【夏休みの自由研究】提出は任意でもやったほうがいい? 成績とは関係ないけれど…取り組むことの意外なメリットとは

学習雑誌「小学一年生」に寄せられたパパママからのお悩みに、現役の小学校の先生がアドバイス。今回のお悩みは、提出が任意と言われた自由研究について。実際は取り組むべきなのか、行わなくてもいいのかお悩みの親御さんからの質問にお答えします。

提出が任意の自由研究。それでも取り組んで、提出したほうがいい?

夏休みの宿題で自由研究が出ました。けれど、「提出は任意です」と言われました。私は子どものころに自由研究に取り組んだ思い出がありますし、今度はわが子と一緒に何をしようかと、楽しみにしていたので、少しがっかりしています。提出は自由と言われても、取り組んだほうがよいのでしょうか。そもそも自由研究は成績に関係するのでしょうか。

また、夏休みの40日間、子どもを飽きさせないように過ごすためのアドバイスをもらえるとうれしいです。 (はっぴぃさん)

A:教科書を参考にして、取り組むのがおすすめですよ!

自由研究は「提出は自由です」という学校や、そもそも「宿題に出しません」という学校も近ごろ増えているようですね。もちろん、これまでと変わらず、児童全員が作品を提出する学校もあります。

このように、学校によって方針はまちまちですし、「自由研究」なので成績には反映されません。けれど、子どもにとっては、自由研究に取り組むことで、大きなメリットがたくさんあるのです。夏休みにヒマを持て余すのが心配なら、なおさら取り組んでみてはいかがでしょう。

保護者会でも「自由研究で何をしたらいいかわからない」といった相談を受けることがあります。そこで「教科書にのっていることを参考にするといいですよ」とお答えしています。

とくに1年生では、生活科や図工の教科書に自由研究にピッタリなテーマがのっています。例えば、図工では、2学期から「身近にあるもので造作」という単元があります。食品トレーや牛乳パックなど、どの家庭にもありそうなものを使っておもちゃなどを作ります。また、生活科では、葉っぱを使って作品を作る単元があるので、山や公園などへ行く予定があれば、葉っぱをたくさん拾っておくといいですね。時間があれば、それを画用紙などに貼って作品を作るのもおすすめです。

また、教科書にのっていることを夏休みにやっておくと、2学期の授業では、すでに経験しているので「やったことあるよ」と、自分からほかの子に教えるようになります。やった子は、クラスのヒーローになれちゃうのです。さらに、友だちに教えたことで自信がつき、自己肯定感が高まります。とくに苦手なことがある子は、夏休み中に経験しておくと、授業でも自信を持って取り組めるようになりますよ。

長い夏休みの学習も、迷ったときは教科書をチェックしましょう。例えば、算数なら1学期の復習をさせたり、国
語の教科書で、2学期にやるところを音読したりするのもいいですね。一度読んでおくと、2学期の授業では自信を持って読むことができますからね。

このように、教科書を上手に利用して、親子で楽しく有意義に夏休みを過ごしてもらえるといいかなと思います。

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私がお答えしました

佐々木陽子先生 公立小学校教諭

低学年の担任経験が豊富で、現在は主幹教諭として教鞭をとる傍ら、先生が読む教育情報サイト『みんなの教育技術』に執筆も行う。

1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子どもたち各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。

『小学一年生』2025年9-10月号別冊『HugKum』
イラスト/メイボランチ 構成/天辰陽子

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