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思春期ニキビと大人のニキビの違いは?
―思春期の頃にできるニキビは、大人のニキビとどう違うのでしょうか。
まず、できる場所が異なります。大人のニキビは口や顎周りにできることが多いのに対し、思春期にできるニキビは、額や鼻の周り、頬にできるのが特徴です。
また、大人はストレスや睡眠不足などによる皮脂分泌が原因になることが多いのですが、思春期にできるニキビは、成長による代謝亢進により、皮脂が過剰に分泌されるのが主な原因です。
―皮脂がたくさん出るのであれば、洗顔をたくさんした方が良いのでしょうか?
その子の肌質にもよるのですが、まだニキビが数えるほどしかなく、触って軽くプツプツする程度でしたら、朝晩の洗顔で十分です。洗顔料も毎回使うのではなく、ニキビのできやすいところだけ使い、頬などの乾燥しているところはお湯だけにするなど調整してみてください。
皮脂量が多く、お顔全体にニキビが増えてきたら、朝晩洗顔料を使って洗うと良いですね。
また、洗顔のあとは化粧水などで保湿をすることも重要です。肌の表面が乾燥すると、皮脂が余計に出てしまうからです。化粧水のほか、ジェルタイプの保湿剤はクリームのようにベタベタせずに皮膚の表面を保湿することができます。
枕カバーなどの寝具は清潔に
―スキンケア以外で気を付けることはありますか?
うつぶせ寝や横向きに寝ているお子さんは、寝具が汚れているとニキビの原因になりやすいです。特に汗をかく時季は、汗に皮脂が混ざっていますので、枕カバーは週に1回ぐらい交換すると良いでしょう。
ニキビにチョコレートはよくない?
―食べ物で気を付けることはありますか? よく、チョコレートを食べるとニキビが悪化すると言われますが…?
実は、チョコレートがニキビを悪化させるというデータはないのですが、患者さんの中には「チョコレートを食べてニキビができた」という方は一定数いらっしゃいます。チョコレートに使われるナッツは油分が多いので、そういったことも影響するのかもしれません。
また、油で言うと、思春期の頃はカロリーの高い油っぽいものが好きなお子さんも多いですよね。食べ物とニキビとの因果関係はハッキリ説明されていないのですが、揚げ物を食べるときは一緒に野菜を摂り、ビタミンや繊維質を摂ることを心がけるなど、バランスの良い食事を心がけることは、すこやかな肌のためにも重要だと思います。
実際、ニキビはつぶして膿を出す方が早く治る
―ニキビはつぶしてはダメと言われてきましたが、実際のところどうなんでしょうか。
膿が溜まっているニキビは、専用の針を使って穴を開け、膿を出してあげた方が早く治ります。炎症が長引くと赤黒い色素沈着が強くなるので、早く治してあげることはニキビ跡も軽い傾向があるんです。
ただ、ご自宅で行うとばい菌が入ってしまったり、膿が出きらずに残ってしまったりすることも多いので、皮膚科に来ていただくのが良いと思います。
―ニキビに治療は必要なのでしょうか。
触って触れる程度の白ニキビ、黒ニキビ程度でしたら、市販のお薬を使うのも良いでしょう。ただ、お顔全体にできてきたり、赤く腫れたニキビ、黄色い膿が溜まるニキビができたりした場合は皮膚科を受診していただくと良いと思います。皮膚科を受診された場合は、ばい菌止めの塗り薬や、毛穴を開かせるための塗り薬などが処方されます。これらのニキビも、いずれは治るのですが、長引くことで色素沈着が強くなったり、皮膚が凹むような跡ができてしまったりしますので、先ほどもお話したように、ある程度軽めのうちに皮膚科で治療した方が跡が残りにくいです。
クレーター状のニキビ跡を取るには、ハードな治療が必要
―最近は美容医療も身近になりましたが、将来ニキビ跡は治療で取れますか?
赤みに関しては施術でキレイになりやすいのですが、クレーター状になると、針を刺したり、皮膚の下の繊維を切ったりしてヒアルロン酸を入れるなど、割とハードな治療になりますね。
跡が残る前に、皮膚科を受診していただくと良いと思います。
思春期ニキビは、ひどくなる前に皮膚科で治療が◎
皮膚科医の水谷先生にお話しをお聞きしました。皮脂が多くなりニキビができやすい思春期の肌。朝晩の洗顔と保湿を行い、寝具を清潔に保つことなどが重要だと分かりました。
また、将来ニキビ跡に悩まないために、ひどくなりそうな場合は早めに皮膚科を受診させてあげたいですね。
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お話を聞いたのは
取材・文/HugKum編集部