日本で一番ノートを作っているコクヨによる、子ども達が集めた廃棄ノートをリサイクルする「つなげるーぱ!」の体験授業が話題!

実は、41%が燃えるゴミとして廃棄されてきた“ノート”。そんな使い終わったノートを廃棄するのではなく、またノートに生まれ変わらせる夢のようなプログラム「つなげるーぱ!」が今、全国の小学校で広がりを見せています。
特筆すべきは、ただリサイクルするのではなく、体験型学習の授業を経て、子ども達自らが日々の学校生活の中でノートを集めて参加するシステムになっている点。
今回はそんな「つなげるーぱ!」の出張授業にHugKumも参加し、子ども達のリアルな体験や声をレポートします。どんな授業が繰り広げられているのでしょうか?

ノートで地球が救える? 好奇心をくすぐる時間

「つなげるーぱ!」を企画・運営するのは、キャンパスノートでもおなじみのコクヨ株式会社とコクヨグループの株式会社カウネット。この取り組みは2023年の10月からスタートし、初年度は86校、今年度は79校で実施されてきました。

お邪魔したのは、横浜市立荏子田小学校5年生のクラスの出張授業。担当するコクヨの皆さんの自己紹介から始まり、教室はワイワイ和やかな空気が流れていました。 

教室の中にあるコクヨのものを探してみようというアイスブレイクをはさんで、さっそく本題に。スライドで「つなげるーぱ!」をなぜ始めようと思ったのか、そしてその仕組みなどを子ども達に丁寧に伝えていきます。

ゴミを埋める場所がいっぱいであること、資源の使いすぎによる環境破壊が問題になっていること、そして2025年には海の中でさかなの量よりも海洋プラスチックが多くなること。

ひとつひとつわかりやすく写真で説明されることで、子ども達も前のめりに・・・。

通常、紙は木からつくられますが、実は再生紙からもノートをつくることができ、後者の場合、発生するCO2や必要な水の量も3割程度に抑えられるのだそう。

実際に再生紙からノートがつくられていく工場の様子を動画で見る時間もあり、子ども達がより具体的に想像しやすい仕掛けも随所に。子ども達がぐっと集中して耳を傾けている様子がとても印象的でした。

 自分ごととして受け止め、一人ひとりが意見を出し合う時間も

普段の生活の中で、また自分たちの手で、地球にかかるダメージを減らすことができるということを体感した後は、グループワークへ。4~5人のチームを作って、学校中からノートを集めるためには何をしたらいいのかを子ども達だけでアイデアを出し合い、発表をしていきます。

各々、ワイワイ楽しそうに、ホワイトボードに意見をまとめていきます。

「各クラスに段ボールを置いて集める」「かっこいい動画を作って告知をする」
「下駄箱など皆が通るところにポスターを作って貼る」「チラシを作る」

中には、収集箱のイメージ図を細かく描くグループやシステムを図にグループもあって、個性豊かなアイデアが短時間で飛び出していました。

 授業後、子ども達に体験授業の感想を聞いてみると、「年間4000万冊以上のノートを全国の小学生が使っているとは知らなかった」「みんなでアイデアを出し合って、実際にノート収集をやりたくなった」という声が。

中には、「最近夏がとても暑くて、温暖化について考えることも多かった。地球のためになるのならやってみたい」という意見も聞かれ、環境問題に向き合う方法を考えるきっかけになったことが窺えました。

社内で、プロジェクトに興味がある人を広く募って活動

「このプログラムは子ども達が自分の手で社会を変えていけるということを学べるもの。今までは、リサイクルと言えば家でやることでしたが、子ども達が自分でやる活動になっています。最初はやる気になってくれるのか、ノートが集まるのか少し不安もありましたが、積極的に動いてくれています」と語るのは、つなげるーぱ!のプロジェクトメンバーでもあるコクヨ株式会社の横手綾美さん。

社内で、プロジェクトに興味がある人を広く募って活動していることもあり、 出張授業の先生役を担った皆さんからも「自社の製品を通して、社会に還元できていることを実感している」(小川真季さん)「自分が子どもの頃、課外授業が印象に残った記憶がある。今度は自分がそういう時間を子ども達に提供したい」(野﨑秋人さん)と「つなげるーぱ!」に対する熱い想いを感じました。

日本一ノートをつくっているコクヨがはじめた「捨てない社会」のためへの第一歩。将来的にはノートに限らず対象となる文房具を広げていくことで、文房具が燃やすゴミとならず、資源としてまわりつづける未来を目指しているといいます。今後の展開が楽しみです。

キャンパスノート<つなげるーぱ!>(用途別)|コクヨステーショナリー

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文・構成/茂木雅世

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