移住期間は未定。ずっと海外で暮らしてみたかった

HugKum:今年の夏にお子さんと一緒にマレーシアに移住すると伺いました。タレントやモデル、ピラティススタジオ・レストラン経営などマルチな分野でご活躍中ですが、なぜ今海外へ?
優木さん:本当は40歳になった2020年頃に行きたかったんです。昔から海外で暮らしたいという私の夢を追いたくて。平和で先が読める人生も幸せだよねという自分がいるなか、今まで生きてきた倍もあるこれからの残りの人生を考えたとき、なんとなく虚無感があったんです。
20代は一人前にならなきゃという思いで仕事に専念し、30代は仕事を制限しながらも仕事と子育てを両立。子育てのやり方がなんとなくわかった40歳になりたてのころ、もう一回自分の人生というものを考えてみたとき、ずっと思っていた「海外で暮らしてみたい」という夢を叶えるにはこの10年しかないかなって。老後は日本で暮らしたいので、体力的にも今がベストのタイミングだと思ったんです。
HugKum:海外で暮らしたいと思ったきっかけは?
優木さん:実は、18歳のときにハワイに語学留学したことがあるんです。今考えてみれば、そのときが人生で一番ワクワクしていたなって。知らない場所でひとり、毎日冒険をしているみたいで。知らないバス停からどこかに行ったり、スーパーで買い物をしたりするだけでもワクワクドキドキといった世界が広がっていました。そのときの大冒険の気持ちをもう一回取り戻したいなって思ったんです。あと、海外にいると心が楽になれる自分がいて。みんな同じじゃなくてもいいという空気感が自分には合っている気がするんです。

HugKum:移住期間はどれくらいを予定していますか?
優木さん:未定です。あまり先のことは考えないのが楽しみかなって(笑)。行く前からリミットをかけていたらおもしろくないじゃないですか。もしかすると、すぐに日本に帰りたくなっているかもしれないし、どこかまた違う国に移住したいなって気持ちになっているかもしれないですね。
移住を決めたその日から自分の人生が彩られ始めた
HugKum: 今回の移住は、お子さんのための教育移住でしょうか?それとも?
優木さん:教育移住というよりは、むしろ私の冒険に家族がつきあってくれている方が大きいのかもしれません。これから輝いていく子どもたちを支えるだけの自分から、自分もワクワクするようになり、移住を決めたその日から、自分の人生が彩られ始めたんです。
「初めてやることはママでもわからないことがあるんだよ」といったことを子どもに見せたり、自分の人生も子どもと一緒に道に迷うことがあったりしてもいいのかなって。ある程度のことは人生で全部経験してみたいと思っています。
やりたいことができると感じたマレーシアへ!
HugKum:台湾やフィリピンへの留学も以前検討されていたそうですが、マレーシアを移住先として選んだ理由は?
優木さん:台湾への留学を考えていたときは、まだ子どもたちが小さかったこともあり、両親が住む実家の佐賀から近い台湾だと行きやすいなと思って調べていたんです。セブ島での短期留学も経験しましたが、英語が学べて日本とは違う体験ができてとても楽しかったものの、インターナショナルスクールの数が少なくて。そのときに知り合ったご家族に、マレーシアにはインターナショナルスクールがたくさんあって住みやすいということを聞いてから、本格的に自分で調べてみたんです。食事や物価、今までの自分のスキルが生かせる仕事ができそうといった点など、自分が求めていた感じの場所だ!って。地理的にも東南アジアの各国へのアクセスが簡単なので、いろんな国に子どもたちと旅行に行くのも楽しみにしています。

HugKum:すでにマレーシアでのお仕事も計画されているんですか?
優木さん:ビザが取れたら、まずは会社を立ち上げる予定です。今日本でやっているピラティスサロンの展開や、健康食品のビジネス、日本とマレーシアの架け橋になれるようなエージェント業ができないか検討しています。日本でやっているビジネスと似ていることを、東南アジアで再現できないか考えている段階です。

HugKum:日本でのビジネスは今後どのように?
優木さん:現在、ピラティススタジオや整体、健康食品ビジネスを運営しています。フランチャイズオーナーとしては、飲食店の「鰻の成瀬」や子ども向け英語タイピング塾の「アクティメソッド」を所有しています。各事業部にそれぞれ責任者がいるので、私がマレーシアに行ってからもオンラインミーティングを重ねながら運営を続けていくつもりです。
家族で話し合って決めた移住と子どもの将来
HugKum:お子さんとの移住計画をすすめていくなか、ご家族の反応は?
優木さん:夫婦で話し合ったとき、子どもたちにとっても海外で何年か生活するのはいいことだよねって意見は一致していました。もちろん家族みんなで移住したかったので、夫にも一緒に来てくれるように説得していたんです。でも、美容師である夫は日本での仕事があるため、日本を離れることは難しくて。夫婦でお互いのやりたいことを尊重しながらも、子どもにとってもいい経験となると思っています。
HugKum:最近はいつでも手軽にビデオ電話ができるので、遠くに離れていてもなんだか身近に感じるようになっていますしね。
優木さん:そうですね。夫は仕事柄、帰宅時間が遅いので、今までも夫が家に帰った時にはすでに子どもたちは寝ていることが多く、家族そろって会えるのは週一回程度でした。移住後は、夫が数ヶ月に一回マレーシアに来るようになると思うので、その時に凝縮した家族時間をつくれるといいなと思っています。
マレーシアの魅力を体験して子どもたちにも納得してもらった

HugKum:お子さんたちにはいつどのように移住について伝えましたか?
優木さん:子どもたちには、1年半前くらい前に。セブ島でのサマーキャンプの時に、「今回は将来マレーシアに長く行くためのお試し海外生活なんだよ」って伝えました。子どもたちは、日本で通っている小学校や環境に不満がなかったのもあり、現状を変えたくないんだろうなとは感じていたので、なるべく早めに伝えておきたかったんです。お友達と離れ離れになってしまうので、仲のいいお友達とはLINEなどで連絡先を交換して、子ども同士で繋がっておくようにもそのときに伝えておきました。
HugKum:その時の反応は?
優木さん:マレーシアのことを全く知らなかったので、はじめはびっくりしてて。それから10日間ぐらい、子どもとマレーシアに旅行に行ったんです。おいしいご飯を食べたり、プールで遊んだりと子どもたちが好きなことを一緒にして。だったら、子どもたちも「この国いいねっ!」ていう感じになってくれました。
HugKum:新しい学校への転校については?
優木さん:もちろん不安はあったようで、移住を決めてからこれまで「嫌だなぁ」「行きたいわけじゃない」なんてぼやくこともあったり。でも、2回のセブ島でのお試し海外生活でも思いっきり楽しく過ごせて、また行きたいねって言っているくらいです。移住前に旅行でまたマレーシアに行くことになっているのですが、今はそのことを楽しみにしているようです。

Hugkum:海外移住に限らず子連れでのお引越しとなれば、やはりお子さんの学校もタイミングも考えさせられますよね。
優木さん:その点はやはり、子どもと相談ですね。人生と同じで、(それぞれの子の学校の条件が合った)タイミングを待っていたら、時間が過ぎてしまうだけなのかなって。将来子どもが進学する時期になった時、長女が日本の学校に行くことを希望し、次女はマレーシアで学校を卒業したいという思いがあるのならば、2拠点生活になる可能性もありだなって。こればかりはその時にならないとわからないですね。
後半の記事では学校や住まい探しについて伺いました

お話を伺ったのは

約5年前に佐賀県の実家から近い台湾への留学を検討していたものの、コロナの蔓延により計画が頓挫。2023年&2024年8月に、子どもたちの夏休みに合わせて4週間ずつセブ島でのサマーキャンプに参加。2025年の7月末に、子ども2人を連れてマレーシアへ移住予定。家族構成:夫、長女11歳、次女8歳
優木まおみさんInstagram
取材・文・構成/s.Frey