「ニカラグア」はどんな国? 地震とコーヒーの国の知っておきたい基本知識を紹介【HugKum世界紀行】【親子で学ぶ世界地理】

ニカラグアは中央アメリカにある国で、ホンジュラスとコスタリカに隣接しています。火山の噴火や地震などの自然災害の影響もあり、貧困問題を抱えている国でもあります。また内戦にも見舞われていて、アメリカ大陸でも貧しい国のひとつです。そんなニカラグアは、いったいどんな国なのでしょうか?

ニカラグアってどんな国?

ラテンアメリカの国、ニカラグア。北海道と九州をあわせたくらいの広さに、662万人が暮らしています。これまでに起きた噴火や地震などの自然災害、内戦などの影響で、貧困に苦しむ人々も多くいます。そんなニカラグアがどんな国なのか、順番にご紹介しましょう。

ニカラグア基本情報

まずはニカラグアの場所と首都、面積、人口、通貨などの基本情報から見てみましょう。

国名

ニカラグア共和国

首都

マナグア

場所

ニカラグアがあるのは中央アメリカ。西は太平洋、東はカリブ海に面し、北西はホンジュラス、南東はコスタリカと接しています。

中央アメリカの一国であるニカラグア

日本との時差

15時間

日本のほうがニカラグアより15時間進んでいます。

面積

130,370㎢

ニカラグアは、北海道と九州を合わせたぐらいの広さです。

エリア

ニカラグアには15の県と2つの自治地域があり、首都マナグアがあるのはマナグア県です。

人口

662万人

東京都の人口が約1400万人ですから、ニカラグアの人口は東京都の半分弱です。千葉県(約627万人)、埼玉県(約734万人)の人口と近いでしょう。

言語・公用語

スペイン語

通貨

ニカラグア・コルドバ

1 ニカラグア・コルドバ=4.04円(2025年7月17日現在)

首都マナグアで行われるカルナバル Photo by Jorge Mejía peralta, CC 表示 2.0, wikimedia commons

宗教

カトリック、プロテスタントなど

歴史

ニカラグアが最初に発見されたのは、1502年のことです。アメリカ大陸などを発見した航海者・コロンブスによるものでした。その後スペイン人が続々と移り住み、スペイン人による植民地となったのです。

1821年にグアテマラ総督領に併合され、スペインから独立。1823年にはグアテマラ、ホンジュラス、コスタリカ、エルサルバドルとともに中米連邦共和国を結成しましたが、1838年に中米連邦共和国から分離独立しました。

1900年代は、内戦が続きました。きっかけのひとつとなったのが、ソモサ一族による独裁政権が3代も続いたことです。ニカラグア国民の間で反感が高まり、サンディニスタ革命(ニカラグア革命)が起きたのです。内戦が長く続いたこともあり、それがニカラグアの経済発展の大きな障害となってしまいました。

ニカラグアの国旗
ニカラグアの国旗

ニカラグアの国旗は、青と白のストライプデザインです。これはかつての中米連邦共和国5か国共通のもので、青は太平洋とカリブ海、白は平和と統一を表しています。また中央にある三角形の紋章は、自由を象徴する「赤いフリギア帽」と虹、中米連邦共和国5か国の連帯を示すための5つの火山を描いたものです。

天気・気候

ニカラグアは赤道が近く、熱帯性気候に属しています。高地ではそれほど暑くありませんが、気温が比較的高く湿度も高い日が続きます。季節は、11月から4月頃までの乾季と、5月から10月頃までの雨季に分かれています。

ニカラグアの治安・住みやすさ

マナグア国際空港
Photo by Verde562, – Sandino International Airport, CC 表示-継承 2.0, wikimedia commons

ニカラグアの治安はどうでしょうか?

治安は要注意

外務省「海外安全ホームページ」によると、ニカラグアは全土で「十分注意してください」のレベル1が発令されています。特に強盗事件が多く、オートバイに乗って歩行者に近づき、拳銃やナイフで脅してかばんや財布、携帯電話などを奪っていきます。

また首都マナグアではひったくりなどもあり、日本人の被害も報告されています。在ニカラグア日本大使館は、日本人に向けて「中南米と日本では治安情勢が大きく異なるため、治安の違いを認識することが重要な心構えで、防犯の第一歩」と、安全の手引きで防犯対策について呼びかけています。

外出時は緊張感を持って周囲の状況に目を配り、ブランド品や貴金属を身につけるなど目立つ格好は避けることが大切です。多額の現金や貴重品は持ち歩かず、タクシーを利用するなら携帯アプリと連携したタクシーを利用するのが鉄則です。

またユースホステルのような格安の宿泊先は、ドアに施錠がない客室や相部屋であることも。安全面を考えて、価格だけで宿泊先を選ばないようにしましょう。

住みやすさは疑問

2018年には社会騒乱が起き、2020年にはハリケーンに見舞われ、さらに新型コロナウイルスの影響もあり、ニカラグアは厳しい経済状況が続いています。そのため失業者が多く、治安も決して良くありません。日本人が暮らすのにいいとはいえないでしょう。

ニカラグアの見どころ・観光

ニカラグアのおすすめ観光スポットや見どころをご紹介しましょう。

グラナダ

グラナダはニカラグア西部にある都市。高い建物がなく、スペイン統治時代を思わせるおしゃれな街並みが広がります。セントラル公園のほか、教会、修道院など、歴史を感じさせる建物も残っていて、昔にタイムスリップしたような体験ができるでしょう。

ニカラグアのグラナダ
グラナダの街

レオン・ビエホ遺跡群

レオン・ビエホ遺跡群は、ニカラグアにある世界遺産です。噴火や歴史で破壊されてしまいましたが、スペイン人によって植民地とされたエリアのひとつです。かつてのスペイン社会が、どのような構造だったかを理解するための遺跡として注目されています。

レオン・ビエホ遺跡群 Photo by Helmut Haefner, CC 表示-継承 3.0, wikimedia commons

マサヤ火山国立公園

ニカラグア西部にあるマサヤ火山国立公園は、ニカラグアで最大の国立公園。煙が出ている噴火口を眺めることができ、周囲ではハイキングを楽しめます。ニカラグアといえば火山が特徴のひとつですから、ニカラグアらしさを体験できるスポットといえます。

ニカラグア
緑豊かなニカラグアの景色。

ニカラグアの特徴・有名なもの

ニカラグアで有名なものをご紹介しましょう。

火山噴火・地震・ハリケーン

ニカラグアには火山帯があり、噴火や地震にたびたび見舞われています。最近では、2022年にマグニチュード6.8の地震が起きています。また2020年にはハリケーンが上陸し、土砂崩れや洪水なども発生。このような自然災害も、ニカラグアの経済発展を阻む一因となっています。

ニカラグアコーヒー

ニカラグアはコーヒーの産地です。北緯25度から南緯25度のエリアはコーヒーの栽培に適しており「コーヒーベルト」と呼ばれています。そしてニカラグアも、このコーヒーベルトに属しているのです。

高山地帯にあるニカラグアのコーヒー農園 
Photo by Elizabeth Sampson, CC 表示-継承 3.0, wikimedia commons

世界的なコーヒーの産地には、ブラジルやコロンビアがあります。ニカラグアは生産量の面で上位国ではありませんが、クオリティの高いコーヒーと評価されています。もしニカラグアコーヒーを見かけたら、口あたりがマイルドでナッツのようなフレーバーもある味わいを試してみましょう。

メジャーリーガー、デニス・マルティネス

デニス・マルティネスは、ニカラグア出身のプロ野球選手です。ボルチモア・オリオールズの投手として1976年に初登板すると、チームのワールドシリーズ進出に貢献。その後は、オールスター出場も果たすなどして活躍しました。

彼の存在は、ニカラグアの人々にとってまさに英雄です。地元にある国立野球場は、彼の活躍に敬意を表して「デニス・マルティネス・ナショナル・スタジアム」と呼ばれています。

デニス・マルティネス・ナショナル・スタジアム
Photo by OswaldoFlores88, CC 表示-継承 4.0, wikimedia commons

中南米の国ニカラグア

カリブ海と太平洋に面するニカラグア。スペインの植民地から独立を果たしましたが、その後は内戦が続き、さらに地震やハリケーンといった自然災害に見舞われるなど、厳しい歴史をたどってきました。そのため経済成長が遅れ、貧困の人々も多い国です。

日本も含め、各国がさまざまな協力を行っているため、日本に住む私たちにとっても決して無縁の国とはいえません。私たちにできることは何か、親子で考えるための機会にしてみてください。

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文・構成/HugKum編集部

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