【防災用品】防臭、防音対策まで「普段使いにも便利な」防災グッズ。本当に必要なものを防災士に訊いた

「防災」と聞くとまず何から始めたら良いのか考えるだけで疲れてしまって、準備が進まないことがありますよね。構えて揃える防災ではなく、今は、日常生活できるフェーズフリーが主流。
防災関連グッズを扱う企業の防災士の方に、日常で使える防災グッズや子連れファミリーがすべき備えについて伺いました!

本当に必要なものは何? 防災士に聞く、防災用品「必需品リスト」

まず、注目したいのが、事務用品の「KING JIM・キングジム」の防災グッズシリーズ。事務用品で防災?と思う方もいるかもしれませんが、日用品を扱う老舗文具店だからこそ、日常に溶け込むような使いやすい防災セットが揃っています。

何から始めたら良いか、どんなものを揃えたら良いか、キングジムの防災担当であり、防災士の資格を持つ柘植史織さんに聞いてみました!

防災への備えはまず何から始めたら良いでしょう?

柘植さんによると、レトルトなどそのまま食べられる食料品のローリングストック旅行用の洗面ポーチの中身を補充しておく、常備薬を持ち歩くなど、普段の生活から始めるのがよいとのこと。

防災用と構えずに、暮らしの延長線上にあるという感覚で、普段から物質的にも精神的にも余裕をもっておきたいですね。

常時携帯用、非常用持ち出し用(右)、ストック用(左)の3段階に分けて準備をするのがコツ。

防災用品はどんなものが必要ですか?

まずは、水や食料などの必需品の他に、衛生用品、個人的に必要なもの、あったら便利なものなども準備しておくとよいそうです。

さらにそれを「0次(常時携帯用)」「1次(非常持ち出し用)」「2次(ストック用)」の3段階に分けておくと状況に応じて対応しやすいのでオススメです。

以下は筆者が防災用品を揃えるのに参考にしたサイトです:

防災グッズの仕分けの参考には、参考にしている「阪神・淡路大震災記念・人と防災未来センター」による防災リストがとても見やすくオススメです。

各家庭で必要なものや量は違うのでこちらの東京都の防災ナビサイトを参考するのも良いでしょう。

  • ・必需品:水、食料、簡易トイレ、ヘルメット、ラジオ、ライト、ポータブル電源、救急セット、ホイッスル
  • ・衛生用品:水不使用なシャンプーや歯みがき、ウェットティッシュ、水に流れるティッシュ、生理用品、マスク
  • ・個人で必要なもの:貴重品、下着、コンタクト、眼鏡、常備薬、おむつ、子どものおもちゃ、髪ゴム
  • ・あったら便利なもの:耳栓、スリッパ、防刃手袋、安全靴、毛布、筆記用具、給水袋
  • *自宅でもオフィスでも倉庫で一括管理はせず、分散備蓄で使えなくなるリスクを回避
  • *避難袋は、玄関先に置く持ち出し用以外にスリッパ、ホイッスル、懐中電灯、メガネなどの入った寝室用もあると良い
  • *食料はアレルギー対応のものもあるのが望ましい

簡単に揃う必需品の入ったセット

「災害備蓄セットII(3日分」、圧縮した毛布の入った「災害毛布セット」、折り畳みのヘルメットの入った「災害ヘルメットセット」(後左から箱つ3)と「災害常備ポーチ」(手前2つ)。

とはいえ、全てを準備するのは大変! とりあえず、すぐに最低限は備えたいという方には、防災セットがオススメ。

キングジムでは、基本の「災害備蓄セット」の他、「毛布セット」や「ヘルメットセット」など状況に応じた様々な防災セットがあるのも選びやすいです。

いつものバッグに入れて携帯できる災害常備ポーチ

災害常備ポーチ」の7点セット(手前左)と10点セットのケース(後左)と中身。

まずは、何から始めて良いか分からないという方には、キングジムの「災害常備ポーチ」から揃えるのがよいでしょう。普段使いのバッグにも馴染むお洒落なデザインで、防災を意識せず使うことができます。

7点セット:防災カード、備蓄氷糖(2個)、ポケットティッシュ、非常用簡易トイレ、マスク、ホイッスル、アルミブランケット(10点セットは上記に+アイマスク、歯磨きシート(5包入)、大判おしぼり)

在宅やオフィスのアレルギー対応が嬉しい災害備蓄セット

せっかく、備蓄しても倉庫にあり、すぐには取り出せないというご家庭も多いのではないでしょうか?

こちらの3日分のセットはお部屋の戸棚に置けるサイズですぐに取り出しやすいです。本と並んでも違和感のないすっきりとしたデザインでインテリアに馴染みやすいです。

「災害備蓄セット」の中身。小学館の図鑑3冊分ほどで本棚にフィットするサイズです。

中身のご飯やクッキーなどの防災食が美味しいのも嬉しいです。アレルギー対応でお子さんのいる家庭でも安心です。1日分と3日分のセット(1人分)があります。

3日分セット:ご飯(6食6種)、保存水(500ml3本)、ポケットティッシュ3個、クッキー(3本入3袋)、非常用簡易トイレ9個

>>>キングジムの防災グッズについてはこちらから

あったらいいな防災グッズ①停電時に活躍するタイプ別ライト

被災後の停電時には照明の確保も必須となります。1台で手持ち、自立、吊るすなど様々な使い方ができるものだと汎用性が高く便利。ランタン型以外にも両手があくタイプもあるとよいでしょう。

また、電源の確保に、電池や充電器、ポータブル電源などもあると安心です。

防犯ブザー付きポータブルライト「ポタラ」

防犯ブザー付きライトの「ポタラ」は避難時には首にかけて両手が使えます。バッグに付けて携帯も可能。

キングジムの「ポタラ」は足元までしっかり照らすLEDライトと大音量の防犯ブザーの2つの機能搭載の商品です。災害時はもちろんですが、夜間の帰宅やアウトドアなど日常使いができ、筆者もバッグに入れて持ち歩いています。

>>>「ポタラ」についてはこちらから

お洒落なランタン

置く、吊るすなどの使い方ができ、携帯にも便利な6面配光の大光量でも優しい光のランタン「ヘキサー」と非常時には頼もしい取り外せる懐中電灯がついた「LEDランタン」(右)。

筆者もライトは何種類か用意していますが、一つはまさに防災用という2個の懐中電灯付きLEDランタンで災害時は頼もしいですが、普段使いには大きすぎるので倉庫に置いてあります。

そこで、普段にも非常時にもオススメなのが、折り畳みで携帯しやすい「DOSHISHA」の光パネルLEDランタン のHEXAR・ヘキサー」。優しい光で、夜寝る前の絵本タイムに使い出してからは、子どもたちの寝かしつけが楽になりました。

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あったらいいな防災グッズ②避難所での騒音、臭い問題を解決!進化系耳栓&斬新なその場で作るウェットタオル

避難時において感じるストレスに騒音と臭い問題もあるとのこと。そんな悩みに寄り添えるイチオシの商品もご紹介します。

耳栓もここまで進化した!新感覚なイヤーウェア「loop」

カラフルでスタイリッシュなウェブ限定モデルの「Kinetic・Lemon Lime」(左)と子ども用の「Engage Kids」の「Ocean Orange」。耳に自然にフィットする楕円形のイアーチップで横向きで寝る時でも快適。

「loop」は、最新技術と素材を活用した新感覚のベルギー発のイアーウェアブランドです。睡眠が浅く、様々な耳栓を試した筆者もこれまでで一番のフィット感と遮音性を感じています。

遮音のレベルで3種類がありますが、防災用には、最大16dBの騒音減衰が可能になり、警報などの必要な音は聞こえ、避難所での雑音を軽減してくれる「Engage2」がオススメ。キッズサイズもあり、お子さんの不安を少しでも取り除くことができると思うので普段からポーチに入れておくと良いでしょう。

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災害消臭対策スプレーとその場で作る除菌ウェットタオル

除菌率 99.9%の「除菌消臭剤チャーミスト」のボトルと500mLの詰め替え用パック(右)、「その場で作る除菌ウェットタオル」のセット。(左)パッケージはゴミ箱とチリトリにもなります。

避難時の臭いのストレスや集団感染を防ぐ「安定型次亜塩素酸ナトリウム」を使用した「ヒジリヘルスケアプロダクツ株式会社」の「除菌消臭剤チャーミスト」と5年保存可能な水なしで使用できる斬新な発想の「その場で作る除菌ウェットタオル」です。

臭い戻りが起こりやすい、香料を使用した一般的な消臭剤と異なり、悪臭の原因物質の核を破壊する「分解消臭」により無臭に。また、アルコールでは消毒効果が低いウィルスに対しても有効とのことで防災備蓄にぜひ加えたい一品です。

>>>「除菌消臭剤チャーミスト」と「その場で作るウェットタオル」ついてはこちらから

子連れファミリーにできる安全対策

避難計画については東京都の防災ブック「東京防災」にも掲載されています。「キングジム」の「災害常備ポーチ」の中の防災カードには#171の使い方も示させれていて便利です。

防災備蓄の次は、スコップ等防災製品を取り扱う「トンボ工業株式会社」取締役であり、防災士でもある岡橋早苗さんからも安全対策についてのアドバイスを頂きました。

岡橋さんは、1歳のときに阪神淡路大震災で被災。復興・防災分野に関心があり、防災士資格を持ち、自社キャラ「防災戦隊ニッコージャーを用いた講演を実施するなど啓蒙活動を行っています。

緊急時に際して、ローリングストック以外に子連れファミリーが準備しておくべき点をお聞きしました。

  • ・家族の電話番号を記憶しておく
  • 災害用伝言ダイアルの#171 は安否を確認したい人の電話番号がわからないと使えません。子どもには使い方を教えて、保護者の携帯番号を覚えさせるか、控えた紙を持ち歩かせると良いとのことです。
  • ・タイムラインを作る
    家族の避難計画を作っておくのも大切とのこと。 「東京マイ・タイムライン」などタイムライン作成ツールの冊子やデジタル版が各自治体にありますし、Yahoo 防災アプリも役立ちますのでチェックしてみてくださいね。

自助力を上げる!もしもの時に命を守るために揃えておきたい防災グッズ

これまで紹介してきた防災グッズは、あくまでも家が倒壊せず、在宅避難が可能か持ち出せた場合には役に立つ備蓄品です。ここまでは用意できる方も多いとは思いますが、避難時の身を守るものや倒壊して下敷きになった時に打開するアイテムまで揃えている方は少ないと思います。

岡橋さんからの「ヘルメット、防刃手袋、安全靴、作業上着など『建築現場の人が身につけているもの』をイメージしてください」というアドバイスを元に、以下のアイテムをセレクトしたので、参考にしてくださいね。

嵩張るヘルメットを家族分準備は大変!折り畳み式ヘルメットがオススメ

折り畳み式ヘルメットの「IZANO」とケース。

ヘルメットは、保管場所の問題など準備が難しいアイテムの一つでしょう。そこでオススメなのが「DICプラスチック株式会社」の折り畳み式ヘルメットの「IZANO」。国家検定にクリアしており、安全性はお墨付き。業界最薄で子どもから大人まで対応。

>>>「IZANO」についてはこちらから

普段使いできるお洒落な防災スリッパ

「防災スリッパ」はM(ベージュ)、L(グレー)の2種類。

すぐ避難できるように、寝室に靴を置きたくても、靴を脱ぐ習慣の日本では難しいですよね。そんな時は、普段から耐踏抜き性試験に合格したインソールを搭載している「キングジム」の「防災スリッパ」があれば安心です。

普段はゴムバンドを甲に固定、非常時はかかとに回せる2wayタイプで被災時も脱げにくく安心です。

>>>「防災スリッパ」についてはこちらから

踏み抜き防止カップインソール+スノーブーツ

「踏み抜き防止カップインソール」(右)と「スノーブーツ」。ブーツは普段使いしやすいデザインで、撥水や防水、防滑、防汚機能があるものがオススメ。

安全靴は避難用にはあったほうが良いですが、機能性だけだと履かずにしまい込んでしまうと思うので、筆者は撥水、防滑、防汚機能のある普段使いしやすいお洒落なデザインの「DOSHISHA」のスノーブーツに「ミドリ安全」のステンレス製の踏み抜き防止カップインソールを入れています。サイズも21センチからあり、お子さんの靴にも使用できます。

>>>「踏み抜き防止カップインソール」についてはこちらから

>>>「撥水、防滑、防汚スノーブーツ」についてはこちらから

雪かきやガーデニングに使える鉄のスコップが万一の助けに!

軽くて強度は抜群の「エアーショベル」。個人別・目的別に識別しやすい6色の豊富なカラーがあります。

都心でマンション暮らしだとなかなか用意がないスコップ。岡崎さんいわく、重機が入れるようになるまでは人力となり、ガラスガレキの片付けや、テコの原理で倒れた家具を持ち上げられるなど、災害時に幅広く活躍するとのことです。

子どもや女性でも簡単に扱える軽さが特徴の「トンボ工業」の「エアーショベル」であれば、ガーデンニングや雪かきなどの日常でも使いやすいと思います。

>>>「エアーショベル」についてこちらから

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防災グッズ特集いかがだったでしょうか?  少しでも読者の皆さまの防災意識を高めるきっかけになれば嬉しいです。

別の記事では、ポータブル電源や災害時に便利な家電も紹介しています。情報収集、調理、暑さ、寒さ対策など、特に子連れファミリーには必須なアイテムですので、ぜひチェックしてみてくださいね!

便利な家電グッズの紹介はこちら

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