリノコ川に棲息するアマゾンカワイルカのことで、珍しいピンク色をしています。このピンクのイルカを見に行くツアーは、ベネズエラで人気のアクティビティです。

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世界一の落差の滝・エンジェルフォール(サント・アンヘル)
エンジェルフォール(サント・アンヘル)は、世界一の落差を誇る滝です。その落差は979mもあり、東京タワーの3倍分もあります。
あまりに高いため、水は途中で霧になり、驚くことに滝つぼがありません。霧になった水のおかげで虹が多く出現することも、エンジェルフォールという素敵な名前の由来です。

ベネズエラの特徴・有名なもの
ベネズエラは原油埋蔵量がとても多く、さらに真珠などの特産品も有名です。また美人が多い国としても知られています。
世界最大の石油埋蔵国
ベネズエラのオリノコ川の流域には多くの石油があり、世界最大の石油埋蔵国といわれています。世界的にも豊富な石油資源は、ベネズエラの主要産業となってきました。
しかし1999年に就任したチャベス大統領が反米を示したことから、それまで石油輸出国として最大だったアメリカから経済制裁を受け、経済破綻に直面してしまいました。石油資源の豊富な国は経済的に裕福になるケースもありますが、ベネズエラのようにそれがかえって国を破綻させることになるケースもあるのです。

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真珠
ベネズエラのクバグア島やマルガリータ島は、真珠が豊富にとれます。コロンブスによってベネズエラの存在が発見されてから多くの人々が入植してきましたが、彼らの目的もこの真珠だったといわれています。マルガリータ島は別名、真珠島と呼ばれています。

ベネズエラは美人が多い
ベネズエラは美人が多いことで有名です。「ミス・ユニバース」「ミス・インターナショナル」など、世界的なコンテストでの優勝者の国籍は、ベネズエラがとても多いのです。
カカオ・ラム酒の産地
ベネズエラの特産品としてカカオとラム酒があります。カカオは西部と中央アマゾン地域で主に栽培されており、この地域の土壌や気候はカカオ栽培の理想的な環境とされています。世界的に高品質と評価されるカカオが、この地で生まれています。

またラム酒もベネズエラを代表する産物のひとつです。ラテンアメリカで唯一のラム酒の原産地呼称を持つ国で、ベネズエラのラム酒は高品質であることが世界的にも認められています。
豊かな自然がある一方、貧困問題もある国
南米の国ベネズエラでは、豊かな水資源や熱帯雨林があり、多種多様の動物や生き物が棲息しています。また世界一の石油埋蔵量もある国です。しかし世界の大国であるアメリカに対して批判を行ってきたことで、国全体の経済が破綻してしまった歴史があります。豊かな石油資源がありながら多くの人が貧困に苦しんでいるのは、そんな事情があるのです。
世界の国々の状況や歴史を知ると、新しい価値観や考えに触れられます。この記事をきっかけに、ぜひ親子で世界の国々について話してみてくださいね。
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文・構成/HugKum編集部
