【調査概要】調査期間:2025年4月18日~5月14日 回答者数:214人
目次
「育児と本に関する調査」のアンケート結果
今回は0歳のお子さんがいるご家庭や、小・中学生のお子さんがいるご家庭など、さまざまな年齢層のお子さんを持つ方に「育児と本」に関するアンケートを行いました。子どもの読書事情と、親の読書事情、それぞれ生の声をご紹介します。
子どもはどのくらい本を読んでいますか?

お子さんの読書の頻度を尋ねたところ、「1週間に1冊以上」(73人)、「2~3週間に1冊以上」(28人)、「1か月に1冊以上」(47人)となりました。9割以上のお子さんが、1か月に1冊以上は本に親しんでいる現状が垣間見えますが、本を読む冊数としてはやや少ないようにも思えます。

読書をする場所を尋ねたところ、「自宅」(106人)、「学校」(38人)、「図書館」(9人)と続きます。読書に親しめる環境が身近にあるのはとてもいいことですよね。
その他には「どこでも読んでいます。歩きながらでも.…」(女性/沖縄)という回答がありました。どこでも…というのは安全面で少しハラハラしてしまいそうですが、そこまで読書に熱中できるのは、なんだかうらやましい気もします。
子どもたちが夢中になっている「おすすめ本」5選
そんな子どもたちを夢中にする「読書」。では今の子どもたちはどんな本にハマっているのでしょうか。アンケートの自由回答で実際に挙げられた本をご紹介します。
「大ピンチずかん」シリーズ

「大ピンチを知れば、いつ大ピンチになってもこわくない!」そんなみんなの「ピンチ」をユーモアたっぷりに描いた絵本「大ピンチずかん」シリーズ(作/鈴木のりたけ)。1巻から3巻まで発売されており、2025年春発売された「大ピンチずかん3」はわずか2か月足らずで2025年上半期ベストセラー総合1位(トーハン調べ)を獲得するなど、まさに大人気の絵本です。
アンケートの自由回答でも、たくさんのお子さんが「大ピンチずかん」に夢中になっているようでした。小さなお子さん向けの絵本ですが、大人が読んでもとってもおもしろく、ハマってしまうこと間違いなし。
「りんごかもしれない」

子どもがハマっている絵本として、たくさん挙げられていたうちのひとつが、ヨシタケシンスケさん作・画の絵本です。「りんごかもしれない」は、ひとつのりんごをめぐって、不思議でユニークな世界観のストーリーが繰り広げられます。目の前のりんごは、本当にりんご? それとも実は思いもよらないものだったりして。大人も子どももクスッと笑える絵本です。
ほかにも「第13回MOE絵本屋さん大賞2020」で大賞を受賞した「あつかったら ぬげばいい」など、たくさんの絵本を展開中のヨシタケシンスケさん。その独特の世界観とユーモアあふれるイラストやストーリーを親子で楽しんでみてください。
「チャレンジ ミッケ!」シリーズ

小さなお子さんから楽しめる「チャレンジ ミッケ!」シリーズ(写真/ウォルター・ウィック 訳/糸井重里)。写真の中から隠れているものを探し出すゲーム絵本です。2005年から刊行されており、今年で20年。
シリーズは1巻の「おもちゃばこ」から、12巻の「おばけだよ」まで全12巻で、そのほか番外編なども発売されています。カラフルで美しい写真は、見ていて飽きない楽しさです。
「ドラえもん科学ワールド」シリーズ

小・中学生のお子さんに人気の「ドラえもん科学ワールド」シリーズ(著・まんが/藤子・F・不二雄 ※監修は内容により異なります)です。
おなじみのドラえもんの挿絵入りで、自然や科学、宇宙、動物、防災や地理、さらには法律や経済まで! 身の回りのできごとから、学校では習わない一歩踏み込んだ内容まで、子ども向けにわかりやすく書かれています。子どもはもちろん、大人でもためになることばかりなので、お子さんと一緒に学ぶのもおすすめです。
「5分後に意外な結末」シリーズ

小学校高学年のお子さんに人気がある「5分後に意外な結末」シリーズ(編・著/桃戸ハル)。SFやミステリー、ホラーなど、幅広いジャンルのショートストーリーが1冊にたっぷり詰まっています。1話が数ページで「5分で読める」という手軽さが魅力の小説で、ラストに待ち受ける感動や笑い、アッと驚く「意外な結末」とは?
「5分後」シリーズには、そのほかにも「5分後に恋の結末」シリーズや「5秒後に意外な結末」シリーズも発売されています。ショートショートが好きな大人にもおすすめしたい作品です。
親が子どもに読ませたい本は?

では一方で「親が子どもに読ませたい本」はどんな本なのでしょうか。自由回答で答えてもらいました。
昔からある文学作品、歴史・伝記、図鑑など何かしらの学びがある本を読んでほしい、という意見が多く挙がる一方で、親としてハッとさせられるような意見や、共感できる意見も多くありました。その一部をご紹介します。
・結末を自分で考えるような形式の小説。自分はどう考えたかを、親子や友だちとぜひ話し合ってほしい。そしていろいろな考え方があることを知ってほしい。(女性/石川)
・まんが入りでいいので、図鑑などを見て、子ども本来の「なぜ?」という疑問を大切にしてほしい。(男性/茨城)
・悩みが多くなる思春期には、自分を重ねつつ自然に勇気をもらえる小説などを読んで、悩みを乗り越えてほしい。(女性/大阪)
また、こんな意見もありました。
・本を読んでくれるならなんでもいい。ゲームやスマホで遊んでばかりで本をあまり読んでくれないから。(女性/神奈川)
・本人が手に取り、おもしろかった!ドキドキした!つまらなかった!こわかった!と楽しんでくれるならなんでもうれしいです。(女性/神奈川)
まんがでも図鑑でも絵本でも、子ども自身が「これが読みたい!」と自ら手に取る本を、積極的に読ませてあげたいという声もとても多く見られました。幼稚園や学校、書店や図書館などで、さまざまなジャンルの本に触れる機会を増やしてあげられるといいですね。
親として、子育てのために読みたい本は?

こんな質問も行いました。「親として、子育てのために読みたい本はありますか?」という問いでは、僅差ではありますが「心理学・メンタルヘルスの本」(72人)、「子どもの行動管理について参考になる本」(67人)、「子どもの健康・栄養について参考になる本」(63人)、「子どもの発達に関わる本」(63人)といった育児本に高い関心が寄せられました。

育児本を選ぶ際に重視するポイントを尋ねたところ「内容の具体性」(107人)、「レビューや評価」(64人)、「著者の信頼性」(46人)と続きます。もちろん著名な人が書いた本は気になるけれど、それよりも内容を最重要視するという人が多いようです。

育児本を購入する場所を尋ねたところ、育児本を読む人の半数以上が「書店」(103人)と回答。やはり内容を重視するからこそ、手に取ったり似た本と比べたりして、自分にいちばん必要な本を選びたいという人が多いのかもしれませんね。
親が読みたい「おすすめ本」5選

最後に「具体的に気になっている本」や「読んでよかった本」を尋ねました。自由回答で寄せられた回答の中から、いくつかの本をご紹介します。
「子どもに伝わるスゴ技大全」シリーズ

パパやママから圧倒的に支持されているカリスマ保育士・てぃ先生の著書です。育児書としては異例の10万部を突破した「子どもに伝わるスゴ技大全 カリスマ保育士てぃ先生の子育てで困ったら、これやってみ!」(著/てぃ先生)をはじめとする、子育て中のお悩みに寄り添うシリーズ本。正論だけではない今すぐに使えるリアルな内容が話題を呼んでいます。現役保育士だからこそ書ける子育てテクニックは、一見の価値ありです。
「だいじ だいじ どーこだ?」

著者の遠見才希子医師が、当時2歳だった自身のお子さんとのエピソードを交えながら描いた、性教育の絵本「だいじ だいじ どーこだ?」(著/遠見才希子 絵/川原瑞丸)。アンケートでは、子どもと一緒に読みたい一冊、として挙げられていました。
はじめの一歩は、自分の「からだ」を知ること。大切なことだからこそ、ちゃんと丁寧に教えたい。そんな保護者の方へおすすめの一冊です。シリーズとして「きみのこころをつよくする えほん」や「きみのいいところがみつかる えほん」も登場しています。
「新生児科医・小児科医ふらいと先生の 子育て『これってほんと?』答えます」

SNSで絶大な人気を誇る新生児科医・小児科医の「ふらいと先生」こと、今西洋介先生が監修した子育て本が注目されています。
情報社会だからこそ耳に入ってしまう、育児不安をあおるようなうわさや迷信、ウソか本当かわからない情報。そんなひとつひとつの育児情報に、専門家が最新の知見に基づいて科学的に答えていく一冊です。「これってほんと?」と悩む場面で、お守りにしてほしい一冊です。
「HSCの子育てハッピーアドバイス」

この世の中には、5人に1人という一定の割合で「ひといちばい敏感な子」と言われる子ども(HSC=Highly Sensitive Child)がいます。「HSCの子育てハッピーアドバイス」(著/明橋大二)は、感受性が強く、敏感な子どもたちを育てる方に向けた、個性を生かし育児を楽しむためのアドバイス満載の一冊です。
子育てカウンセラーであり心療内科医の明橋大二先生が手がける「子育てハッピーアドバイス」シリーズには、ほかにも「大好き!が伝わるほめ方・叱り方」や、「忙しいパパのための子育てハッピーアドバイス」、さらには年齢や成長に合わせた著書などがあります。
「はじめてパパになる本 父親のための育児手帖」

「はじめてパパになる本 父親のための育児手帖」(監修/今田義夫、貝嶋弘恒)は、これからパパになる男性・パパになったばかりの男性はもちろん、夫婦で一緒に読んでほしい一冊です。
産院選びや出産準備に関することや、出産後の手続きのこと、お風呂の入れ方やおむつの替え方のノウハウ、さらには子どものほめ方や叱り方まで。父親目線の育児ハウツーが、豊富なイラストつきで解説されています。病気やケガなど、乳幼児期に起こりうるトラブルの対処方法も書かれているので、いざというときの助けになってくれます。
親子で読書の体験、始めてみませんか?

SNSやスマートフォン、動画コンテンツやゲームがどんどん子どもたちにも浸透していく中で、やはりどうしても減ってしまう読書の時間。本が大好きなお子さんたちを除いては、あまり本を読まなくなった…と感じるご家庭もあるかもしれません。そんな子どもたちに、本を強制的に読ませたところで、それは決して豊かな読書体験とは言えないでしょう。
だからこそ、自らが進んで興味を持ち、さまざまな本に触れていくような、そんな実りのある読書をしてほしいと願います。
もちろん育児そのものも、毎年どんどんアップデートされていきます。時代に即した今の自分たちに役立つ本を、数ある本の中からぜひ見つけてみてくださいね。
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文・構成/伊東ししゃも

