2100年に世界の人口は100億超え! 人口が減る国と増える国の政治や経済への影響は?【親子で語る国際問題】

今知っておくべき国際問題を国際政治先生が分かりやすく解説してくれる「親子で語る国際問題」。今回は、世界人口について学びます。

人口が減る日本と、増え続けるアフリカの国々

日本では今、人口がどんどん減っていますが、世界全体の人口はどうなっているのでしょうか?

現在、世界には約80億人の人がいます。国連の予測によると、世界の人口は増え続けており、2100年ごろには100億人を超えるかもしれません。

しかし、すべての国で人口が増えるわけではありません。ナイジェリアやエチオピアといったアフリカの国々では、若い人が多く赤ちゃんがたくさん生まれるので人口が増えています。

一方、日本やヨーロッパ、中国のような先進国では、人口が減っている傾向にあります。なぜかというと、結婚する人や子どもを産む人が減り、寿命が長くなって高齢者が増えているからです。

人口増の国は勢いを増し、強い声を持つ可能性が

この人口の変化が、政治にどんな影響を与えるかを考えてみましょう。

まず、人口が増える国では、若い人がたくさんいるので、新しいアイデアやエネルギーがあります。そして、人口が増えることで学校や病院、仕事の場が足りなくなるので、政府はそれを作るためにお金を使う必要があります。

一方、人口が減る国では、働く人が減って、税金を払う人も少なくなります。日本では、高齢者が増えて年金や医療にお金がかかるのに、それを支える若い人が少ないため、政府は難しい選択を迫られます。例えば、税金を増やすか、外国から働く人を呼ぶか、といったことです。

また、人口が多い国と少ない国で、国の力のバランスも変わっていくと、人口の多い国が世界で強い声を持つようになる可能性があります。

人口増の国は経済面でも活発に。人口減の国は元気を失う

次に、経済への影響です。人口が増える国では、物やサービスを買う人が増えるので、経済が活発になります。例えば、アフリカの国でスマートフォンや服を買う人が増えれば、企業はそこに工場やお店をつくります。

一方、人口が減る国では、買い物をする人が減るので、経済が縮こまる可能性があります。日本では、コンビニやスーパーが閉店したり、地方の町が寂しくなったりしています。

さらに、働く人が減ると、工場やお店で作るものやサービスも減って、経済が元気を失うかもしれません。企業は、人口が増える国に工場を移したり、外国から働く人を雇ったりして対応しようとします。

人口が減ると暮らしが不便に?

政治や経済以外にも、人口の変化は社会に影響を与えます。人口が減る日本では、学校が閉鎖されたり、バスや電車が減ったりして、暮らしが不便になる地域が出てきます。一方、人口が増える国では、都市に人が集まりすぎて、渋滞やゴミ問題が起こるかもしれません。

また、人口が多い国から少ない国へ、仕事や生活を求めて人が移動する「移民」も増えるでしょう。これは、新しい文化やアイデアが生まれるチャンスですが、言葉や習慣の違いからトラブルが起こることもあります。

日本はロボットやAIの力も借りて、元気な経済づくりを

では、日本はどうすればいいのでしょうか? 人口が減っても、技術や教育を活用して、少ない人でも元気な経済を作ることが大切です。例えば、ロボットやAIを使って工場や介護の仕事を助けたり、外国から来た人と一緒に働く環境を整えたりすることができるでしょう。

政府も、若い人が結婚や子育てをしやすいよう、サポートを増やす努力が必要。また、世界の国々と協力して、人口の変化による問題を一緒に解決することも大切です。

世界の人口はこれからも大きく変わります。増える国と減る国、それぞれに良い点と難しい点があります。政治や経済もその影響を受けて、国のあり方や人々の暮らしが変わっていくでしょう。日本も世界も、だれもが幸せに暮らせるよう、賢く変化に対応していくことが大切です。

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記事執筆/国際政治先生
国際政治学者として米中対立やグローバルサウスの研究に取り組む。大学で教鞭に立つ一方、民間シンクタンクの外部有識者、学術雑誌の査読委員、中央省庁向けの助言や講演などを行う。

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