ベリーズ基本情報
まずはベリーズの場所や首都、面積、人口、気候などの基本情報から見てみましょう。
国名
ベリーズ
首都
ベルモパン
場所

中央アメリカのユカタン半島の付け根部分。東側はカリブ海に面し、北と西にメキシコ、西にグアテマラと隣接しています。
日本との時差
15時間
日本のほうがベリーズより15時間進んでいます。
面積
22,970㎢
四国の面積が約18,789㎢ですから、ベリーズの面積は四国の約1.2倍です。

Photo by Cephas CC 表示-継承 4.0, Wikimedia Commons
エリア
ベリーズは、6つの行政区(ディストリクト)に分かれています。首都ベルモパンが位置し遺跡が多くあるカヨ県をはじめ、観光地として有名なベリーズ県、自然豊かなスタン・クリーク県やトレド県など、各エリアごとに特徴があります。
人口
405,000人
富山県富山市の人口が404,000人、岐阜県岐阜市の人口が405,000人ですから、ベリーズの人口は富山市や岐阜市とほぼ同じです。
言語・公用語
英語(公用語)、スペイン語、ベリーズ・クレオール語、モパン語等

通貨
ベリーズ・ドル
1 ベリーズ・ドル=73.31円(2025年10月3日現在)
宗教
キリスト教(カトリック、プロテスタント、英国国教会等)等
歴史

現在のベリーズがある地域では紀元前からマヤ先住民が暮らしており、マヤ文明が栄えていました。14世紀にはマヤ文明が崩壊しましたが、その後ベリーズの存在が発見されたのは1502年のコロンブスの航海でのことでした。
さらに1700年代にはイギリス人が次々に入植し、1798年にはスペイン軍に勝利したことでイギリスが自治を拡大していきました。
しかし1821年には隣国のグアテマラが、ベリーズの領有権を主張。1862年にカリブ海のジャマイカとともにイギリス領ホンジュラスを形成しましたが、1884年にベリーズが単独の植民地に移行し、英領ホンジュラス総督が設置されました。
1970年代にはグアテマラ軍とイギリス軍が国境付近で対峙するなど、グアテマラとの国境問題は続きました。結局1981年にベリーズが独立し、1991年にグアテマラがベリーズの独立を承認するに至っています。

国旗
ベリーズの国旗は、青と赤の背景の中央に紋章が描かれたデザインです。
中央の紋章には、特産品のマホガニー、オノとノコギリを肩に持った2人の男性が描かれており、50枚の月桂樹の葉が囲んでいます。背景の青はカリブ海を、赤は国を守る決意を表現しています。

天気・気候
ベリーズは熱帯気候に属します。6月から11月は雨季にあたり、毎日のように雷をともなう強い夕立が降ります。また9月から10月はハリケーンが到来する季節です。
首都ベルモパンでは、乾季の2月から5月頃は最高気温が40℃を超えることもあり、雨季には涼しい気候が続きます。
ベリーズの治安・住みやすさ
ベリーズを訪れるのなら、気になるのが治安のことでしょう。ベリーズの治安はどうなっているのでしょうか?
治安は注意が必要
中南米というと、治安が悪いイメージがある方もいるかもしれません。外務省「海外安全ホームページ」によれば、ベリーズ全土で「十分注意してください」と呼びかけるレベル1が発令されています。
外務省の情報によると、ベリーズでは殺人事件が年間140件程度発生しており、その多くがベリーズシティ市内で夜間に起きています。銃器や刃物などを使用した犯罪が増加傾向にあり、特にベリーズシティ南部にはギャング組織が多く活動する地域があるため十分注意しましょう。
注意点としては、夜間の一人歩きは絶対に行わず、多額の現金や貴重品は持ち歩かないこと。現金やクレジットカードは、何か所かにわけて持つといった心がけが必要です。

住みやすさは疑問
年間を通して温かく、美しい海が近くに広がるベリーズでの暮らしは、日本とはまた違ったものになるでしょう。
ただし、ベリーズの治安は決していいとはいえません。さらにベリーズの医療水準は低く、軽症であれば一部の私立病院で受診可能ですが、重症では他国の医療機関に搬送されることも考えられます。
このようなことを考えると、ベリーズでの住みやすさには疑問があるといえます。
ベリーズの見どころ・観光
ベリーズの見どころといえば、マヤ遺跡が有名です。観光旅行で訪れるならぜひチェックしたいスポットはどこでしょうか?
マヤ遺跡
ベリーズがある場所は、紀元前にマヤ文明が栄えた地です。ベリーズの密林には、20以上のマヤ遺跡があります。
高度な都市文明をつくり、ピラミッドや神殿を建築させ、絵文字なども使っていたというマヤ文明。カラコル遺跡、シュナントニッチ遺跡など、いにしえの文明を感じることができるスポットが点在しています。

CC 表示-継承 4.0, Wikimedia Commons
ベリーズのバリアリーフ
ベリーズの沖には、オーストラリアのグレートバリアリーフに次いで大きな、全長240㎞のサンゴ礁があります。このスポットを目当てに、多くの人がダイビングで訪れています。
イルカ、ウミガメ、マンタ、サメなどに出会える可能性も高いとか。

絶景・ブルーホール
ベリーズでよく知られているのが、ブルーホールの存在です。青く美しい海の中に、ぽっかりと丸い穴が開いたように見える場所があります。これはベリーズのバリアリーフの中にあり、世界遺産にも登録されています。
軽飛行機に乗って上空からブルーホールの美しさを楽しめる遊覧飛行を楽しんだり、スカイダイビングしながら眺めたりと、さまざまな楽しみ方ができます。

サンペドロ
サンペドロはベリーズ最大の島で、高級ホテルが立ち並ぶリゾートアイランドです。ホテルの前のビーチやプールでリラックスしたり、マリンスポーツを楽しんだり、思い思いのリゾートタイムをエンジョイできるスポットです。
マナティの保護区
マナティは、温暖で水のきれいな場所にしか生息できない絶滅危惧種です。そんなマナティの保護区がベリーズにはあります。船に乗ってマナティを観察できる、マナティウォッチングのアクティビティもあります。

Wikimedia Commons(PD)
ベリーズの特徴・有名なもの
ベリーズの特徴や有名なものも見てみましょう。
言語と人種のるつぼ
ベリーズには約40万人の人々が暮らしています。さまざまな文化背景を持つ人が集まっており「文化のるつぼ」といわれています。
イギリス領だったことから公用語として英語が使われていますが、それ以外にもたくさんの言語が使われ、また食文化もさまざまなものがミックスしています。

Photo by Kaldari , CC0, Wikimedia Commons
中南米で唯一英語が通じる国
中南米の国々はスペイン語が公用語として使われています。しかしベリーズではイギリス領だった歴史があることから公用語は英語で、中南米で唯一の英語が通じる国です。
日本でスペイン語をマスターしている方は少ないと考えられることから、英語が使えるベリーズは行きやすい旅先のひとつといえそうです。
中米の美しい国、ベリーズ
ベリーズはマヤ文明が栄え、いにしえの遺跡が残る国です。またオーストラリアのバリアリーフに次ぐ、世界2位の大きなバリアリーフなど、美しい海とサンゴ礁がある国でもあります。
中南米は日本人にとってあまりメジャーな旅行先ではありませんが、この記事をきっかけに興味を持ったら、ぜひいろいろ調べてみてください。
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文・構成/HugKum編集部