【小学校の新常識】牛乳はストローを使わず「ラッパ飲み」 食事のマナーより、SDGs教育が最優先! プラ削減で変わった驚きの給食風景

月刊誌『小学一年生』(小学館発行)では、最新教育事情を現役の先生が教えるコラムを連載中です。今回は、昨今謳われているSDGsの観点から! パパママの時代とはひと味ちがった令和の学校事情をのぞいてみてください。

「プラスチック循環促進法」が施行され、牛乳は直飲みが主流に

小・中学校では現在、牛乳をストローを使わずに飲むよう指導が進められています。令和4年に「プラスチック循環促進法」が施行されたことで、学校現場でも全国的にプラスチック製のストローを廃止する動きがあるのです。

といっても、牛乳パックの形は以前と変わりはなく、ストローをさす穴もちゃんとあります。家庭で飲まれている牛乳パックと同じように開けますが、コップに注ぐのではなく、直飲みをするのです。

それは食事のマナーの観点から見ると、「お行儀が悪い」と指摘されてしまうようなことではあります。もちろん、マナーを守ることは大切ですが、学校では今、環境問題を考えて行動することを子どもたちに教えることが優先されています。世間でもプラスチックのストローを使用しない飲食店が増えていますよね。学校でも同じ取り組みをしているのです。

SDGs教育の一環として、児童にも伝えています

こうした流れは、ここ2〜3年の間に全国的に広まりつつあるようです。上級生たちは、学年の途中からストローが消えて、直接飲むように指導されたことで、「えっ、牛乳パックに口をつけて飲んじゃっていいの!?」と、戸惑う子どももいました。一方、1年生は、最初の給食で指導されるので、すんなりと受け入れたようです。

牛乳パックを開けるには、多少力が必要です。まだ力の弱い1年生には、なかなか難しい作業なのです。けれど、慣れとは恐ろしいもので、5月に入ると、クラスのほぼ全員が器用にパックの口を開けて、こぼさず上手に牛乳を飲んでいます。

もちろん、学校ではSDGs教育の一環として、ストローを廃止する理由をきちんと教えますし、家庭との違いも子どもたちにしっかり理解してもらいます。その上で、学校では牛乳をラッパ飲みしているので、ご家庭ではこれまでと変わらず、「おうちではコップに注いで飲もうね」と伝えてもらえるといいのかなと思います。

給食の時間に学校を訪れることがありましたら、ぜひ教室をのぞいてみてください。家庭では見られない光景が広がっているはずです。

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私がお答えしました

佐々木陽子先生 公立小学校教諭

低学年の担任経験が豊富で、現在は主幹教諭として教鞭をとる傍ら、先生が読む教育情報サイト『みんなの教育技術』に執筆も行う。

1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子ども達各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。

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イラスト/メイボランチ 構成/天辰陽子

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